東方雪月花   作:くらんもち

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12話

「…というわけね」

 

「ありがとうございます。まさかこれだけの勢力が支援してくれるなんて」

 

「私の頑張りよ?」

 

そう言って彼女は微笑む。

 

「ええ、お疲れ様でした」

 

「で、本拠地は分かってるの?」

 

「おおよその範囲は」

 

彼は地図に指を滑らせ、魔法の森にほど近い場所に円を書いた。

 

「ここを中心として、半径800メートルの範囲に居ると思います。奴らの住処は異次元にあるので、正しくはそれに繋がる(ゲート)を探す形になりますが」

 

「なるほどね。了解」

 

「そして、紫さんに総指揮をお願いしたいです」

 

「それはなぜ?」

 

「信頼していますし、比較的親交が深いので」

 

「そういうことね」

 

彼女は苦笑した。

 

(ゲート)を通った瞬間、奴の軍団が襲いかかってくるでしょう。大半を貴女方に引き付けてもらい、少数精鋭で頭を叩きます」

 

「ナイトメア・フィアーとかいう奴の軍、強いの?」

 

「それなりには。ですが、油断しない限り、玉兎でも十分討伐は可能です」

 

「分かったわ」

 

「お世話になります」

 

「はいはい」

 

「では、少し外出してきます」

 

「何処へ行くの?」

 

「霊夢達の所です。協力してもらおうと思ってるので」

 

「ああ、そういうことね。いってらっしゃい」

 

そして、彼は飛び立っていった。

 

「で、さっきから盗み聞きなんてしてるのは誰?」

 

「…!」

 

「大丈夫よ、怒ってなんてないわ」

 

「その、ごめんなさい…。通りかかったら、雪華様とお話してるのが聞こえたので…」

 

「あなたが桜ね?私は八雲 紫。よろしく」

 

「よろしくお願いします。…雪華様は何をなさろうとしてらっしゃるのですか?」

 

「何、とは?」

 

「先日から気になっていたのです。軍や指揮なんて言葉を呟いていましたから…」

 

「そう。なら、私から言えることではないわ」

 

「なぜ…」

 

「あの子は、言うべきことはきちんと言う。貴女に言っていないということは知る必要がない、もしくは知ってはいけないことだということよ」

「でも…」

 

「分かってるわ。貴女は彼を深く想っている。だからこそ、よね」

 

「…はい」

 

「でも、貴女は行かない方がいいわ。大人しく彼の言うことを聞いておきなさい」

 

「…いやです」

 

「…最悪、命の危険もあるわよ」

 

「でも、私は雪華様に着いて行きます。いざという時、身代わりくらいにはなれるでしょう?」

 

「そんなに涙を溜めて言うことじゃないわ。全くあの子は、こんないい人をほっといて何しているのかしらね」

 

「……」

 

「好きにしなさい。ただし、私は知らないわよ?」

 

「…はいっ!」

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