転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんは今日も親友たちと仲良しで可愛い!以上!


第七十六話 新しい呼び名を考えようとしたら、相棒に先を越されちゃった

「ギンちゃん……聞いてもいい?」

 

「はい。なんですか?ネコリア様」

 

「にゃに、これ……」

 

魔王達の宴(ワルプルギス)〟を仕切り直す為、休憩を取っていた彼女は眼前に広がる光景に呆れた眼差しで分身体である銀髪の美少女に問う

 

「私が倒した牛魔物の毛皮を使用したコートですよ。ラミリス様に是非にと想いまして」

 

「ギンレイちゃん!さっすがはアタシの配下なのよさっ!撫でてあげちゃう!」

 

「ありがとうございます♪」

 

主人であるラミリス専用のコートを仕立てるギンレイ。その姿に感激した彼女の主人が喉を撫でると、嬉しそうに喉を鳴らす

 

「わたしも分身体だけど……ギンレイちゃんはある意味で自由過ぎるよね…これもネコリア様の魂を分け与えられた影響?」

 

「違うわね。恐らくは主人のリスちゃんの影響よ、分身体でも自我が芽生えれば、身近な誰かの影響を受けるのよ。ツーちゃんの場合は、面倒を見る側になりがちだから、前よりはしっかりとしてるでしょ」

 

「なるほどねー、片方がチャランポランだと何方がしっかりするって言うもんね。ネコリア様とリムル様みたいに」

 

「その通りよ。因みにリムちゃんはチャランポランだけには飽きたらず、エッチよ」

 

「分かるのよさ。さっきもギィんとこのミザリーやレイン、あとルミナスのメイド服を観察してたし、フレイの体を凝視してたのよさ」

 

「ホントに毎度のことだけど…エッチなスライムね」

 

「エッチじゃないやい!!」

 

会話の流れで定番の相棒(リムル)弄りが始まると、其れを聞きつけた本人が御約束の決まり文句を叫ぶ

 

「ギンレイ……ワレは良い案に気付きました」

 

「なんです?ベレッタさん」

 

騒ぎを傍観していたギンレイは同僚とも呼べるベレッタに名を呼ばれ、首を傾げる

 

「ラミリス様ごと魔国連邦(テンペスト)に移住しましょう!そうすれば、ラミリス様だけには限らず、リムル様並びにネコリア様のお役に立てます!」

 

「な……なんと!ベレッタさんは天才ですか!?」

 

「ギンちゃんとベレッタちゃん……リスちゃんに似てきたわね、ホントに」

 

「だな。天真爛漫な自由人……平たく言うとアホだ」

 

「誰がアホなのよさっ!!このスケベゼリー!!」

 

「誰がスケベゼリーだ!殺虫したろかっ!!」

 

自分の悪口を聞きつけたラミリスはリムルに激突し、彼と喧嘩を始める。その様子に既に飽きたネコリアは膝に座らせたクマラの背を優しく撫でていた。この光景を彼女を敬愛してやまない彼女直属である九幹部が見たならば、喧嘩が始まるのは火を見るよりも明らかであるが今はクマラだけ故に独り占め状態である

 

「…………えっ?ワレってラミリス様に似てるんですか?」

 

「くりそつよ」

 

「嬉しいです♪ラミリス様とお揃いなんて」

 

「ギンレイちゃんってお世辞とか通じないタイプだよねー。あとさ、ネコリア様?くりそつって今日日聞かないよ」

 

露骨に衝撃を受けるベレッタとは異なり、素直なギンレイはラミリスと似ている事が嬉しいらしく、尻尾をふりふりと揺らす。その姿にネコツーは苦笑しつつ、本体への突っ込みを放つ

 

「ラミリス様、リムル=テンペスト様、ネコリア=テンペスト様。お茶の準備が整いました」

 

「あら、ミザリー」

 

「お茶菓子はクッキーが良いのさっ!」

 

