転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんは真面目な時でも可愛い!以上!


第三十四話 厄災が来たから、迎撃体制に入ります

「……………ちょっと厄介な気配がするわね。でも僅かに知ってる妖気(オーラ)……ふむ…どうしたもんかしらね」

 

英雄化計画より数週間、ハクロウの手で英雄と呼ぶに相応しい身形に仕上がった彼等は旅立ち、束の間ではあるが慌ただしくも騒がしい中で訪れた平和を満喫していたネコリア。修行中に微量な妖気(オーラ)を感じ取り、近付く気配を探り、その大きさに眼を細める

 

「ネコリア様。リムル様より伝言がございます、発言を許可していただけますか?」

 

「許可するわ」

 

木陰から姿を見せたソウカに発言を許し、彼女の方に向き直ると真剣な眼差しを向ける

 

樹妖精(ドライアド)のトライア様が御報告したい事があるらしく、盟主リムル様並びに参謀ネコリア様に御眼通り願いたいとの事にございます」

 

「分かったわ。直ぐに行くと伝えて」

 

「御意」

 

主人からのの返事を逸早く伝える為に、ソウカが姿を消す。その直後に起き上がったネコリアは会議場所へと向かう

 

「ネコちゃん。せっかくの修行中に呼び出して悪かったな」

 

「構わないわ。それで?トライアちゃんだった?報告したい事って、にゃにかしら」

 

何時になく真剣なネコリアはトライアに視線を向け、問いを投げ掛ける。その姿は正に参謀と呼ぶに相応しく、下手をすればリムルよりも遥かに盟主に相応しいのだが今は関係ない話である

 

暴風大妖禍(カリュブディス)が復活致しました。大妖はこの地を目指しております。我が姉トレイニーが足止めを行っておりますが、あまり長くは保ちません……至急、防衛態勢を整えていただきたく御伝えに参りました」

 

「にゃるほど……あの気配は暴風大妖禍(カリュブディス)が原因だったのね。納得だわ、ヴェルドラから漏れ出した魔素溜まりから発生した魔物………厄介なヤツを残してくれたわね………」

 

「えっ?なに?俺だけが知らない感じ……?なにこの疎外感っ!」

 

暴風大妖禍(カリュブディス)の名に聞き覚えがあるのか、その正体までも語るネコリアに反し、話の流れを理解出来ないリムルは疎外感を覚え、驚きを隠せない

 

「後で《大賢者》ちゃんに教えてもらいなさい。今はそれよりも暴風大妖禍(カリュブディス)を相手にどうするかを考えるべきよ。狙われてるのは間違いなく、この町………というかアンタの中にいるヴェルドラよ」

 

「マジでかっ!だとすれば、取るべき対策は一つだ。倒すぞ……ネコリア」

 

「仰せのままに……。聞いたわね?スイヒョウ!今直ぐに国民を広場に集めなさい!」

 

「かしこまりました!」

 

リムルの決断からの動きは迅速だった。ネコリアの指示を受けたスイヒョウを主導に、国民全員が広場に集められ、中央に設けられた舞台に誰もが注目する

 

「既に気配を感じ取っている者もいると思うが、敵が急速接近中だ。だからと言って、怯える必要はない。参謀長(ネコリア)の指示を仰ぎながら、侍大将(ベニマル)が迎撃体制を整えている。非戦闘員はリグルの指示に従い、森の中に避難するように。以上!慌てず騒がず行動開始!」

 

リムルの決断に抗う者は存在せず、その威厳ある立ち振る舞いに誰もが歓声を挙げ、指示通りに森の方へ避難を開始する

 

「ベスター。ガゼル王へ連絡を頼む」

 

「はっ、お任せを」

 

壇上から降り、ベスターに指示を降すリムルの側に休暇を満喫していたフューズが姿を見せ、真っ直ぐと視線を向ける

 

「………何故、逃げないのですか。仮にも相手は災厄級魔物(カラミティモンスター)、脅威だけで言えば災禍級魔物(ディザスターモンスター)以上と考えられています。其れでも魔王(ディザスター)に認定されない理由は「知恵ある行動を取らない」………その一点のみです。貴方は………いえ、御二人は魔王を相手にしようというのですか?」

 

