転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!遂に復活を果たすアイツ!そしてネコちゃんの気持ちはいかに!今回はちょっと長いかもしれないけど、呼んでくると作者的には嬉しい。あと今日で六十話、更にお気に入りもたくさん増えてきてる事に嬉しい気持ちが抑えられない今日この頃だったりします


第六十話 待ちわびた再会、久しぶりに会う親友は相変わらずだった

「さて………諸君。今後の事を語る前に言っておきたい事がある」

 

会議の翌日。庵に集められた最高幹部のネコリアを筆頭とした幹部陣を前に、リムルは真剣な面持ちで口を開く

 

「俺は名実共に魔王になることにした」

 

唐突な言葉に誰もが首を傾げ、顔を見合わせる中で彼女だけは違った。その金色に染まった双眸で彼を見詰め、口を開く

 

「そこ、あたしたち(・・)の間違いでしょ。というか既にあたしもアンタも〝真なる魔王〟になってるじゃない、何を言ってるの?今更」

 

「うん?あー違う、違う。外に向けての宣言をするって意味だ」

 

「外への宣言……つまりは十大魔王に名乗りを挙げるということですかな?」

 

相棒からの指摘にリムルが否定からの補足説明をすると、逸早く察したハクロウが問いを投げかける

 

「流石はハクロウだ」

 

「何故……と聞くのも野暮でしょうけど、理由を伺っても?」

 

「ちょっと喧嘩を売りたい魔王がいてな。其奴を叩くには確かな地位が必要だ。その布石に俺たち(・・)は名実共に魔王を名乗る。異論はあるか?」

 

「ないわ」

 

傅き、(こうべ)を垂れる彼女の瞳に映る者は数多の魔物を束ねる一匹の盟主。その背後には幹部陣が続き、その意思に従うことを約束する

 

「「全ては我等が盟主の御心のままに」」

 

「ソウカ。状況は?」

 

リムルの決意を聞き、ネコリアは調査に出ているソウカに《心理意識》で呼び掛け、近況報告を求める

 

『既にソウエイ様が動いておられます。私は引き続き、ネムの捜索を続けます』

 

「お願いね。聞いてた?リムル」

 

「ああ、本格的な会議は諜報部の調査次第にしよう。三獣士の諸君、アナタ方にも協力をお願いしたい」

 

近況報告により、今後の方針が決まるとリムルが声を掛けたのは三獣士の面々。彼女たちの意志を尊重しての提案を持ち掛けた

 

「願ってもない事ですわ。ジュラの森の盟主様並びに参謀長様」

 

「避難民を受け入れてくれた恩は忘れねぇ。オレたちはアンタたちを信頼している」

 

「獣人は信頼には信頼で、恩には命を以って報いる。獣人全体としても、俺個人としても、リムル様とネコリア様には、返しきれぬ恩を得た。好きなように使ってください。俺たちはこの命を以って、御二方に報いましょう」

 

其々の答えと共に、傅き、(こうべ)を垂れる三獣士。(カリオン)とは異なる別の国の盟主(リムル)参謀長(ネコリア)に命を預けると誓う事は、主人を裏切るも同じ。然し、彼等は(カリオン)を救うと約束してくれた彼等を信じ、その命を忠誠という形で預ける事を決めたのだ

 

「その命、カリオンに返す時まで確かに預かった。今は休んで、来るべき決戦に向けて、英気を養ってくれ」

 

「「ははーッ!」」

 

仮初であるが従うべき存在の命令に従い、三獣士は彼等に忠誠を誓う。会議が終わると幹部陣は其々の役目を果たす為、方々に散っていく

 

「さて………待たせたな。行こうか?ネコちゃん」

 

「ええ……待ち草臥れたわ。ささっとすませるわよ」

 

「ささっとって今日日聞かないんだが……シュナ、お前はディアブロに街を案内してやってくれるか?俺とネコリアは個人的な用がある」

 

「承知しました」

 

「スイヒョウも付き添ってあげなさい。歓楽街の方はアナタの方が詳しいんだからね」

 

「お任せくださいませ」

 

「心遣い感謝致します」

 

個人的用事を済ませる為、リムルとネコリアは封印の洞窟へと向かう。出会いと別れが紡がれた場所はガビルを筆頭とした開発部門の居住区兼職場となっており、二人に気付いたガビルが迎える

 

「ネコリア様!リムル様!」

 

「ガビル。丁度良かったわ、会議の内容は聞いてたわね?」

 

「はい、《心理意識》にて受け取りました」

 

「開発部門は今日を以て、新しい幹部を筆頭とした新体制に生まれ変わるわ。この時を持ち、ガビル。アンタを幹部に任命し、この先の会議には出席を命じる。以上よ」

 

