転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんは強くても可愛い!以上!


第四十三話 いざ、親友との再会に向けて!旅立ちの日!

「最初から全力です!」

 

その言葉と共にフォスの雰囲気が一変。獣人族(ライカンスロープ)の特徴が色濃く現れた姿に変化し、右手にナイフを構える

 

「にゃるほど。噂に聞く《獣身化》ね」

 

神経を研ぎ澄ませ、軽く足踏みをするネコリアの動きを要注意深く観察し、持てる五感を総動員させ、彼女に追随しようと地を蹴った

 

(今ですっ………へっ?)

 

ナイフを突きつけようとした瞬間、フォスは自身が宙に放り出された事に気付く。添える様に彼女の手からナイフを取り上げ、力入らずの投げ技を披露し、魔性の笑みを見せる

 

「素直過ぎるわね」

 

「ネコリア様!覚悟!」

 

「力任せも構わないけど、少しは周りにも視野を広げるのも大切よ?」

 

「へ?それって----ぎにゃっ!?」

 

「ぐぅぅ……頭が痛いですっ……」

 

背後からネコリアを狙ったステラの頭上にフォスが落下し、盛大に頭をぶつけ合う。ハクロウの手合わせの時とは異なる動きに翻弄され、思う様に立ち回れず、痛む頭を抑えながら、顔を上げる

 

「フォス。どうだ?ネコリア様は」

 

「あっ!グルーシス様!情けないです……手も足も出なかったです…」

 

「無理ないっすよ。何せ、ネコリア様は三百歳越えのババアっすからねぇ」

 

「エンちゃん。二回目の散歩に連れて行ってくれるみたいよ」

 

「わふっ!?二回目かっ!よーし!いくぞっ!ゴブタっ!おさんぽっ!おさんぽっ!」

 

「んまっ!?ちょっ!あぎゃァァァ!!!」

 

散歩から解放されたのも束の間、余計な一言を口走ったが為にゴブタは再び旅立った。叫び声を挙げる彼を他所にネコリアは優しく笑う

 

「フォスちゃん。偶にあたしの配下も鍛えに来たりするから、相手をしてもらいなさい」

 

「ネコリア様の配下の方々………って!そんな人たちに修行をつけてもらってもいいですかっ!?」

 

「大丈夫よ。まだまだ、あの子たちも未熟な所があったりするから、良い刺激にもなるわ」

 

「ありがとうございます!!!」

 

ふりふりと鍵尻尾を揺らし、去りゆく背中にフォスは御辞儀をしながら元気の良い礼を述べる。鈍った体を動かした事で、余韻の残っているネコリアは仙術の修行をしようと何時もの森に向かおうと歩いていた

 

「ややっ!ネコリア様!」

 

「あら、ガビル。こんなとこでにゃに…………なんか見覚えのある鳥ちゃんね」

 

名を呼ばれ、崖下を見ると突き出した岩場に鎮座していたガビルが視界に入った。そして、彼の翼に守られる様に寝息を立てる何時かの有翼族の少女基ネムが居た

 

「いやはや、睡眠を邪魔してしまったお詫びにと思いましてな」

 

「ふぅ〜ん………ちゃんと仕事しにゃさいよ?ヒポクテ草の栽培の捗り次第では、幹部にしてあげるから」

 

意外と面倒見の良いガビルに優しく笑い掛け、彼の仕事振りに対する其れ相応の対価を約束する

 

「おお!誠ですか!それは頑張らねばなりませんな!して、ネコリア様はこれからどちらに?」

 

「修行よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ?にゃんで、あたしも行かなきゃならないのよ?」

 

定期連絡を受けていたネコリアは気怠るそうに、水晶の向こう側に問いを投げ掛けた。その先に居る彼は罰が悪そうに頭を掻く

 

『頼むよ。ああいう場所では何があるか分からない、ネコちゃんの力を貸してくれ』

 

「ホント……リムちゃんのそういう所が嫌いよ」

 

『とか言って、来てくれるんだろ?いやぁ!持つべきは頼りになる相棒ちゃんだよなぁ!じゃあ!現地で会おう!』

 

伝えるだけ伝え、定期連絡を終了させたリムル。残されたネコリアは近くにあった書類に手を置く

 