その問いにはフューズの真意が籠っていた、リムルを相手に人称を改めたのは、彼の決断を汲み取ったネコリアも同じ覚悟がある事を悟ったが故、其れでも決意が変わる事はなかった

 

「ネコリアを先に行かせたのは、アイツが現時点で俺を上回るからだ。だが俺も参加しない訳じゃない、戦いは敗者を決めて終わるんじゃない。勝者を決めて、終わるんだよ」

 

一陣の風が吹き、リムルの体がスライムから人型に変化する。フューズはその姿を知っていた、自らが支部長(マスター)を務める自由組合(ギルド)でも有名な冒険者、彼女の姿を受け継いだ白銀の髪を靡かせた美少女が佇んでいた

 

「その姿は………」

 

「俺とネコリアはシズさんと同郷でね、彼女の意志を継いだんだ。思う所はあるかもしれないが信じて欲しい、俺たちの勝利を」

 

「……………なるほど、信じられそうです。貴方と貴方が認めたあの人ならば」

 

「君なら、そう言ってくれると思ってたよ。そこでだ……一つ頼まれてくれないか?」

 

「………聞きましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暴風大妖禍(カリュブディス)討伐基迎撃の舞台に選ばれたのは、テンペストとドワルゴンを結ぶ交易路となる予定地、リムルを先頭に参謀長ネコリア、各部隊が終結する中にミリムもいた

 

「わっーはっはっはっ!私が居るのを忘れてはいないか?デカいだけの魚など、私の敵ではないのだっ!」

 

「却下よ」

 

「なぜなのだっ!?」

 

やる気満々なミリムの申し出を食い気味に却下したのは、ネコリアだった。マブダチである彼女からの即答に思わず眼を見開いたミリムは疑問を投げ掛ける

 

「良い?此れはあたしたちの問題よ。最初からミリムちゃんが出たりしたら、この町は直ぐに魔王に頼る駄目な魔物の集まりだと、風潮され、その在り方自体を軽んじられるわ」

 

「むぅ…………」

 

「でも、いざって時には助けてね♪」

 

「「「「可愛いですっ!ネコリア様っ!」」」」

 

「はうっ!?アネキのウインクっ!!!」

 

ぱちりとアーモンド型の猫目をウインクさせるネコリア、その愛くるしさに彼女の虜であるスイヒョウ、エンカ、ライメイ、カイリン、ソウカは目をハートにしながら悶える

 

「おい、ネコちゃん……ミリムがいれば明らかに戦力拡大に繋がるのに断るとか正気か?」

 

「何を言うかと思えば、呆れたスライムね。だからエッチなのよ」

 

「エッチは関係ないだろっ!?というかエッチじゃないやいっ!」

 

ミリムの作戦参加に賛成の様子のリムルに話し掛けられ、呆れた眼差しで罵倒するネコリアに対し、御決まりの突っ込みを返される

 

「仕方ない………今回ばかりは自分たちだけで片付けるか。でも危ない時は助けてもらっても………」

 

「はぁ……今だけは前に集中しなさい。敵の御到着よ」

 

「…………やるだけ、やってみるか。対策は既に打ってあるしな………いって!」

 

事前に対策を立てた事を宣言するリムルの額をネコリアが軽く小突き、ジト目を向ける

 

「あたしよりも先に先手を打つとか生意気よ」

 

「うっ………そ、そんな事より!今は目の前の敵に集中しよう!ん?なんか周りに鮫みたいなのが大量にいるな」

 

「アレは空泳巨大鮫(メガロドン)暴風大妖禍(カリュブディス)が異界より召喚した従魔であるとの報告を受けております。確か両方とも「魔力妨害」のスキルを持っているそうですわ」

 

情報に存在しない個体をリムルが観察していると、背後からスイヒョウがトライアから聞き出した情報を報告する

 

「なぁ………ネコちゃん。やっぱり………」

 

「却下♪」

 

「デスヨネー」

 

全てを言い切る前に、綺麗な笑顔で却下され、棒読み感溢れる事を返すリムル。かくして、災厄級魔物と魔物たちの戦いが火蓋を切って落とした




厄災と呼ばれる魔物を相手に、ネコリアが取るべき策とは……

ネコリアの真骨頂その27 実は役割を理解している

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