「やっ………………!」

 

「やった〜!ガビル様が昇進だーーーーーっ!!」

 

敬愛する主人(ネコリア)からの幹部昇進の通達、喜びに溢れたガビルが感情を表に出そうとした瞬間、背後から部下のヤシチ等が姿を見せ、リーダーであるガビルの昇進に歓喜の声を挙げる

 

「こらこら!はしゃぐなお前達!こういうのは、粛々と厳かに受け取る物であるぞ!」

 

「え〜でも、ガビル様さっき、『やったーー』って言いそうになってたよね?」

 

「んなっ……………!聞かれてた!?」

 

「良い部下に恵まれたわね」

 

「何を言うかと思えば……ガビルを見出したのはネコちゃんだろ?此れは正当な評価だよ」

 

和気藹々と盛り上がるガビルたちの姿に優しく笑うネコリア、その呟きを聞いていたリムルは彼女の確かな観察眼を褒める。元より、彼はガビルを配下に加えるつもりはなかった、だが彼女は自らの考えで逸れ者となったガビルを迎え入れ、開発部門に身を置かせた。その采配は確かだったのだろう、唯一の名持ちであった時よりも彼は与えられた名に恥じぬ強さを持つ武人へと成長を果たし、幹部にまで登り詰めた。その心中は正に子を思う母の様である

 

「じゃあ、ガビルに最初の仕事を与えるわ。洞窟の奥に誰も近付けないでくれる?」

 

「承知致しました!猫の毛一本も見逃しませんぞっ!」

 

「任せたわ」

 

「ガビルとネコちゃんって似てるよなぁ」

 

「引きちぎるわよ」

 

「なにをっ!?」

 

染み染みと語るリムルに、ネコリアの謎の文句が放たれ、間髪入れずに突っ込みが入る。洞窟最深部に向かいながらも定番のやり取りを欠かさないのは二人のありふれた光景であり日常、二年間で何度も行われた定番の風景である

 

「さて………いよいよ、復活の時だ」

 

洞窟最深部に辿り着き、リムルの周囲から膨大な魔素が溢れ始める。二年前、この場所で彼は転生し、二匹の生物に出会った。その片割れは悪戯好きで、小悪魔で、可愛いくて、誰よりも優しい一匹の猫又。そしてもう一匹は彼女と三百年の時を過ごし、自分に色々な教えと名を与えてくれた竜。長くて短い別れ、その時に終止符を打つ運命の日。刹那、辺り一体に(ひび)割れが生じる程に荒々しくも、優しい強風が発生する

 

『ククク………………!クハハハ…………!クァーハハハハハ!』

 

懐かしい笑い声、威圧感のある感覚、忘れたくても忘れられない存在が其処に居た。待ち望んでいた者との再会に彼女は柔らかい笑顔で、彼を見据える

 

『俺様、復活!』

 

「よっ、久しぶり。元気だった?」

 

『………………せっかく復活したのに、我の扱い軽くないか?』

 

その存在、〝ヴェルドラ〟は久方振りに再会した盟友からの一言に物申す。一瞬でも面倒な部分があるとリムルは思うが口には出さずにいたが、彼女は違った

 

「清々しいまでに面倒くさいわね。だから、封印されんのよ」

 

『なっ……!久しぶりに会う我に対しての最初に掛ける言葉が其れかっ!?貴様は!』

 

「うっさいわねー……ハゲドラゴンのクセに」

 

『ネコよ、今日の夕飯はお前を喰ってやろう。生で食べられるのと焼いてから食べられるのでは何方が好みだ?』

 

「そうねぇ〜、やっぱり焼いてからの方がオススメかなぁ。あっ、焼き方はウェルダンでお願い。よく焼かないとお腹壊しちゃ----って!食わせるかァァァァ!」

 

懐かしい鉄板ネタにノリツッコミ、二年間も離れていたとは思えない程に安定の関係にリムルは自然と笑顔になる

 

「やっぱり、二人はこうでないとな」

 

「あらやだ、ヴェルちゃん。リムちゃんが笑ってるわよ。きっとまたエッチな事を考えてるのよ」

 

『仕方なかろう。彼奴は欲望に忠実なエッチなスライムだからな』

 

「引っ叩くよ?お前等」

 

三人よれば(かしま)しいとは正にこの事、二年越しでも変わらない関係性。出会った頃を彷彿とさせる雰囲気に三匹は自然と笑い合っていた

 

「それで?あたしたち(・・)が魔王に、然も《覚醒魔王》になった事に対しての驚きが薄いことに関しての説明をお願いできるわよね?勿論」

 

『………へ?あっ!イヤッ!別に覗き見なんてしとらんからなっ!?我は!』

 