「………………にゃに!切ってんのよ!?要件スライム!!!」

 

「ネコリア様!?八つ当たりはいけませんわっ!」

 

怒りと共に投げ捨てた書類が空を舞い、スイヒョウが慌てて彼女を制止する。それでも彼女自身、心に残った唯一の痼りを捨て去る事が出来ず、ため息を吐く

 

「スイヒョウ。大至急、幹部たちを集めてくれる?」

 

「はい、直ちに」

 

ネコリアの呼び掛けに伴い、幹部陣と彼女の配下の各部隊長が会議室に呼び出された。本来は幹部と盟主、参謀長以外の者は参加権は与えられていないが今回は例外、ネコリアが主体であるが故に彼女の配下も参加を許された

 

「ネコリア様。それで話というのは?」

 

切り出したのはリグルド、この国一番の古株であり行政大臣の立場となった彼は、現時点で「No.3」の地位を持つ

 

「ちょっと急なんだけど、リムルの手伝いに行かなきゃいけなくなったの」

 

「なんと!リムル様の!」

 

「ずるいです!ネコリア様だけ、リムル様の所に遊びに行くだなんて!」

 

「ちょっとだけ黙ってろ、妹。ネコリア様が決めたことなら構いませんが、どちらに行かれるのですか?」

 

騒ぎ出すシオンを咎めたライメイは、主人であるネコリアの意思に従う事を表明すると同時に目的地を問う

 

「ウルグレイシア共和国の最北に位置する、ウルグ自然公園よ」

 

「確か………あの場所には精霊の棲家がありましたわ」

 

「精霊の棲家……何故、その様な場所に?」

 

ウルグ自然公園の名を聞き、その場所にある遺跡の名をスイヒョウが口にすると反覆させた後にベニマルが問う

 

「ちょっとした野暮用よ。安心しにゃさい、用事を済ませたら直ぐにリムルと帰るわ」

 

「盛大な宴を準備をしてお待ちしております!」

 

「じゃあ行ってくるわね」

 

「「えっ………今からぁ!?」」

 

何時もの様に魔性の笑みを見せたネコリアの唐突な言葉に、会議に参加していた全員が声を挙げた

 

「わふっ!出発か!ネコリア様!」

 

既に町の入り口で待機していたエンカは、現れた主人の姿に尻尾を、ぱたぱたとさせながら彼女に駆け寄る

 

「ええ、お願い出来る?エンカ」

 

「任せろだぞっ!」

 

「良いですわね?エンカ。くれぐれもネコリア様の御迷惑にならない様にするんですわよ」

 

「スイヒョウに言われなくても分かってるやいっ!」

 

「どうでしょうか。所詮は駄犬ですし」

 

「なにおうっ!」

 

「ネコリア様、こちらを。私が栽培した野菜を盛大に詰め込んだ弁当です!是非ともリムル様たちに差し上げてくださいな!」

 

「アネキ。新しいコートだ」

 

「ネコリア様の御帰りをお待ちしています。ほら、フウとクウも挨拶しないか」

 

「いってらっしゃい」

 

「らっしゃい…」

 

相変わらずの言い合いをするスイヒョウとエンカ、弁当箱を差し出すライメイ、新作の装備を着せるカイリン、深々と頭を下げるソウカと彼女の背後から見送りの言葉を掛けるフウ、クウ。配下たちにネコリアは振り返る

 

「町を守ってね♪」

 

「「「「可愛いですっ!ネコリア様っ!」」」」

 

「「可愛い」」

 

「はうっ!?アネキのウインクっ!!!」

 

ぱちりとアーモンド型の猫目をウインクさせるネコリア、その愛くるしさに彼女の虜であるスイヒョウ、エンカ、ライメイ、カイリン、ソウカは目をハートにしながら悶える。フウとクウは表情に変化はないが僅かに頬が紅潮していた

 

「エンカ!」

 

「わふっ!任せるんだぞっ!」

 

かくして、ネコリアは旅立つ。一ヶ月振りに再会する相棒との再会の地に向け、彼女とエンカは走り出した。その先に待つ災禍の足音がゆっくりと近付いているとも知らずに…




ウルグ自然公園に着いたネコリアは、遂にリムルと再会する!そして二人の前に現れたのは………

エンカの真骨頂その2 実はおバカ

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