転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。 作:田中滅
「んにゃぁ〜…………この気配は……見覚えがないわね?でも、何処となくあたしに近い雰囲気………にゃるほど、
何時もの時間に目を覚ましたネコリア、近付く気配が
「ふぅん……
「ネコちゃん。頼むから、くれぐれも失礼が無いようにな」
「にゃによ、あたしが何時も失礼みたいな言い方は」
「心当たりがないことに驚きなんだが」
数え切れない実例があるにも関わらず、当の本人は不満気にしているがリムルは理解していた。如何なる者が相手でも彼女が失礼な発言を口にしない筈がないと、彼女はそれだけの実例が存在するのだ
「御初に御目にかかります、ジュラの大森林の盟主様並びに参謀長様。私はカリオン様の三獣士が一人、“黄蛇角”のアルビスと申します」
虎車から降りてきたのは一人の女性、杖を片手に長い髪を触る彼女はアルビス、フォビオと並ぶ
「これは御丁寧に。俺はリムル=テンペスト、見ての通りスライムだ」
「そうね。エッチなスライムよね」
「エッチじゃないやいっ!」
「あたしはネコリア=テンペスト、見た目的は
自己紹介と定番のやり取りを繰り広げるリムルとネコリア。その時、別の虎車の扉が乱暴に蹴り開けられた
「オレ達に近しい種族にも関わらず、弱小なスライムを盟主に仰ぐだと?馬鹿にしてんのかっ!?その上、矮小で小賢しく卑怯な人間どもとつるむなんざ、魔物の風上にも置けねえな!」
「スフィア。カリオン様の顔に泥を塗るつもりですか?失礼な言動は控えなさい」
「はんっ!オレに命令するな。お前はうるさいんだよ、アルビス」
スフィア、そう呼ばれた女性は
「随分と上からね?其処にいるヨウムは我等が盟主並びにドワルゴンの国王を兄弟子に持つ今話題の英雄よ。文句があるとでも?」
彼女の言い分に異議を唱えたのはネコリア、友人のヨウムだけで飽き足らず、相棒のリムルまでも馬鹿にされた事で彼女の中に苛立ちが生まれていた
「文句だぁ?それ以前の問題だ、人間如きと同門ってことは、盟主殿の実力も高が知れてるぜ」
「にゃっふっふっふっ」
更なる飛び火、其れにネコリアの苛立ちが頂点を迎え、何かが音を立ててるように切れた。普段は他者を揶揄う側である彼女だが、自分とは異なる者が相手を揶揄う事を嫌う彼女にとって、スフィアの言葉は地雷だった
「ヨウムちゃん。軽く捻ってあげなさい」
「はぁ!?」
「ネコちゃん!?俺、失礼な事は控える様に言ったよねぇ!?」
「何を言ってるのよ?リムちゃん。先にケチをつけて来たのは彼方側なんだから、売られた喧嘩は買ってあげるのが筋じゃないの」
「なにそのヤンキー的な発想は!?前世は
「…………えっとこれ、拒否権とかねぇ感じか?まさかだけど。まぁ仕方ねぇか……姐御は一度、言い出したら聞く耳持たねぇもんな……やってやるよ」
売り言葉に買い言葉、
「ちょっと待ったァ!!!」
「にゃ?」
「ん?」
スフィアとヨウムの一騎打ちが始まろうとした瞬間、声が響き渡る。その声にネコリアも、リムルも辺りを見回し、その声の主を見つける
「先程から聞いていれば、リムル様だけで飽き足らず………我が主人であるネコリア様に暴言を吐くとは、不敬にも程がある!恥を知れ!!!貴様の相手は私だ!」
愛刀・雷切を手に真っ直ぐとスフィアを見据え、啖呵を切った人物、其れはライメイだった。彼女は元々、ネコリアを悪く言う者に対しての当たりが強く、忍耐力にも酷評がある程の短気な性格、故にスフィアの言葉に怒りが頂点を迎えたようだ
「面白い。其処まで言うからには其れ相応に実力を持っているんだろうな?このオレが直に確かめてやる!」
スフィアも彼女の
「ははっ!なかなかの反応速度だ!」
「当たり前だ、私はネコリア様の剣………主人の前で無様な姿を晒す訳にはいかん」
「あ〜もう………またメイちゃんの悪い癖が……」
「いかがなさいますか?ネコリア様。止めに入れと命じていただければ、直ぐにでも止めますが…」
「う〜ん……もうちょっと様子を見ましょう」
「かしこまりました」
激化する手合わせを止めようと進言するスイヒョウに待ったを掛け、事の顛末を見守ることにしたネコリア。ちらっと、ヨウムに視線を向ければ、手持ち無沙汰となった彼は虎車の手綱を握っていた別の
「アルビスちゃんだった?」
「はい」
「この手合わせはカリオンちゃんの差し金と考えていいのよね?」
「察しがよろしいのですね」
「伊達に三百年は生きてないわ。さてと……そろそろね。スイヒョウ!」
「はっ!」
アルビスと会話しながらも、手合わせを見ていたネコリアは更に激化するであろう状況を止める為にスイヒョウに呼び掛けた
「仙法・
「スイヒョウ!何故、止める!」
「ネコリア様の御命令ですわ。全く……貴女の悪癖はどうにかなりませんの?」
「余計なお世話だ」
「仙術………なるほどな、噂に聞いたことはあるがオレを止めるだけの力を持っているとは驚きだ」
止めに入ったスイヒョウにライメイは文句を吐くが、スフィアは冷静だった。自分を止めた未知の実力者に興味を抱き、満足気に笑う
「スフィア……貴女、徐々に本気になってませんでした?」
「まあな、其処の鬼人がなかなかの手練れだったからな。何はともあれ、堪能させてもらった」
徐々に本気を出し始めていた事を認めながらも、手合わせの結果に満足したのか、彼女は拳を高らかに突き上げる
「見たかっ!彼らは強く度胸もある!我らが友誼を結ぶに値する素晴らしい相手だ!彼らとその友人達を軽んじることはカリオン様に対する不敬と思えっ!わかったな!!」
スフィアの宣言に使節団の使者たちも同意し、ヨウムと剣を交えていた
「で、メイちゃん?その巨大な迸る球体はにゃにかなぁ〜?」
その近くで、巨大な黄色の魔力弾を前に小刻みに震えるライメイを見ながら、ネコリアは苦笑する
「えっ………いや……ネコリア様の火の玉を真似しようとしたら……止められなくて………どうしましょう……」
「はぁ………ホントに考えなしね」
「ネコちゃんにそっくりだよな」
「引っ掻かれたいの?リムちゃん」
部下の不始末は上司の不始末、軽くため息を吐きながらも《変幻》で人型に姿を変えたネコリアはリムルの冗談に突っ込み、魔力弾の前に立つ
「あたしに撃ちなさい」
「は……はいっ!」
「
ライメイの放った魔力弾は、真っ直ぐとネコリアに突撃していく。そして、両手を広げ、勢いよく打ち鳴らすと地面から急速に生えた木が禍々しい養命樹に姿を変え、魔力弾を喰らう。僅か一瞬の出来事に
「どうだ?すごいだろ、うちの参謀長ちゃんは」
「流石はカリオン様に認められし御方とその右腕……御二方とこの国に縁が出来た事に感謝を」
「こちらこそ、ありがたいよ」
「改めて歓迎するわ」
「「ようこそ
かくして、
使節団を迎え入れ、迎賓館に招き、宴の席を設けるリムルとネコリア。しかし、その飲酒量は半端ではなく………
スイヒョウの真骨頂その2 実はネコリアからの信頼が一番に高い
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