転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。 作:田中滅
「じゃあ、ベレッタにギンレイ。此奴のお守り大変だろうけど」
「しっかりと頼むわね♪」
「どういうイミよっ!?」
問題が解決し、学園に戻るリムルたちを見送りに来ていたラミリスは自分の扱いが雑である事に難色を示す
「はっ……この体に誓い、お役に立って御覧に入れます」
「御期待に添える活躍を御約束致します」
「リムル!それにネコ!ど〜〜〜しても可憐なアタシに会いたくなったら、また来てもいいわよ?」
「ふっ……可愛さなら、あたしの方が上よ。三百年の間、可愛さだけを追求した可愛さの化身こそがあたしよ、可愛いはあたしの為だけに存在する言葉なのよっ!」
「なっ……言うじゃない!だったら可愛さ三本勝負なのよさっ!」
「にゃっーはっはっはっ!!!受けて立とうじゃない!あたしの可愛さを思い知らせてやるわっ!」
「知らさんでいいっ!!!」
売り言葉に買い言葉、何方が可愛いをはっきりとさせる為に一触即発する二人の間に入ったリムルが突っ込みを放つ
「まぁ………迷宮から出る時は何時でも
「ネコちゃんの言う通りだ。俺たちは大歓迎だ、気軽に遊びに来てくれ」
「じゃあね、リスちゃん」
「世話になった」
『告。疑似上位精霊「空」の作成時に「空間属性」を「解析鑑定」……統合の結果「影移動」が「空間移動」に進化。影を経由せず既知の場所への瞬間移動が可能となりました』
リムルが習得した《空間移動》でイングラシア王国に帰還していく一行。賑やかさから一変し、寂しそうにするラミリスの変化は誰が見ても理解出来た
「……ラミリス様?」
「如何なさいましたか?」
「なんでもないわ。これで静かになったわね!ベレッタ、お茶淹れて!ギンレイはなんかお茶菓子を用意して!」
「お茶ですか?」
「お茶菓子………それではクッキーなどはいかがでしょう?」
「いいわねっ!クッキー!ほら!ベレッタも行くわよ!」
「御意」
ラミリスからの最初の命を疑問に思うベレッタであったが、相方のギンレイが意外にも乗り気だった為に自分の名を呼ばれ、その後を追いかけていく
「あたしが居ない二日間に変わったことはなかった?」
『ええ、ございませんわ。皆変わりありませんし、これと言った問題も起きていませんわ』
連絡用水晶でネコリアと話すのは彼女の書記官であるスイヒョウ、盟主並びに参謀長が不在の間はリグルドと共に仕事を一任されている頼もしい存在だ
そして現在、ネコリアが居るのはイングラシア王国の三つ星ホテル最上階部屋。本来は直ぐに帰還するつもりだったがリムルを連れての帰還という約束をしてしまったが故に彼の滞在期間終了までは帰るに帰れないという事で、
『そう言えば、少し前にヨウム殿一行が街に顔を出してくださいましたよ。ネコリア様に会えない事を悔しがっていましたわ』
「にゃはは…悪いことしちゃったわね。ヨウムちゃんたちはまだ街に?」
態々、自分に会おうとしてくれた友人に悪いことをしてしまったと反省しながら、彼の所在を尋ねる
『はい、ハクロウ殿に手解きを受けております。あぁ……それと新しい顔が増えておりましたわ。直接、顔を合わせた訳ではないのですけれど、確か
「ふ〜ん………名前は?」
『ミュウランと名乗っていましたわ』
ミュウラン、初めて聞く名にネコリアは空を見上げる。着時に迫る厄災の足音に気付かず、彼女は猫耳をぴこっと動かし、静かに空を見上げていた
「どうした?もう終わりか?」
修練場で、地面に倒れた三人の少女の前に刀を帯刀した一人の鬼人が仁王立ちしていた。その鬼人はライメイ、
「うぅ………つ、強いです……」
「流石はネコリア様の剣であるライメイ様ね!張り合いがあるわっ!」
「うぅ……痛いのぉ〜……」
「なんだ、だらしがない。ミュウランとやらに負けた自分を鍛え直したいと言うから付き合ってやっているのに。もう終わりか?」
肩で息をするフォス、傷だらけになりながらも闘志を燃やすステラ、痛みを訴えるネム。彼女達は先刻、ヨウムが連れてきたミュウランと模擬戦を行ったのだが敗北し、偶然にも居合わせたライメイに鍛練を依頼したのだが彼女の力は想像を超えていた。その主人であるネコリアには劣るが、彼女はベニマルとハクロウと並ぶ幹部格でも高い実力者なのだ。故に加減を知らない
「まだまだです!お願いします!」
「その心意気や良し……では行くぞ!」
気合いを入れなおしたフォスが走り出し、ライメイが迎え討つ為に刀に手を掛けた時だった。修練場に声が響いた
「ライメイ様!至急、執務室に御戻りを!ネコリア様からのご連絡がありました!」
「なにっ!?本当か!オボロ!すまないが私は急用を思い出した」
オボロ、そう呼ばれたのはネコリアが名付けたゴブリナの一人でライメイの副官に当てがわれた戦闘に長けた魔物である。そして、彼女の口から飛び出した主人の名にライメイは稽古を中断し、執務室がある方に走り去っていった
「誠ですかっ!ネコリア様!」
執務室に着いたライメイを待っていたのは、主人からの嬉しい報せだった。彼女は興奮気味に身を乗り出す
『ええ、二ヶ月後に帰るわ。子どもたちの魔素も安定してきたし』
「盛大に迎えねぇとな!祭の準備は任せてくれっ!」
「お待ちしています。ネコリア様」
「フウも待ってる」
「クウも……」
胸を叩くカイリン、微笑むソウカと嬉しそうに笑うフウとクウ。そしてその背後にはガビルの姿もあった
「ふっ……それではこのガビル!ネコリア様とリムル様を御迎えする為に一曲!」
『あっ、其れはいらにゃい』
「何故っ!?」
『元気出すんだぞっ!ガビル!』
食い気味に却下され、思わず水晶を二度見するガビルをエンカが慰める
「じゃあ、帰りを待っててね♪」
「「「「可愛いですっ!ネコリア様っ!」」」」
「「可愛い」」
「はうっ!?アネキのウインクっ!!!」
ぱちりとアーモンド型の猫目をウインクさせるネコリア、その愛くるしさに彼女の虜であるスイヒョウ、エンカ、ライメイ、カイリン、ソウカは目をハートにしながら悶える。フウとクウは表情に変化はないが僅かに頬が紅潮していた
「よしっ!お前たち!ネコリア様を満足させる歌を作るぞっ!」
「はーい!ガビルさまー!」
「仕方ねぇな。付き合うぜ」
「御意」
「兄上……仕事をしてください。さもないと殴りますよ」
「反抗期っ!?」
遂にリムルとネコリアが帰ってくる、然しその裏で魔国連邦を快く思わない者たちの企みが動き始めていた………
ライメイの真骨頂その1 実は指折りの実力者
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