転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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暫く振りです、更新再開は今日と決めていました!何故かって?一年前の今日にも言いましたが猫の日だからですよ!

エンカ「わふっ!またネコリア様の誕生日か!」

スイヒョウ「感動ですわ!ネコリア様の御生誕を御祝いできるだなんて!」

ネコリア「だから、別に誕生日じゃにゃいわよ」


第七十四話 マブダチを信じたら、次から次へと秘密が明るみになっちゃった

「「ここからがハイライトだ」」

 

二人で一人の魔王、片方は叡智と強さを兼ね備えた妖を束ねる若き王。その美しいまでの銀髪と黄金の眼は彼を語る上では欠かせない特徴の一つだ。そして、その片割れとも呼ぶべきが見目麗しく、可憐な美少女。艶やかな黒髪と美しくも煌びやかな黄金の眼は彼女を語る中でも代表的なモノであるが、何よりも特徴的なのが、ぴこぴこと動く猫耳、愛らしいの一言が似合うふりふりと揺れる鍵尻尾。その二つこそが彼女のアイデンティティにして、最大の魅力である

 

「久しく……忘れていたよ……この感情を……自らの手で敵を捻り潰したいという高揚感をな!!」

 

「いいわ……その欲望に溢れた瞳……あたしはそれが見たかったのよ!!さあ、死合いましょう!クレイマン!アンタの欲望の果てを見せてみなさい!にゃーっはっはっはっ!!」

 

地を蹴り、背中から生えた無数の腕に持った武器を握り締めたクレイマンを前に果てのない欲望を感じた彼女は高笑いと共に誰よりも早くに飛び出した。まるで、水を得た魚のように…否、自由を得た野良猫のように彼女は心からの喜びを言葉にし、声に出す

 

「クレイマン。俺の相棒(ネコリア)とダンスに興じてくれている所に水を差すようで悪いが、〝コレ(・・)〟が何かを理解出来るか?」

 

優雅に立ち回る相棒と攻防戦を繰り広げるクレイマンにリムルが水晶を手に声を掛けた。無論、其れが何か等は彼に皆目見当が付く筈が無い。其れでも確認したのには理由がある、其処に映し出される映像が彼に関係することである事に他ならないからである

 

「この水晶はある筋を使い、入手した記録媒体だ。ネコリア本人又は部下たちが見聞きした全てが映し出される。見せてやるよ……裏で画策していたつもりのお前が踊り狂う哀れな姿をな」

 

「我が実力を前にハッタリで切り抜けるつもりか?なんと、愚かな……世迷言はよしてもらおう。私が画策?それに踊り狂うだと?何を言っているかは分からないが、なかなかどうして、スライムらしい小賢しい手だ!その紛い物の記録媒体も其処の如何にも小狡いネコが用意した偽物(フェイク)だろう………これで終わりだ」

 

映し出された映像を前にしても、クレイマンは顔色を変えようとしない。理解していないのだろう、将又、その逆かは彼のみぞ知る事は火を見るよりも明らかだ。傀儡とする為に彼は放つ、黒き糸を、自分を前に優越感に浸る魔人を操るのは、如何なる感情にも変え難い筈……彼は、彼だけは、そう思っていた

 

「なぁ〜んだ……折角の魔王にゃんてステキネーミングに期待してたのに……期待外れ(・・・・)だったわね」

 

「全くだな。俺たち(・・)を葬りたいなら、軍隊の一つでも連れて来るんだったな」

 

黒い糸繭から姿を見せたのは無傷(・・)の若き王と彼の右腕。動きを封じた筈の魔人たち(・・)、傀儡となる筈だった者たち(・・)が其処には立っていた

 

「…………な、何故だ!?太古の魔王さえも抗えなかった究極の呪法だぞっ!?なのに、何故!!貴様等には効かないっ!!!」

 

状況を理解出来ないクレイマンは有り得ない光景に驚きを隠せない。知らない、知らなかった、聞いたこともなければ、感じたこともない。そして、彼は第二の驚きを与えられる

 

「かーめー……ドー……ラー………波ーーーーーーーーーーッ!!!」

 

