35話
「はぁ……。」
僕は頭を悩ませていた。何故なら、親友の目の前でとんでもない約束をしてしまったのだ。(『東方地憶譚』82話参照)
会場はレミィに頼み込んだら快諾してくれた。
……ニヤニヤしながらなのは非常に癪だったが。
「凱もなぁ……、わざわざ皆の前で言わなくてもなぁ……。」
そう、あれは訳あって別世界の幻想郷でこちらの世界の皆と話した時だった。……その前日に、改めて桜にプロポーズしたのだ。そして指輪(製作:五十嵐凱)を渡し、諸々が終わった後、皆と話していた。するとあいつの突然の爆弾発言が炸裂し、収拾つけるのが大変めんどくさい事態になってしまったのだ。
………いや、あいつのことだ。わざとあの場で言った可能性すらある。むしろ十中八九当たっているだろう。
……まあ頼り甲斐があること請け合いだが。なのだが!先述の1点においてのみ、僕はあいつを苦手としている。それ以外は料理上手で見た目も良く、さらには強いと非の打ち所がない奴だ。──その1点が無ければ。あそこさえ無ければ!
「……約束してしまったものは仕方ない、色々な方面に声かけなくちゃなぁ。」
今日何度目になるか分からない溜息をつく。
服に関しては早苗に頼むか……?正月では僕達の着物を作ってくれた。いやでもさすがに正装は…。桜に聞いてみたところ、やはりというべきか、洋式が良いとのこと。
「……紡ぎ手。居るんだろ。」
「呼んだー?」
スキマからくらんもちが出てきた。
「お前の力で、色んなものを生み出せるだろ?」
「そうだね、僕のセカイの中だけではあるけど、僕の能力だよ。」
こいつはセカイの中でのみ、あらゆるものを生み出せる。
「…あー、そゆこと?おっけー、全然いいよ。」
快諾してくれた。
「感謝するよ。」
「ん、気にすんな。普通にお前らのことは応援してるし。」
「ありがとな。」
笑い合う。2人にしては珍しく穏やかな一時だった。
「あ、他に欲しいもんある?あるんなら一気に創るけど。」
「…いや、今のとこ。」
「りょーかい。じゃあ、来週までには仕上げる。」
「頼む。」
くらんもちを見送った後、気分転換に外に出ることにした。
色々悩んでいたから、結構鬱屈していた。
「さーて、会場も服もOK…、後は料理くらいか?」
恐らく僕達が出る幕はない。咲夜と妖夢が異様に張り切っていたからなぁ……。
……その時。鈍い音が聞こえた。