数日後…
「ありがとうございます、紫さん」
「良いの良いの。私も楽しみなんだから。お茶屋はあっても、こんなのは無かったから」
「何故かやりたくなって、ですね」
「仕入れとかは任せて。外から持って来るわ」
「本当に何から何まですみません…」
「大丈夫よ。じゃ、楽しみにしてるわね!」
「…よし」
早速明日から開店だ。作り置きが出来るものは作ってしまわないと。そう思って料理を初めてから数十分ほど経っただろうか。
「空いてるかな?」
入ってきたのは女の子。髪が桃色、いや、桜色で、かなり目を引くであろう整った顔立ちの女性。
「ごめんなさい、開店は明日からなんです」
「え…?
「…はい?」
「修羅様!お会いしとうございました!」
そう言うと、いきなり抱きついてきた。
「え、ええっと、どちら様でしょうか……?」
「ご冗談はよしてください。あなたの桜が参りました!」
「いや、本当に…!」
そして間の悪いことに。
「雪華〜?準備はどうか、し、ら…」
見られたくないところを見られてしまった。
「そ、その、お楽しみ中だったかしら?また後で来るわね」
「待って!違うから!」
少年説明中……
「そう、なのですね…」
彼女は明らかに落ち込んでいる。
「名前も思い出せない状態で…」
「でしたら、自己紹介をしなければですね。私は
彼女が言うには、元々僕の部下だったという。
そして、僕の本来の名前も知っていた。
僕は「修羅」と名乗る兵士だったらしい。それもかなり高い階級の。何故か剣や槍、銃の使い方を覚えていたのも納得だ。
「本部はてんてこ舞いです。いきなり消息不明になってしまわれたものですから」
「それは、申し訳ありません…」
「いえ、修羅さ…じゃなかった、雪華様が謝ることではありません!」
「そう言ってもらえると、救われます」
その瞬間。
『GYOOOOOON!!』
「「!?」」
「なんだ!?」
慌てて外に出ると、見えたのは、目算で5メートルはあろうかという巨狼。
「何よ、あいつ…!」
「霊夢、今までこんなのがいたのか?」
「いいえ、少なくとも私は見たことがないわ」
霊夢の声は、驚愕のあまり震えていた。
「仕方ない、やるぞ!」
「ええ!」
「桜さん、避難を頼みます」
「仰せのままに」
「…デカいな」
「行くわよ」
「ああ。『模造』」
「BANG」
そう呟くと、一斉に銃口が巨狼へ向き、発射される。3発の大口径弾を受け、軽く吹き飛ぶ。注意を引けたようだ。
さぁ、里の防衛戦の開始だ。