「おお!アレは!某有名漫画の代表必殺!!流石はヴェルドラだ、分かってるじゃないか」

 

「ネコリア様。どうして、男はああいうのが好きなの?」

 

「バカだからよ」

 

某有名漫画の代表技を放つヴェルドラに瞳を輝かせるリムル。其れとは裏腹に冷ややかな視線のネコツーが問い掛ければ、これまた冷淡なネコリアも冷ややかな答えを放つ

 

「な、何者だ!?なんなのだ!あの桁外れの力は……!」

 

知らない誰か、最強を前にクレイマンは両眼を見開く。未だかつてない桁外れの生物を前に彼の驚きは頂点に達していた

 

「なんだ、出てきた瞬間を見てなかったのか?そりゃあもう盛大にネコリアと登場したのに…」

 

「あたしの三百年来の親友にして、リムルの友だち………ヴェルドラ(・・・・・)よ」

 

告げられた名は、《天災》と揶揄される程に現存する生物の中でも伝説と謳われるこの世界に四体のみ存在する竜種の一角、〝暴風竜〟の名。しかしながら、彼には秘策があった

 

「……ミリムよ!〝狂化暴走(スタンピード)〟しなさい!!この場にいる者全員を殺しつくすのです!!」

 

秘策、其れは竜種と対等に渡り合える存在。〝破壊の暴君(ミリム・ナーヴァ)〟を無差別攻撃状態にする〝狂化暴走(スタンピード)〟を発動させることだ。だが、彼女だけは知っていた。その金色に染まった双眸で彼を見詰め、口を開く

 

「ミリムちゃん。御芝居は終わりよ(・・・・・・・・)

 

「わーっはっはっは!やはり、ネコにはバレていたか!流石はわたしのマブダチだな!リムルは気付いていなかったようだがな!」

 

ネコリアの魔性の笑みに、全てを明るみに出す時が来たと言わんばかりにミリムは高らかに笑う

 

「えっ……何を言う!俺も気付いてたぞ!ああ!気付いてましたよ!そりゃあもうバッチリと!」

 

自分だけが除け者にされていた事に苛立ったリムルは捲し立てるように早口で取り繕うが、ジト目のネコリアはミリムに視線を向ける

 

「ネコ。リムルはわたしよりもフレイに気を取られたぞ」

 

「ふぅん?大事な作戦中にまーたやらしいことを考えてたんだぁ?にゃんか、言い訳は?エッチなスライムくん」

 

「嘘です、すみません。気付いてませんでした」

 

確かな筋(ミリム)からの情報に相棒の爪がしゃきんと音を立てた。刹那、変わり身の速いリムルは伝家の宝刀(土下座)を繰り出す

 

「な、何がどうなって………確かに私の支配下にあった筈だ!何故!?どうやって、支配の宝珠(オーブオブドミネイト)を破ったというのだ!!」

 

「〝コレ(・・)〟のことか?呪法が成功したように見せねば用心深いお前は信用しないだろう?だから、態と受けたのだ」

 

「それにアンタは随分と前から化かされてたのよ?気付かない?此処にアンタの味方なんか居ないわ」

 

有り得ない、操る力の高さには誰よりも定評のあった自分に操れない力が在るなど考えたこともなかった。何よりも、黒い猫の魔人が放った衝撃の一言、化かされていた、確かに彼女はその様に口にしたのだ

 

「全く……驚きだよなぁ?ネコリアの策略には…流石に()も肝を冷やしたぜ。なぁ……クレイマンよ」

 

「ば、バカな……!何故だ!何故、お前が!?生きている(・・・・・)……!!〝獅子王(カリオン)〟!!」

 

驚きは留まらない、其処に居ない筈の第三者。死んだと聞かされていたカリオンの姿が其処にあったのだ。聞いていた報告と、噛み合わない現実にクレイマンは驚きを隠せずにフレイに視線を向けた。最後の希望である彼女に助けを求めた

 

「私は貴方の味方になったつもりはないわよ?何を勘違いしてるのかは知らないけど、ミリムの頼みを優先しただけよ。預かってたモノを返すわ」

 