「してたのね」

 

『……………然し、2年やそこらで覚醒魔王か。お前たち(・・)の成長速度は凄まじいな』

 

((このオッサン……話を逸らしやがったな))

 

ネコリアの圧力にも似た雰囲気に呑まれそうになりながらも、話題転換を図るヴェルドラ。その素振りに粗方の事情を察した二匹は心中で突っ込みを放つ

 

『だいたいだな、リムルよ。お前は安易に名付けを行いすぎだ。足りない分の魔素を我から、奪いおって……』

 

「あり?そうだったの?俺が天才だったからじゃないの?」

 

「リムちゃん。天才の字が違うわ、こう書くのよ」

 

壁にネコリアが書いた文字は同じ読み方でも意味が異なる《天災》の文字。悪びれる素振りも見せずに素で彼女がリムルを何の様に考えているのかが理解できる

 

「ネコちゃんのそういう所が嫌いだ」

 

「あたしは揶揄われて、拗ねるリムちゃんが好きよー。其れで?系譜の魔物には祝福(ギフト)が送られてる筈だけど、ヴェルちゃんにはにゃんか届いたの?」

 

『ん……お、おおお!我のユニークスキル《究明者(シリタガリ)》が、究極能力(アルティメットスキル)究明之王(ファウスト)》になったぞ!我の飽くなき探究心が願う、究極の真理へ至る力だな!』

 

「鈍感過ぎると驚きを通り越して、呆れるわね…………」

 

「だな……」

 

「何だ?もっと褒め称えてくれても良いのだぞ?」

 

「「はいはい。凄い、凄い」」

 

褒める事を要求するヴェルドラに、投げやり気味な労いを送り、ため息にも似た息を吐き、困り顔を見せる

 

「さてと、何時迄も此処にいる訳にはいかないな。そろそろ、移動するか」

 

「……………そうだな。では、我の肉体をどうするかだが……………」

 

「心配しなくていいわよ、準備はしてるから」

 

《肉体》、其れは今のヴェルドラの状況に関係している。今の彼は思念体基魂だけが具現化した存在であり肉体を持たない。其れは竜種だけには限らず、精神世界に存在する精霊、悪魔等の精神生命体が物質界に顕現するには、依代に受肉させる必要があるのだ

 

コレ(・・)をあげるわ」

 

コレ(・・)》と呼んだ何かを指差したネコリアの背後には桃色の髪をしたリムルの分身が佇んでいた

 

『ほう………リムルの《強化分身》にネコリアの仙術の流れが見えるな……』

 

「あたしが魔王に覚醒してから、最初に生み出した《分身体》をリムルの《強化分身》に混ぜたのよ。だから、自然エネルギーを力に還元できるわ」

 

「…………………良い依り代だ。リムル、ネコリアよ………お前たち(・・)は本当に王になったんだな」

 

「まぁね」

 

「正しくは王と参謀長にゃんだけど……まぁ、いいか。それはそうと早く受肉しなさいよ」

 

『うむ!ありがたく頂戴するとしよう!我が友たち(・・)よっ!!』

 

その宣言と共にヴェルドラと分身が一つとなり、その体を魔素量に合わせ、調整するかの如く、変化を始める

 

「クアハハハハハハ!我、暴風竜ヴェルドラ=テンペスト!完・全・復・活!究極の力を手に入れたぞ!逆らう者は、皆殺しだぁぁぁぁ!」

 

「ネコちゃんの男版みたいなノリだな」

 

「ガワはアンタでしょ。というか、今の台詞に聞き覚えあるんだけど………」

 

「うむ。実はな、退屈だったんで、リムルの記憶を解析して、漫画とやらを読み込んでおったのだ!」

 

「引っ叩くぞ?オッサン」

 

「はぁ…………本当にこのバカドラゴンは………仕方にゃいわね……」

 

二年越しに重なった三人の糸は絡み合い、あの頃と変わらない雰囲気のままで。彼等の再会は続いた

 

『我が名は暴風竜“ヴェルドラ”。この世界に4体のみ存在する竜種が一体である』

 

『あたしは猫又、名前は未だ無いけど気軽にネコちゃん♪って呼んでね〜♪』

 

『ど、ドラゴンンンンンッ!!?其れに………ネコちゃん?可愛いな、おい』

 

『とーぜんよ♪よろしくね、エッチなスライムくん』

 

『エッチじゃないやいっ!』

 

一方で巨大な気配に街が大混乱を起こしていた事を、この時は知る由もなかったのは言うまでもない

 




暴風竜の復活に混乱に陥る街。その間、其れを知らないリムルとネコリアは自らのスキルを確認したりしていて………

ネコリアの真骨頂その41 実はツンデレ

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