転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんは酔っ払うと更に可愛い!以上!


第三十九話 酒は飲んでも呑まれるな!でも、泥酔しちゃったから仕方ないよね

「ああ……幸せ…」

 

「おかわり!」

 

使節団を迎え入れた夜、歓楽街ネコリアに新築された迎賓館では宴の席が設けられていた。当所は首都リムルに建てられる予定だった迎賓館だが、娯楽が充実している歓楽街の方が良いのでは?という声が持ち上がり、この歓楽街ネコリアに新築された

 

「二人とも、イケる口ね♪スイちゃん!樽ごと持ってきて〜」

 

「かしこまりました」

 

「まぁ!樽ごとだなんて、よろしいんですの?」

 

「ネコ様は器がデケェな!」

 

「にゃーっはっはっはっ!!!もっと褒めても良いわよ!」

 

魔国連邦(テンペスト)屈指の酒豪と呼ばれるネコリアと同等の量を流し込んでいくアルビスとスフィア、今までに自分と対等に飲み比べの出来る者たちが存在しなかったネコリアは気を良くした様で、スイヒョウに酒蔵から樽酒を持ってくる様に命じる。尚、アルビスは蛇の下半身で器用に樽を持ち上げ、スフィアはスキル《獣身化》で白い毛並みの虎に姿を変えて盃に注がれた酒を舐めている

 

「どうだ〜?楽しんで………って!樽ごと呑んでるっ!!!誰だ!ネコちゃんに樽ごと酒を出したのはっ!」

 

遅れて現れたリムルは樽ごと酒を呑む三匹の獣の姿に、ぎょっと両眼を見開く。相棒が酒豪である事は理解していたが彼女には樽酒禁止令を出していた筈、であるにも関わらず目の前には酒の風呂に浸かってんの?と言いたくなる様な体制のネコリアが居た。猫の姿で頭から樽に突っ込み、器用に呑む彼女の頬は紅く染まり、完全に酒乱状態だ

 

「にゃ〜ん………おしゃけ〜……」

 

「全く……泥酔するまで呑むなんて、気が緩み過ぎだろ…スイヒョウ、明日から暫く、ネコちゃんは禁酒決定だ。絶対にお酒をあげるなよ、分かったな?」

 

「は、はい。それにしても……見事に空ですわね……りんごのブランデーが…」

 

酒の海で泳ぎ、完全に泥酔してしまったネコリアに毛布を掛けながら彼女に酒禁止令を与える様にスイヒョウに命じる。彼女は其れに苦笑気味に応じながら、部屋の中に散乱する空樽に目を向け、またしても苦笑する

 

「だな、客に振る舞うのがメインだから気にしてなかったが……森の恵みに頼るのも限界があるか…」

 

「なら、良い考えがございます。我が国の果物を此方に回す手配を致しましょう」

 

「えっ!良いのかっ?」

 

願ってもない提案に、彼女の方に視線を向ければ、其処には此方を見詰めるアルビスとスフィアがいた。言わなくても理解してるよな?と言わんばかりの視線は「酒を獣王国(ユーザラニア)にも提供しろ」と主張していた

 

「にゃあ……にゃりゅにゃい…」

 

「そうだな、割り合いはどうしたらいい?」

 

寝惚けながらも会話を聞いていたネコリアが囁くのを聞き、代弁する様にリムルは問い掛ける

 

「細かいことは任せる!オレは美味い酒が飲めればそれでいい」

 

「分かった。スイヒョウ、商人詰め所まで代表を呼びにいってくれ」

 

「かしこまりました」

 

取り引きの場は酒の席で、勢いから決まるのが相場。新たに始まる他国との交流にリムルは満足気に頷いていた。そして、宴会は盛り上がり、明け方まで続き、お開きとなる頃には陽が差し込み、朝を告げる

 

「…………リムちゃん……頭がガンガンする……」

 

「禁酒して反省しなさい。暫くはお酒を呑ませないからな」

 

「そんにゃぁ〜………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たです!魔国連邦(テンペスト)!首都リムル!」

 

使節団到着から数日、アルビスとスフィアは帰ったが彼女等の配下たちは魔国連邦(テンペスト)の技術を学ぶ為に首都リムルや歓楽街ネコリアに滞在を続けている。そして、使節団とは別件で魔国連邦(テンペスト)調査を命じられたフォスは、見慣れない街並みに周囲を見回す

 

「ふぁー!道がスーッと真っ直ぐです!」

 

「わふっー!お散歩!お散歩!」

 

「ぬおおっ!?待たれよっ!エンカ殿っ!吾輩を引きずっております!ちょっ!痛いっ!」

 

「エンカが暴走してる」

 

「兄者……痛そう…」

 

「な、なんです……あれは……」

 

舗装された道を盛大に走り抜けるエンカと、その後方で傷だらけのガビル、異色の二人組にフォスは表情を引き攣らせる

 

「スイちゃん。この後の予定だけど」

 

「カイリンが歌唱施設の設計図が完全したので、ネコリア様に確認してもらいたいとの事ですわ。リムル様は御出立に向けての準備が忙しく、工事関係はネコリア様に一任するとおっしゃっておられました」

 

「はぁ…人遣いならぬ猫遣いが荒いわね」

 

「ネコ様だ」

 

「ネコちゃん様。おでかけ?」

 

「あら、フウちゃんにクウちゃん。にゃにしてるの?」

 

予定を話し合いながら、相棒の猫遣いの荒さにため息を吐いていると、フウとクウが駆け寄る

 

「さっき、兄者がエンカとお散歩してたから見てた」

 

「兄者、痛そうだった」

 

「あ〜今日はゴブタが仕事だから、ガビルに頼んだのを忘れてたわ。スイちゃん、後でガビルに回復薬(ポーション)をあげる様にベスターちゃんに伝えといて」

 

「かしこまりました」

 

颯爽と立ち去る背中、頭の猫耳、ふりふりと揺れる鍵尻尾。自分と近しい容姿ながら、愛らしくも妖艶さを併せ持ったネコリアにフォスは自然と見惚れていた

 

「だ、誰です?あの人は」

 

「狐さん、この国は初めて?」

 

近くにいたフウに問い掛けると、彼女は両眼を瞬きさせた後、問いを投げ返す

 

「は、はいです」

 

「あの人はネコリア様。フウとクウたちの御主人様で魔国連邦(テンペスト)の参謀長をしてる」

 

「盟主のリムル様と仲良し」

 

(あ、あれがカリオン様の言ってたネコリア=テンペスト様!盟主と同じ姓を持つ魔物……油断できないです!)

 

フォスがカリオンからの忠告に決意を固めている頃、当の本人はカイリンの工房に向かっていた

 

「にゃっくちゅ!」

 

「ネコリア様!お風邪ですの!?一大事ですわ!」

 

「大丈夫だから気にしないで………誰かに噂でもされてんのかしら…可愛いって罪ね」

 

相変わらずの自分大好きであったことは言うまでもない




リムルが式典に参加する為にドワルゴン王国に出立し、ネコリアは国のNo.2として朝から大奮闘!その中、彼方此方で騒ぎが発生し………

スイヒョウの真骨頂その3 実はリムルにも従う時がある

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