転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんはやっぱり可愛い!以上


第七十話 準備万端、配下とともに我が威を示しちゃった

「先ずは突然の召集にも関わらず、応じてくれた事に感謝を。ありがとう」

 

「「勿体なき御言葉にございます…」」

 

魔国連邦(テンペスト)〟歓楽街ネコリア。この国の参謀長である彼女の名を冠する娯楽地区中央に位置する屋敷。その最上階に設けられた執務室のソファに寝転び、愛らしい鍵尻尾をふりふりと揺らす彼女の視線の先には九つの尾を持つ白き狐(・・・)、毛並み豊かな尾を持つ黒き狸(・・・)の姿。彼女等は己が主人の前に傅き、頭を垂れる

 

「敬愛すべきお姉さま(・・・・)の命とあらば、このイヅナ(・・・)は何処にいようとも馳せ参じますゆえ。何処かのバカダヌキとは違い!お姉さまからの命は我が生きる活力でありますゆえ」

 

白き狐基イヅナは姿を白銀の髪を靡かせた美少女に変え、目の前に鎮座する彼女を姉と呼び、隣に並び立つ黒き狸を横目で見る

 

「ふんっ……姉上(・・)が傷心に暮れていた時に喃々(のうのう)と眠りこけていたお前になんと言われようが痛みもしない。姉上、此度の件においての魔王への進化を心からの御祝を申し上げます。誠におめでとうございます、このムジナ(・・・)、姉上の妹であることを誇らしく思っております」

 

一方で黒き狸基ムジナは黒髪ショートが似合う活発な少女に姿を変えると、見下された態度を取られたにも関わらず、イヅナを鼻で笑うと姉同然に慕う彼女に讃美の言葉を贈る

 

「ぐっ…先を越された……。お姉さまの魔王進化は言わば、覇道に通ずる第一歩!数多の魔を統べるお姉さまであるからこそ成し得た多大なる功績に心からの敬意と忠誠を献上させていただき存じます、お姉さま」

 

先を越された事に僅かに表情を歪めたイヅナは、負け時と彼女への讃美の言葉を贈ると同時に己が忠誠心を捧げる

 

「相変わらずの仲の悪さね……イヅナにムジナ」

 

「私がお慕い申し上げておりますのはお姉さまだけであるゆえ……他の者と馴れ合う意味がありませぬ」

 

「同じく、ボクが感謝しているのは、名と生きる意味を与えてくれた姉上にだけです。他種族と懇意に接する事が理に適っているとは思えません」

 

「そう…まあ、それは別に構わないわ。今回の件についての説明は既にスイヒョウから通達されているわね?」

 

「「聞き及んでおります」」

 

配下の中でも付き合いの長いスイヒョウたちとは違う意味で、自分への忠誠心が高い二人に苦笑を浮かべながらも、呼び出した理由を確認する為に問う。その問いに彼女たちは、傅いたままで、返答を返す

 

「お姉さまと(あに)さまに喧嘩を売った魔王クレイマンを排除する為に力を貸せとの御命令……私などの力で宜しければ、謹んで御協力させていただきますゆえ」

 

「姉上と兄上からの命令に背く訳がありません。ボクの全身全霊をかけて、助力させていただきます」

 

「感謝するわ。我が妹たち(・・・・・)

 

優しく微笑み、傅く妹たち(・・)に感謝の意を示す。イヅナ、ムジナがネコリアを姉と呼ぶには理由がある。〝魔国連邦(テンペスト)〟が国となる前に九尾の姫、隠神刑部の姫である両名はリムルの配下に降ろうと一族を従え、村を訪問した。その際に多忙を極めていたリムルに代わり、応対したネコリアの優しくも愛らしい姿の虜となった両名は彼女のことを姉と慕うようになり、名を与えられ、その配下となった。当然ながら、元がリムルの配下に降るためであったが故に、姉と慕うネコリアの相棒である(リムル)もまた兄の様な存在なのだ

 

『ネコリア。聞こえるか?』

 

「えぇ…聞こえるわよ、リムル」

 

刹那、耳に届いたのは〝魔王達の宴(ワルプルギス)〟に向かう為の準備を整えていたリムルの声。名を呼ばれ、彼女はゆっくりと口を開く

 

