「抜刀…!」
『それは……!』
「神剣『桜華』!全てを斬れ!」
それは、美しい刀だった。少し幅の大きい刃は松明の光を反射し、桜色に煌めいている。そして、根元に拳大の穴があり、そこには、『闇』と文字が浮かんでいる。
『おのれ…!』
「はぁっ!」
『ぐっ!?』
奴が纏う昏い闇を斬る。
「すごい…!」
「覚悟しろ!ナイトメア・フィアー!」
紫side…
「依姫、前線はどう?」
「問題ない。あの狼どもは難無く」
「鞍馬は?」
「こちらも同様だ。我らの力をなめるな」
鞍馬は呵呵と笑った。
「頼むわよ、雪華」
幻想郷の命運は、彼の双肩に懸かっている。
「少しでも彼が集中できるよう、全力で戦って頂戴」
「無論」
「当然よ!将来、儂の義子となるかもしれぬあやつを死なせるわけにはいかぬ!」
「はいはい」
どうやら、鞍馬は彼を相当に気に入っているようだ。でなければ、例え冗談でも掌中の珠である一人娘をやろうとなど言わない。
勿論、彼女本人の意思もあるのだろうが。
「さて、私もいきますか」
「お主がか?」
「スキマ使えば奇襲し放題だし。味方居ないとこ狙って爆弾でも落としとくわ」
「…えげつないことをするでない」
雪華side…
「せいやっ!」
奴が召喚した
しかし、油断してはならない。
「雪華、強すぎる…」
彼が味方で良かった。あれが、雪華の本気。
恐らくは、私も、魔理沙も、隠岐奈も、華扇も、勇儀も、豊姫も、依姫も、サグメも、輝夜も、永琳も、紫すらも、少なくとも私が知る限りの者達は、全員本気の彼には勝てない。パワー、スピード、能力、全てにおいて私達を超越している。
「でも…」
でも、不思議と怖くはない。勿論、常人は恐れをなす。強すぎる力というのは、恐怖をもたらすが、彼には感じない。普段の優しい彼を知っているからだろうか。
「喰らえっ!」
『ぐぁぁっ!』
ついに、奴の本体に届いた。とどめを刺すには、もう十分だ。
「これで、終わりだ!」
桜華を構え、肉体が壊れる寸前まで加護を四肢に巡らせる。
「『
『ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!』
奴の断末魔が響き、桜の花弁を模した弾幕がやつを斬り裂く。
しかし、気づけなかった。すぐ後ろに、
どんっ
突き飛ばされ、地面に転がる。そして、見えたのは。