転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。 作:田中滅
「それで、聞きたいんだが……今後の人間への対応は、どうするつもりだ?旦那に姐御」
会議を軌道修正しようとカイジンが斬り込んだ疑問を投げ掛ける。その最もな意見にリムルは冷静に答えを吟味し、口を開く
「……うむ、今回の件は今までの状況を見直さざるを得ない出来事だ。かと言って、人間の全てを敵と断じることは出来ない。ヨウムであったり、カバル等の様に俺たちを信用してくれている人間たちがいるのも事実だ」
「でもね?其れとこれは別の話よ。この国は現段階ではドワルゴンとブルムンドの国交相手という不安定な知名度しか持たない
「俺たちの存在を世に知らしめ、無視出来ない存在としての地位の確立………そう、「魔王」になることだ」
空気が引き締まり、誰もが二匹の魔物に視線を注ぐ。「魔王」になるという事は、それだけの意味があり、誰もが簡単に口にできる事ではない。然し、この二匹は其れを平然と言ってのけた、だからだろうか、ベニマルは、否、誰もが、その意志に、彼等が君臨する未来に、命を賭ける事を躊躇おうとは思わなかった
「なるほど。その為に「魔王」の箔を利用するということか……」
「流石はネコリア様!素晴らしい御考えです!」
「わふっ!やっぱりネコリア様はすごいなー!」
「ネコリア様こそ主人の鏡です!」
「ねぇ?俺のアイデアでもあるんだけど?」
「存じていますよ?」
「リムル様もすごいなー」
「頑張ってくださいね」
「反応の差がおかしいっ!!!」
ネコリアを褒めちぎるライメイ、エンカ、ソウカ。然し、同様の意見を提示した筈のリムルに対する反応は冷めていた。其れもその筈、三人の主人はあくまでもネコリアなのだ、リムルは盟主であるが尊敬の対象では無いのである
「他の魔王に対する牽制も行えば、人類にとっての盾とも成り得る。聡い者は敵対よりも共存を選ぶでしょうな」
「そうだ。友好的な者とは手を取り合い、害意ある接触を図る者には相応の報いを受けてもらう」
「目には目を、歯には歯を……全てはあたしたちの覇道の先にある甘美な理想論を掴み取る為の策略。相手に対して、鏡の様に接する事で長い時間を掛けて、しっぽりと友好的な関係を築くのよ」
「そう……しっぽりと……って!何を卑猥な言い方してんのっ!?」
「細かいボケも見逃さないにゃんて!流石はリムちゃんね!」
「…………この馬鹿猫は無視してくれ」
「馬鹿猫っ!?」
流れる様に繰り出した些細なボケ混じりの発言を悪びれもしないネコリア。流石のリムルも突っ込みを放棄し、会議の軌道修正を図る
「それにしても、アネキとダンナの考えそうな理想論だな。でも嫌いじゃねぇぜ?ウチとオヤジが惚れた二人らしいからな」
「ふふっ。ありがと」
「だが、西方聖教会の当たりは強くなるだろうな。其れについてはどう考えてるんだ?姐御」
「う〜ん……まだ策を練ってる途中ね。良い案が浮かぶと良いんだけど」
「ネコちゃんに任せるよ、その件に関しては。問題は侵攻中の連合軍に対する布陣だ、これは俺とネコリアが対処する」
来るべき新たなる強敵への対処に思考を巡らせるネコリア。するとリムルは彼女に良い案を提示することを一任し、当面の問題である連合軍の対処を任せて欲しいと口にする
「なんでっすか?リムル様」
「理由としては殺された者たちの蘇生に俺たちが魔王になるという絶対条件があるからだ。侵略者供には、その為の
「にゃっふっふっふっ………あたしを誰だと思ってるの?ミゾレ!」
待ってましたと言わんばかりにリムルの呼び掛けに応じたネコリアが彼女は指を鳴らし、ミゾレにある物を配布させる
「はっ!此方が会議前にネコリア様が行った人選になっております。目を通してくださいませ」
「手元に行き渡ったわね……人選としては東側をベニマルに、西側の異世界人たちはライメイとソウカ、ハクロウに、南側はガビルとリグル、ゲルド。北側はソウエイ、結界の破壊はゴブタとエンカ。以上が侵略者を迎え撃つ為の布陣よ」
行き渡った資料を目に通す配下たちを前に、的確な人選を発表していく姿は正に参謀長としての地位、誰もが尊敬するNo.2の地位に最も相応しい人物であった
「ネコリア様!吾輩たちに機会を与えていただき感謝致します!このガビル!必ずや御期待に応えて御覧にいれましょう!」
「ガビル様かっこいい!」
「へんっ…ガビル様らしいぜ」
「然り!」
「ソウカよ。フウとクウを手にかけた者どもに目に物を見せてやるのだ」
「兄上に言われずとも……奴等は妹たちだけではなく、
「同じ妹を持つ姉同士……その言葉をしかと受け入れよう。異世界人風情等……斬り伏せてくるわっ!我等の剣で!」
「ほっほっほっ、まだまだ若いもんには負けんよ。ワシもリベンジしなくてはならん者が居りますからのぅ………ゴブタよ。お前だけで結界は破壊できるな?」
「任せてくださいっす!さぁ!エンカさん!久しぶりにお散歩っすよ!」
「わふっ!お散歩か!よーし!結界をどかーんと破壊してやるんだぞっ!」
「ガビル殿にゲルド殿。よろしくお願いしますね」
「はっはっはっ!泥舟に乗ったつもりで居ると良いぞ!リグル殿!」
「其れは沈むのでは?ガビル殿」
「ふっ……俺とお前は一人か。相変わらずの無理難題を言ってくれるな……ネコリア様は」
「ああ」
「でもな…売られた喧嘩は買うのが俺たちだ」
「……ああ」
「……シオンの敵を討つぞ」
「ああ」
この日、世界に二つの嵐が起こった。空からは雷鳴が降り注ぎ、蒼き華に風が芽吹き、爆炎を纏う破裂音にも似た轟音が響き、凍てつくかの如き鋭くも冷たい雨が叩きつけられる、その中心に佇むは二匹の魔物。一匹は底知れぬ食欲を持つスライム、その片割れは満たされぬ欲望を求める強欲なるネコ、その果てに待ち受ける
「さぁ………出撃だ!」
「作戦名は
「「全ては我等が盟主の御心のままに!!」」」
遂に迎える侵略者たちとの戦、彼等は知らなかった。自分たちが喧嘩を売った者たちが最強の魔物たちであることを。彼等は知らなかった、スライムとネコの最強コンビの圧倒的な力を
ネコリアの真骨頂その37 実は作戦には名前をつけたがる
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