「ベレッタ。その件は保留にしておく……でもまぁ、考えておくよ」

 

「は……はい!」

 

「良かったですねー、ベレッタさん」

 

「そいじゃあ……とりま!わたしたちもお茶会しよっか?イングラシアのスイーツを持ってきてるんだよー」

 

名を呼ばれ、休憩用の部屋を後にする三人の〝覚醒魔王〟。行き先は全ての魔王が集う〝魔王達の宴(ワルプルギス)〟の会場である

 

「さて……今回の〝魔王達の宴(ワルプルギス)〟。議題はカリオンの裏切りと其処のリムルの台頭についてだったが……その問題は片付いた。俺としちゃあこれで終わりにしても良いんだが、折角の機会だ。何か言いたいことがあるヤツはいるかい?」

 

全員が席に着いたのを確認し、ギィが発言を促す。その様子を魔王に名を連ねないと宣言したネコリアは漫画雑誌に没頭するヴェルドラの側に腰掛け、見守っていた

 

「良いかしら?私から提案…………というより、お願いがあるのだけど」

 

刹那、〝天翼女王(スカイクイーン)〟の異名を持つハーピィの女王であるフレイが口を開いた。その様子にネコリアは代名詞と呼べる魔性の笑みを見せる

 

「ギィ……発言を許してあげてくれる?きっと、彼女が今から言おうとしていることは今後の〝十大魔王〟に関わりがあることよ」

 

「言わずもがなだ、ネコリア。言ってみろ」

 

会議を傍観していたネコリアが口を開くと、ギィもそのつもりだったらしく、フレイの発言を許す

 

「今日この場を以て………私は〝魔王〟の地位を返上させてもらうわ。そして、ミリム(・・・)に仕えることを認めてもらいたいの。前々から、クレイマンを失脚させる策を巡らす過程でネコリアには相談していたの」

 

「待つのだ!ネコは知っていてもワタシが知らないのだ!」

 

衝撃的な発言にミリムを口に含んでいた飲み物を盛大に吹き出し、異議を申し立てる。付き合いの長い自分よりも、相談相手に選ばれたのがネコリアであるのが不満なようだ

 

「ええ、言ってなかったもの。其れにネコリアにも口止めしていたの」

 

「されてたわ」

 

「ネコちゃん。話がややこしくなるから、お魚を齧ってなさい」

 

「むぅ……リムちゃんのいじわる」

 

相談していなかった事を開き直るフレイ、其れにネコリアが間髪入れずに横槍を入れる相棒の頭をリムルは引っ叩たいた後、ぷくっと頬を膨らませる彼女に生魚を与える

 

「いきなりだな……理由はなんだ?」

 

「理由は………………そうね、色々あるのだけど……一番の理由は、私は魔王としては弱すぎると思うのよ。さっきの戦いを見ていて確信したのだけど、私では覚醒したクレイマンに勝つことは出来なかったでしょう」

 

「だが、フレイよ。ハーピィである御主の本領は大空での高速飛行戦であろう。そこまで自分を卑下する事は無いのではないか?」

 

ギィからの問いに答えを返すフレイ、その発言にダグリュールが物申すが、彼女は首を横に振る

 

「『空ならば破れなかった(・・・・・・・・・・)』、そんな言い訳は民を守る時に通用しないわ…。其れに、たとえクレイマンのように有利な状況を整えようと……その全てを覆す者が相対した時に何の意味もないと知ったの。だからね?ミリム…私は貴女の配下に付くと決めたのよ」

 

「だ……だが……」

 

疑問に答えた後、フレイはミリムに向き直ると配下に降る事を再び告げたが、当の本人は困惑顔で言い淀む

 

「どうかしら?この提案を受けてくれないかしら」

 

しかし、フレイの決意は堅く、ミリムに提案を受け入れてほしいと申し出る。古くからの付き合いである彼女からの願いに空いた口が塞がらない状態のミリム、その時だった。第三者が更なる追い討ちという名の異議を唱えた

