「…ここだな」
僕達は、蛟がいる池に来ていた。
「奴は水底、どうやって戦うんですか?」
「当然、引き摺り出しますよ」
「え?」
そして、僕は魔法を放つ。水面が大きく荒れ、飛沫が飛び散る。これなら蛟にも聞こえるだろう。
そして、予想通りに。
『GYAOOOOON!』
吼えた。
「来る!」
「お、大きい…!」
体長5メートルはあろうかという巨体だ。これは温存なんてしてられない。
「『
手の内に雪銀が召喚される。
「せいやっ!」
脆い箇所を狙い、そこへ食い込ませて鱗を剥ぐ。そうすることで僕を脅威だと認識させ、注意をこちらへ向けさせる。
「ふぅ…っ」
第3能力を発動。時間を止めて幾重にも斬る。解除すると、一瞬で裂傷ができる。
『GUOOOO!』
水を圧縮し、レーザーのようにして発射してきた。しかし。
「そいやっ!」
スキマを出現させ、攻撃を返す。
これが僕の最後の能力。
『能力を模倣する程度の能力』だ。
「す、すごい…」
私が敵わないであろう蛟を、いとも簡単に圧倒している。鞍馬天狗様でさえ多少は苦戦するだろう。何せ、蛟は転移能力を持つ。彼は、転移をさせる間もなく攻撃をしているのだ。
これが終わったら、彼に剣の稽古をつけてもらおう。近づいてくる獣達を狩りながらそう思った。
「予想以上にタフだな…」
着実にダメージは与えているものの、倒れる気配がない。鞘である雪銀も相当の攻撃力を備えているはずなのだが。
しかし、どうにも気にかかる。先程までは、僕を倒そうとする動きだった。だが、今は忍ぶ動き、つまりは耐久をされているように思えてならない。耐久しているということは、何かを待っているということ。つまりは援軍。だが、妖怪とはいえ蛟が群れることなどあるのか。その疑念が、判断を鈍くした。
「ぐあっ!」
背中に衝撃。なんと、もう一体潜んでいたのだ。僕を吹き飛ばした蛟は、さっきまで戦っていた蛟よりも大きかった。そして、大きい蛟は、椛に標的を移した。まずい、呑まれている。せめて、せめて椛だけでも。そう思い、軋む体を押して駆ける。
「間に合えっ…!」
その時、花の香りが、背を押してくれた。
「なっ…!?」
彼を吹き飛ばしたのは、先程までのものより一回り大きい蛟だった。血の気が引いていく。もう、ダメだ。せめて囮になって、彼を逃がさないと。
その時、花の香りがした。物凄い速さで駆けてきた彼に、今度は蛟が吹き飛ばされた。
「え…?」
「椛、下がっていてくれ」
「髪が…」
彼の髪は、瑞々しい緑、そして瞳は、鮮やかな赤。
「僕は、風見
『次代のフラワーマスター』だ!」