転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。 作:田中滅
「ライメイ………此処だったか、やはり」
「若…………私は弱いな。ネコリア様との約束を守れなかった……それに……妹を……シオンを………」
主人との約束、妹の命、一瞬の間に起きた出来事は彼女から全てを奪った。愛刀を握る手に力を込める
「お前とシオンには昔から手を妬かされたな……何度、父上に叱られたか………なぁ、ライメイ。今のお前を見たら、
「兄者か…………懐かしい話を持ち出してくるんだな。そうだな…………今の私など、拳骨だろうな……あの人は落ち込んでる者に対しても容赦がなかったからな…」
記憶の中で自分と仲間たちに時に厳しく、時に優しく接してくれた一人の
「それとな……リムル様とネコリア様がお戻りになられた。リムル様はしばらくは独りにしてくれと言っておられたが……ネコリア様は洞窟の方にいらっしゃる筈だ。話をしてきたらどうだ?」
「そうか……だが、剣としての御役目を賜ったにも関わらず、碌な成果………いや、その御役目を果たせなかった私に彼の方に会う資格がある訳がない……違うか?若」
資格、その言葉が意味するのは彼女也の自責の念。今更、どの面で主人の前に顔を見せろと言うのだ。約束を守れなかった自分にその資格がある筈ない、彼女はそう考えた
「資格か……其れを言うなら、俺たちにもその資格がないことになる。ネコリア様は俺たち全員に町を守ってくれ、と仰った」
「私はその役割を果たせなかった!!結界の弱体化さえなければ……!!!……いや、今のは苦言だったな。言い訳にもならん……」
「そうだな、結界の弱体化等は理由にはならない……だが、其れはお前だけじゃない、俺
「若。妹が居る場所まで案内してもらえるか?彼奴に借りて置きたいモノがあるんだ」
「借りたいモノ?よく分からんが案内はしてやる、こっちだ」
暗い夜道、ライメイはベニマルの後を追い、市街地に足を進める。その先に待つ最愛の妹との再会に向けて、彼女はゆっくりと歩き出した
「わふぅ…………カイリン。スイヒョウはいつになったら起きるんだぞ?」
「……………大丈夫さ、何時もみてぇに直ぐに騒ぎ出す………だからよ、泣くな。エンカ」
広場に安置された一角、スイヒョウの遺体の前で親友でありライバルでもある彼女が指一つ動かない姿にエンカは裾を濡らす程に涙を流していた。優しく彼女を慰めながらも、カイリンも涙を流していた。付き合いの長い二人からすれば、それ程までに大切な存在であった事は言うまでない
「エンカ、カイリン。ネコリア様からの招集命令よ。今直ぐに会議室に集まりなさい」
風景に溶け込んでいたソウカが姿を見せ、主人の名を口にした瞬間、エンカとカイリンの瞳からは涙が消える
「…………スイヒョウ。待っててくれだぞ、後でいっーぱい自慢話を聞いてもらうからな」
「ちょっくら、アネキとダンナの結論を聞いてくるぜ……だから、お前はちょっと休んでろよ」
「うん?なんだ、スイヒョウ。お前も寝ていたのか……全く仕方ないヤツだな」
「フウ、クウ。直ぐに戻るわ…だから今はゆっくりとお眠りなさい…」
エンカは親友の頭を軽く叩き、カイリンは何時もと変わらない煤だらけの頬を拭い、悪態にも似た軽口を吐くライメイの肩には巨大な刀剣が担がれ、ソウカは妹たちの頭を優しく撫で、眠る様に目を閉じる彼女たちに背を向け、四人は会議室に向かい、一歩を踏み出す
「「「「売られた喧嘩は買うのが流儀だ!!!」」」」
「以上がエレンから聞いた話だ…途方もないし………確率も低い………それでも俺は、その可能性に賭けたい。どうだ?ネコリア」
魔導王朝サリオンに連なる家系に生まれたエレンの語った御伽話。其れは側から見れば、絵空事に夢を見る様な滑稽な話、それでも目の前に立つ彼は、その可能性に賭ける事を決めた。この結論に行き着くまでに彼の中でも色々な気持ちが芽生えたに違いない、それでも自分と同じ結論に行き着いた事に彼女は妖しく笑う
「それがリムルの答えなら、あたしは何も言わないわ。あたしも決めたから、自分がやるべき事を。手順とか理由は違うかもしれない、それでも根本的には変わらないわ。自分の国を、部下を、傷付けられて黙ってるあたしじゃない。だからね?リムル」
傅き、
「このネコリア=テンペスト、我が友から賜りまし、名の下に御約束致します。その覇道に何処までも付き従いましょう……全ては我が盟主の御心のままに」
「お前なら、そう言ってくれると思っていた。会議を開く、直ぐに動ける者全員を会議室に集めろ!結界外部の者には《思念伝達》または《心理意識》を繋げ!」
「かしこまりました」
この日、長い夜が妖しく笑う二匹の魔物を照らしていた。その二匹はスライムとネコ、後に十大魔王を揺るがす大事件を引き起こす台風の目………否、
全員が集まる前に幽閉したミュウランに会うネコリア、参謀長である彼女が降す決断とは……!!
ネコリアの真骨頂その34 実は彼女の発想は伝染する
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