 

「ちょっと待ってくれや、そういう話なら……俺様にも言いたい事がある」

 

「なにっ!カリオンもかっ!?」

 

その第三者とはまさかのカリオン、予想していなかった人物ミリムは振り返り、驚愕の声を挙げる

 

「俺はミリムに負けた……なのに、魔王を名乗り続けるのは烏滸がましいってもんだ。だから、俺も〝魔王〟の地位を返上させてもらいたい」

 

「なっ……!ちょ!ちょっと待て!カリオン!あの時のワタシはクレイマンに操られていたのだぞ!?ノーカンに決まっておるではないか!!」

 

「ネコリア。ミリムは操られてなかったんだよな?」

 

「そうね。カリオンに喧嘩を売ったのも、獣王国(ユーザラニア)を消し飛ばしたのも含めて…ぜ〜んぶがミリムちゃんの意志よ♪」

 

「ネコ!?」

 

((あぁ〜……あの馬鹿猫の悪い癖が…))

 

操られていた事を言及するミリムであったが、事情を全て知るネコリアに問えば、彼女は猫耳をぴこぴこと動かし、鍵尻尾をふりふりと揺らし、今回の件に関する裏側を暴露する。その姿に彼女の相棒であるリムルと親友のラミリスは苦笑しながら、標的となっているミリムに同情していた

 

「カリオン……本当に構わないんだな?正直、俺はお前を気に入ってたんだぜ?後、数百年もすれば、お前も〝覚醒魔王〟に至るだろうと期待してたんだがな」

 

「期待はありがてぇが身の振り方は自分で決めたい。建前上、魔王同士は同格だが……リムルとネコリアの実力は明らかに俺の上である事は明白……だからこそ、潔く軍門に降るのが筋ってもんだろ……聞き入れてもらえるか?」

 

「………まぁいいだろ、この時よりフレイ並びにカリオンは魔王ではない。ミリムに仕えたいのなら、自分たちで説き伏せるがいいさ」

 

是以上の言及は不可能であると悟ったギィは其れ以上に何も語らず、後は当人同士で決めろと促す

 

「本気なのか?カリオン」

 

「ああ……獣王国(ユーザラニア)の王を辞めるつもりは無いがミリムを上に置く新体制も悪くないかと思ってな。ネコリアからの助言もあったしな」

 

「ネコの助言?」

 

「そうよ、ミリムちゃんが魔国連邦(テンペスト)に住みたいのは身近に気を許せる配下が居ないから……だったら、リムちゃんで言うあたしみたいな存在を近くに配置すれば良いんじゃないかと思ったの。ミリムちゃんもフレイが側に居たら、嬉しいでしょ?」

 

「た……確かに嬉しいが…配下になると、気軽に話してくれなくなるだろ?一緒に遊んだり、悪巧みもしてくれなくなるんだろ!?」

 

マブダチであるネコリアの発言に、嬉しさはあるが配下に降れば、フレイが今までとは違う反応を見せるのではないかと、ミリムは不安そうな眼差しを向ける

 

「ミリム?そんなことないわ、何時でも貴女の側にいるし、なんなら今まで以上に楽しいことが出来るわ。そうよね?ネコリア」

 

「モチのロンよ、他ならぬ配下でありながら魔王(リムル)を貶してるあたしが言うのよ。自信を持ちなさい!」

 

「フレイさんの言う通りだぞ?ミリム。側に気の知れた友人が居るのは、今まで以上に楽しいもんだよ。あと、ネコちゃんは後で個人的にお話があります」

 

「にゃぜ?あたしはリムちゃんにこれと言って話なんかないわよ?」

 

「俺にはあるのっ!!!」

 

優しく諭すフレイの隣で説得かも疑わしい相棒を上げて落とすネコリア、其れを聞き逃さなかったリムルはじろりと彼女を睨み付けた後に吠えた

 