『俺は今から〝魔王達の宴(ワルプルギス)〟に向かう。クレイマンの方は手筈通りにお前に一任する。軍事司令部全並びに〝巫女姫(かんなぎ)〟のシュナを加えた我が国の全勢力を持って、我が前に〝勝利(・・)〟の二文字を差し出せ』

 

「全ては陛下の御心のままに………」

 

相棒である盟主からの命に従い、彼女は魔性の笑みを見せる。其れ即ち、彼が待つのは朗報たる〝勝利(・・)〟の報告のみである事を意味する

 

「スイヒョウ!国を警備する指揮はアンタに一任するわ、敵対意志を持つ者は早急に始末。それでも尚、侵攻する勢力には威を示しなさい」

 

「お任せくださいませ。同じ轍を二度も踏むスイヒョウではありませんわ、ネコリア参謀長閣下並びにリムル魔王陛下の凱旋を心よりお待ち申し上げております」

 

「えぇ……期待してなさい。さぁ……行くわよ」

 

深々と頭を下げる右腕に笑い掛け、彼女は身を翻す。響き渡る足音、歩く度に揺れる桃色のファーコート、ふりふりと揺れる鍵尻尾、その後ろに付き従うはスイヒョウとカイリンを除いた九幹部の七人、其々の得物を手に前を歩く主人に付き従う姿は正に百鬼夜行。其れを束ねし者の名はネコリア=テンペスト、魔王種妖霊仙猫(ようれいせんびょう)の猫耳美少女。自由に生きるネコの魔人である

 

「誰かと思えば……まさか、貴様たちまで呼ばれていたとはな」

 

「これはこれは……戦闘総隊長のライメイ。相も変わらず、バカの一つ覚えのように剣を名乗っているのか?おっと……つい思った事を…失礼したゆえ」

 

「ふんっ…貴様に何と言われようが我が剣はネコリア様の為にあるだけだ」

 

火花を散らし合うライメイとイヅナ、武人である二人は互いに切磋琢磨しながらも歪み合う宿敵とも呼べる間柄である。故にこの歪み合いも、彼女たち也の馴れ合いとされる

 

「わふっ!アネサマ!久しぶりだぞっ!」

 

「エンカ。元気そうで何よりだ、お前は本当に可愛いな」

 

きらきらとした瞳で、ムジナを見上げるエンカ。ぱたぱたと揺れる尻尾が示す様に彼女はムジナを実姉の様に慕い、懐き、妹同然に可愛がられている

 

「普段は余程の事態にも一族の守護に徹する為に呼び出されないイヅナさんとムジナさんも召集されたのを見ると此度の戦にネコリア様が如何に本気であるかが手に取るように解ります。見事な御采配です」

 

「フウが一番がんばる」

 

「クウも負けない。がんばるとリムル様が褒めてくれる」

 

主人の采配に感心の意を示すソウカ。その両脇に控えたフウとクウは拳を握り締め、やる気に満ち溢れている

 

「お待ちしてましたよ、ネコリア様。侍大将ベニマルと我が軍勢〝紅炎衆(クレナイ)〟。御身の前に」

 

「同じく!ゴブタ率いる〝狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)〟!馳せ参じったっす!感謝するっすよ!ババア!---おごっ!?」

 

「ぬんっ……ゲルドと我が軍勢〝黄色軍団(イエローナンバーズ)〟。御身の前に」

 

「此度は我が主人たるネコリア様に御貢献できる事に大変な喜びを感じております!それでは…我が軍勢〝 飛竜衆(ヒリュウ)〟と共に賛美の歌を-----ごふっ!?」

 

屋敷から出たネコリアの前に集う配下たち、失礼極まりないゴブタの頭上に踵落としを叩き込み、歌を披露しようとするガビルをソウカに無力化させ、彼女は魔性の笑みを浮かべる

 

「目的地は〝忘れられた竜の都〟……お前たちの命、このネコリア=テンペストが預かる!いざっ………出陣!!」

 

「「「我等の命は参謀長閣下とともに!」」」

 




忘られた竜の都に降り立つは一匹の黒き猫、彼女の前に集う配下たち。さぁ、始めようか…もう一つの戦いを!

ネコリアの真骨頂その50 実は狐と狸の妹がいる

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