「ありがとうなのだ!フレイ!やっぱり、わたしはコレが一番なのだ!」

 

希望は容易く打ち砕かれ、ミリムに何かを手渡すフレイ。味方等は存在しない、踊らされていたのは自分だったとクレイマンは今しがた気付いた

 

「てか……ミリムちゃんの演技に物申したいんだけど……ネコツーを通して見てたけど、ガッツポーズはにゃいわよ」

 

「ネコリアの言う通りね。クレイマンに見られていたらどうするつもりだったの?」

 

「しょうがなかろう?リムルがわたしのために怒っているのがわかって嬉しかったのだ」

 

「あら、愛さてるわね?リムちゃんは。で?何人くらいが気付いたの?リスちゃんは有り得ないけど」

 

「ちょっと!ネコ!何気にアタシをディスるんじゃないのよさっ!!」

 

「にゃに?気付いてすらなかったクセにあたしに意見するの?可愛いあたしに」

 

「上等よ!……可愛さ三本勝負なのよさっ!ネコ!」

 

「可愛さ三本勝負だと…!わたしとフレイも混ぜるのだっ!」

 

「私はパス」

 

「にゃっーはっはっはっ!!!受けて立とうじゃない!あたしの可愛さを思い知らせてやるわっ!あたしが可愛さNo.1よ!!」

 

「やめんかっ!!!」

 

売り言葉に買い言葉、何方が可愛いをはっきりとさせる為に一触即発する三人の間に入ったリムルが物理的な突っ込みという名の拳骨を放つ

 

「リムちゃんが殴った!」

 

「暴力反対!」

 

「痛いのだ!」

 

「おだまり!大事な時にアホなことすんな!」

 

抗議するネコリアとラミリス、ミリムを叱り付け、彼女たちの喧嘩をやめさせるが三人寄れば姦しいを体現した彼女等は抗議を始める

 

「全く……無事で安心したよ、カリオン。貴方の配下は一時的に俺の管轄下にあるが彼等は貴方の帰還を心待ちにしている」

 

「砂かけちゃえ!」

 

「バーカバーカ!リムルのバーカ!」

 

「エッチなのだ!」

 

「ネコツー、ギンレイ、ベレッタ。三人を摘み出せ」

 

気を取り直し、カリオンに話しかけたリムルは背後で砂をかける相棒と親友たち。その様子に振り返る素振りも見せずに彼女たちの副官である配下たちと分身に命を降す

 

「大人しくしよっか?ネコリア様。スイヒョウちゃんから、お魚を預かってるよ」

 

「出来るわね……ネコツー。流石はあたしの分身!」

 

「ミリム様にはクッキーをあげますね」

 

「おお!ウマーなモノは大歓迎だ!ありがとうなのだ!ギンレイ!」

 

「ラミリス様、ほらこの武器とか素晴らしいですよ」

 

「観る目があるわね!流石はベレッタちゃん!」

 

その光景にクレイマンは全てを悟った。自らの過ちを、失敗を、友に言われたことを聞いていればと素直に後悔していた。それでも彼には退けない理由があった

 

(…目標はあの方と出会った時から決まっていた。君たちから信頼されて任された魔王という役目なのに、私は力に拘りすぎた。自分に足りないものを埋めねばならないと思っていた。真なる魔王など覚醒しなくてもいい、今だけでいい。ラプラス、フットマン、ティア、カザリーム様……私に力を………!!)

 

刹那、世界の言葉が響き渡る。そして、クレイマンを中心に渦巻いた魔素は彼を呑み込み、その姿を更に異形に変化させていく、其れ即ち真の魔王、〝覚醒魔王〟也

 

参謀長(ネコリア)。最後の仕事だ」

 

「お任せを……魔王陛下(リムル様)。このネコリア=テンペストが幕を降ろしてあげるわ、覚悟しなさい」

 




真なる魔王に覚醒を果たしたクレイマン、それを迎え討つは我らが可愛い参謀長!!そして、全てが終わりを告げる時、世界は新時代を迎える!!

NEXTヒント 八人の魔王

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