「イヤだとは言わせねぇぞ!ミリム!元はと言えば、お前が俺の国を吹き飛ばしたんだろうが!お前には俺たちを養う義務があるんだよ!」

 

「優しいフレイに体育会系のカリオン………正に飴と鞭だな」

 

「そうねー」

 

「全然上手くないのよさ」

 

「反応の薄さっ!!」

 

優しいフレイとは裏腹に体育会系のノリであるカリオンのゴリ押しにミリムも形無状態となり、リムルとネコリアに助けを求める視線を訴えるが二人はラミリスと談笑していた

 

「……………えぇい!分かったのだ!もう勝手に、好きにすれば良いのだ!!」

 

流石にお手上げ状態となり、考えるのを放棄したミリムは二人を受け入れると正式に宣言する。この日、長きに渡り〝十大魔王〟の名で呼ばれた魔王たちは八人となった

 

「八人……そうか、〝十大魔王〟じゃなくなったんだな」

 

(はぁ………言っちゃったわ……このバカスライム…)

 

敢えて、横槍を入れなかったネコリアはリムルが放った一言に心中で突っ込みを放ちながら、ため息を吐いた

 

「困ったのう……………威厳的な問題として、また新たな名称を考えねばなるまいよ」

 

「幸いにも今宵は魔王が揃っておるのだ。良い知恵も浮かぼうというものよな」

 

「ワハハハハハ!ワタシが良い名前を考えてやったのだ!ミリムと愉快な仲間たち!」

 

「自分メインにも程があるわよっ!!だったら、アタシが長年に渡って暖めに暖め続けたラミリスfeat.魔王の方が良いよのさっ!」

 

「甘いわね!一番はあたしの考えたネコリアwithエイトデーモンよっ!」

 

「「ネコは関係ないのだ!!/でしょうが!」」

 

新たな呼び方を決めようと自らの意見を発言するミリムとラミリス、更に蚊帳の外は嫌だと言わんばかりに首を突っ込むネコリア。この三人娘が後に魔王種の三魔王娘(トリニティ)と呼ばれる事になるのだが、其れは少しだけ先の話である

 

「なかなか決まらねーな……新たな魔王になるリムルよ、お前はなんかあるか?」

 

「俺?う〜ん……そうだなぁ〜……」

 

「なんだ、名付けの話か?ならば、我が友リムルが得意としておるわ!頼ってくれても良いぞ?」

 

「確かに!ベレッタちゃんに名付けしてたわ!ネコはネーミングセンスゴミクズだけど!」

 

「リスちゃん?ギンちゃんの名付け親はあたしよ?殺虫するわよ」

 

「すんません!調子に乗りました!許してください!」

 

間近で繰り広げられる漫才等が耳に入らないくらいに、リムルは思考を巡らせる。刹那、彼は部屋に瞬く無数の星々を見上げた

 

「〝八星魔王(オクタグラム)〟」

 

やがて、紡がれた名。美しくも威厳ある呼び名に誰もが呆気に取られる

 

「〝八星魔王(オクタグラム)〟………悪くないな」

 

「そうね……あたしが考えたネコリアオブイグニッションよりは…」

 

「悪くないのよさ。アタシのラミリス・ザ・ファニーデーモンズよりは…」

 

「そうなのだ!ワタシのミリムとおしゃまな魔王たちよりは…」

 

「気は確かか?御主等…」

 

この日より、魔王達は新たな呼称で畏れられる事になる。その名を〝八星魔王(オクタグラム)

 

そして、更にこの日。後に〝八星魔王(オクタグラム)〟にも引けを取らないとされる一人の魔人が生まれた

 

その名は〝傾国の妖女帝(ファータル・エンプレス)〟、美しくも可憐で見目麗しいその魔人の名は〝ネコリア=テンペスト〟。後に名を馳せる〝リムル=テンペスト〟の側には常に彼女が並び立っていたと語られる




呼び名が決まり、次に話し合うは領土問題。ここからが参謀長の手腕の見せ所!

NEXTヒント 領土問題

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