「僕は、風見 夏葉!
『次代のフラワーマスター』だ!」
髪色は瑞々しい緑、そして瞳は、鮮やかな赤。
しかし、声と顔は。
「雪華さん…?」
「これが、僕の本当の姿だ」
「雪華さんの、本当の…」
「下がってて、椛。僕がやる」
「でも…!」
「大丈夫。力も、解放されている」
そう言って、彼は霊力、魔力、そして妖力を放った。彼は人間のはず。なのになぜ?
「なんで、ただの人間が妖力を…」
「それは、僕が半人半妖だから。妖怪を母に持つ、それが僕さ!」
それなら、合点がいく。どうして、ただの人間があれ程までに強いのか。彼女もまた、ナイトメア・フィアーとの戦いに参加しており、彼の力を目の当たりにしている。
あんなに強い理由。それが半人半妖。そして、風見という名字。まさか。
「居るんだろ、
「さすがね。ちょっと油断してたわ」
「風見 幽香…!」
「あっちの小さいほう、よろしく」
「ええ、任せて頂戴」
「桜華、抜刀」
雪銀から桜華を抜く。
「参る!」
あれでも、まだ抑制された状態だったのか。私の目の前で、壮絶としか言い様のない戦闘が始まった。
雪華改め夏葉が、幽香が、それぞれ蛟達を蹂躙する。
幽香は花を模した弾幕で。夏葉は刀と桜の弾幕で。これまでと比にならないダメージを与えていく。
そして、数十秒後には、瀕死の蛟達があった。
「とどめだ。行くよ」
「勿論よ」
夏葉は刀を、幽香は傘を構える。
「「『万花繚乱・デュアルスパーク』」」
光線が絡みあい、蛟を嬲る。
そして、大きな光が止んだ頃には。
2つの大きな骸があった。
「……!」
私は絶句した。目の前に示された力が、強大すぎた。
そして、その力に、恐れを抱いた。彼自身ではない。
彼の力に、だ。勿論、普段の彼は優しく、暖かい人なので、彼は怖くない。だが、その力を、私に向けられると思うと、ぞっとする。
「夏葉…」
母さんは、僕の名を呼んだ。
「うん。ただいま、なのかな。母さん」
「ええ…、お帰り、なさい…!」
そう言って、母さんは抱きついてきた。
「ちょっ、母さん!?」
「お願い…、もう少しだけ、こうさせて…」
「…しょうがないなぁ」
その言葉とは裏腹に、彼はとても嬉しそうだった。
その頃、雪華宅…
「雪華様、早く帰ってこないかな…」
もうお昼に近い。お腹も減ってきた。
「ご飯作って待ってようっと」
美味しそうな音と匂いがし始めた頃。
「…え?」
自分の身体が透けていることに気づいた。
「嘘、なんで!?」
止まらない。
「雪華様っ…!」
そして、寂しく調理器具のみが残された。