「…紫さん。居るのでしょう?」
「あら、お見通しだったのね」
「あれだけ派手に妖力ばら蒔いといてですか?」
「うふふ」
「まあ、それはともかく。幻想郷の有力者達に、言伝をお願いできますか?」
「いいわよ。それで、どんなこと?」
「簡単なことです。戦力を貸して頂きたいと」
「なぜ?」
「ナイトメア・フィアーは、軍を率いている。この前紅魔館に現れたのは、奴の影です」
「…分かったわ。だけど、彼女達は一癖も二癖もあるから、あまり期待しないでね?」
「それでも、全力を尽くして下さるのでしょう?どうか、お願いします」
「期待するなと言ったでしょう?全く、みんな
そう言って、苦笑しながら彼女はスキマに消えた。
「指揮はそれぞれの長にして、総指揮として紫さんを据えるか…?」
比較的親交が深く、指示を通しやすいというのが理由だが、それでも紫さんを信頼している。
「霊夢や魔理沙、レミィ、早苗と妖夢にも協力してもらいたいが……」
桜は連れて行かないほうがいい。何故かそんな予感がする。
「出来れば、天狗も戦力として数えたいな……」
文次第だが、紛れもなく幻想郷の一大事だ。
「さて、そろそろあいつらの本拠地を探るか」
雪銀を召喚し、『抜刀』する。そして剣を水平に構え、全方位を探る。
「こっちか」
指したのは東北。鬼門とされる
「…そろそろ寝るとするか」
剣を雪銀へと納め、元あった場所へと転送する。
そして、寝具へと入り、寝息を立てる彼を見ている者がいた。
「雪華様、何をしようとしてらっしゃるのかな…」
桜だった。戦力だの総指揮だの物騒なことを呟いていたのだ。彼女としては心配で心配でしょうがない。
「どうしよう……」
実は、悪夢を見てしまった。毎日のことなのだが、最近気づいたことがある。この前、あの方の腕の中で眠ってしまったが、あの時だけ、悪夢を見なかった。だからというわけではないけど、まあそんな風に思い、部屋へ来てみたが。
「やっぱり、ダメよね…、いや、こうなったら!」
みんなあの方を狙っているのだ。ここで攻めねばいつ取られてしまうか分からない(尚、桜のものではない)。
「んーと…」
ごそごそと彼が眠っている寝具の中に入る。熟睡していらっしゃるのか、気づかれずに入りこむことができた。
「えへへ…、暖かい…♪」
そして数分後、気持ち良く眠りについた。
「……」
(なんでいきなり入ってきたんだ!?)
そう、実は起きていた。狸寝入りをしていたというわけではないが、寝付こうとし、敢えて寝た時と同じ呼吸をしており、眠っているように見えたというわけだ。目を開けて注意しようとしたら。
「えへへ…、暖かい…♪」
こんなのを聞いて注意できる馬鹿がどこにいる。
(まあ、今日くらいは良いか…)
明日、しっかり注意しよう。