転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。 作:田中滅
ネコリア「夏って嫌い……」
同感……
リムル「だらしないな。二人は」
ネコリア/青メッシュ「「エッチなスライムはだまらっしゃい」」
リムル「エッチなスライムちゃうわ!!」
「んにゃぁ〜………じめじめした梅雨が終わったと思ったら、今度は連日の真夏日………折角の睡眠時間が削られていく……」
ある日のジュラの森。梅雨明けから数日が経ち、連日の真夏日に不貞腐れた様に呟いたネコリア。何時もはふりふりと揺れている筈の鍵尻尾も彼女の気持ちを代弁する様に下に下がっている
「ネコリア様。風鈴をカイリンが作ってくれましたわ、これで少しは涼しくなればとの事です」
「あら、風流ね〜」
風に揺られ、音を鳴らす風鈴。涼し気な音色に耳を澄ませたネコリアはスイヒョウが用意した麦茶を口に運ぶ
「ですが、私の記憶では今までにこの様な暑さの夏は初めてですわ……涼しい夏が来てくれても宜しいですのに……」
「ふっ………甘いっすね。スイヒョウさん」
「あら、ゴブタ」
初体験の真夏日に不満を漏らすスイヒョウ。すると当然と言わんばかりに姿を見せたゴブタはキメ顔を向ける
「夏は暑いに限るっす!何故なら!薄着をした女の子がたくさん見られるっすからね!」
「ホントにエッチなゴブリンね」
「我が一族の恥ですわ」
「良い?ココブちゃんたちは見習っちゃダメよ?」
「ババアは黙っててくださいっす!!」
「エンちゃん。二十四時間散歩の時間よ」
「わふっ!いくぞっ!ゴブタっ!おさんぽっ!おさんぽっ!」
「んまっ!?ちょっ!あぎゃァァァ!!!」
反面教師のゴブタを見習わない様に子どもゴブリンたちを言い聞かせるネコリアは悪口を聞き逃さず、指を軽く鳴らすと呼び掛けに応えたエンカが姿を現し、死のお散歩へとゴブタは旅立った
「ネコリア様。今し方、ゴブタとすれ違いましたが……何かあったんですか?」
「あら、メイちゃん……その引き摺っているのは……」
走り去るエンカとゴブタを見たライメイがネコリアに声を掛けた。その呼び掛けに応えた彼女は視界に、見覚えのある紫色の鬼人を捉える
「愚妹です。なんでも暑さを乗り切る為に肌着を身に付けていなかったとかで……説教基稽古をしてやろうかと思いまして…」
「何がダメなんですか?スースーして快適じゃないですか!姉上もやりましょう!あとシオンです」
「馬鹿者!お前には武人としての意識が足りていない!役職を賜っている自覚が無いのか!!」
「役職そっちのけで畑を耕しまくっている姉上にだけは言われたくありません!」
「夏ね〜」
「ですわねー」
最早、開き直りの域に達しているシオンと言い合うライメイ。その姿にネコリアは茶を啜り、スイヒョウも風鈴の音に耳を傾ける
「ネコリア様!我輩の舞をご覧あれ!暑さなど吹き飛びますぞっ!」
「兄上。ネコリア様の御邪魔になるので、さっさと仕事に戻ってください」
「ソウカよ!これはネコリア様を讃える為に作った舞であるぞっ!其れを御本人にお見せしないでどうするっ!」
涼しさを満喫していたネコリアの前に、暑苦しさの化身と言っても過言ではないガビルが姿を見せ、独自に考案した舞を披露するが、妹のソウカの瞳は冷ややかだ
「ネコリア様。無視してくださって構いません」
「これの何処にネコリア様を讃える想いがあるのでしょう……」
(にゃぜかしら………どう見てもラジオ体操にしか見えないのは…)
無視する様に促すソウカ、スイヒョウは舞の意味が理解出来ずに首を傾げ、ネコリアは見覚えのある動きに近視眼を覚えていた
「おーい、ネコちゃんたちもスイカ食べるか〜?」
「気が効くわね〜」
「ん……ゴブタは?」
「お散歩♪」
「そうか………惜しい奴を亡くしたな」
終わりなき旅に出た配下を思い、二人は夏空の下で手を合わせる
「そーいやよ、アネキ」
「にゃに?リンちゃん」
スイカを頬張り、寛ぐネコリア。カイリンに声を掛けられ、口をもごもごと動かしながら、彼女の方を振り向く
「ウチが子どもの頃は川で涼んだりとかしたりしたけどよ。アネキやダンナは何をしてたんだ?」
「そうねぇ……縁側で寝てたわ」
「ネコちゃんは昔も今も変わらないんだなぁ。俺はそうだな………子供の頃は、よく虫捕りしたな!」
今と微塵変わらない生活を送っていたネコリアの姿が目に浮かぶ。そして、リムルは隠す素振りも見せずに自然な流れで、虫取りしていたと語る
「ダンナが虫を………シュールだな」
「虫は好きじゃない。おいしくない……」
「クウは好き。虫さんは可愛い」
「おぉ!クウは話せるなっ!あとな?フウ、虫は食べちゃ駄目だ」
驚きを見せるカイリン、美味しくないから虫は苦手だと告げるフウを他所に意外にもクウは可愛いから好きだと語る。リムルが優しく頭を撫でると彼女は嬉しそうに頬を緩める
「ネコちゃんはどうだ?カブトムシとか育てたりしたか?」
「仮にも女の子よ?あたしは。まぁ、夏休みの自由研究でシーモンキーを育てたりはしたわね」
(なんでかな………時々、ネコちゃんとの間に格差を感じる……)
相棒との間に世代と呼ぶ格差を感じたリムル。然し、口にすれば容赦ない一撃を喰らう事を理解している為に心中で密かに想うのであった
「わふ?アニサマ!どうしたんだ?」
散歩を楽しんでいたエンカは木陰に見つけた兄に近寄っていく
「おお、我が妹。少しばかり考え事をしていた。お前は何をしているのだ?」
彼女に気付き、答えを返したランガ。鸚鵡返しの如く、妹に問いを投げかける
「おさんぽっ!ネコリア様がゴブタとしてこいって!」
「ほう。すまぬな、ゴブタ殿。我が妹が迷惑を掛ける」
「いやいや、慣れたっすよ。何を隠そう……おいらたちのコンビネーションは抜群っすよ」
律儀に頭を下げるランガに対し、ゴブタはキラーンと効果音が鳴りそうなキメ顔を見せる
「わふ………スイヒョウはネコリア様を見詰めて何してるんだ?気持ち悪いぞ」
一方でエンカは別の木陰に見つけた見覚えのある女性に声を掛ける
「ふっ……これだから駄犬は。ネコリア様の仙術修行の御邪魔にならない為に陰からひっそりと見守っているのですわ」
「とか言って…どーせ、べたべたと暑くるいしいから近寄るなって言われただけだろ」
「ふふっ……わふわふとうるさい犬ですわね。アナタこそ、最近はネコリア様に遠ざけられているくせに」
「「……………やんのかっ!!」」
穏やかに見えながらも、一瞬の沈黙の後に胸倉を掴み合うスイヒョウとエンカ。その姿を遠目で見ていた渦中の人物は思っていた
(別に何も思ってないんだけど………夏ねぇ……)
これはある日の日常。まだ二人が魔王になる前の平和でありふれた日常を綴った日記の一頁である
次回は普通に本編を………暑い日々が続きますが皆様も体調にはお気をつけください
ネコちゃんの可愛いさにときめいたら、お気に入り登録お願いしまーす。コラボとかも気軽にメッセージ飛ばしてくれたら、反応しまーす