東方雪月花   作:くらんもち

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皆さんあけましておめでとうございます!今年も「東方雪月花」を、そして「英傑神の旅路をここに」をよろしくお願いします!


51話

「雪銀が、主と共に進化するか。」

 

びしり、びしり。

その音と共に、雪銀にはヒビが入ってゆく。

 

「…違う、これは進化じゃない。」

「なら、何なんだ?」

 

びしり、びしり、びしり、ぱきん。

硝子のような澄んだ音と雪銀が割れ、その破片は(ソラ)へと登っていき、刀の形を取る。

 

「これは、『共鳴』だ。」

 

その言葉と共に、その剣は桜の目の前へ降りた。

 

「……あとは任せていいな?」

「ええ、ライガさんを、頼みます。」

 

ゆっくりと、桜は剣を手に取る。

 

「行きましょう、『天人剣 雪葉』!!」

「あれね、わかったよ。問題ねえと思うが、気を付けろよ。」

「勿論。桜となら、負けはない。」

「……お前如きが、彼女の隣に居るんじゃねぇぇぇえぇぇぇ!!!」

 

怒り狂ったライガは、此方へ飛翔。だが。

 

「おいおい、無視は駄目だなぁ。」

 

その足を零が掴む。

 

「…っ!離しやがれ!」

 

零へ向け雷を放つも効果はない。

 

「まあまあ、少しは落ち着けよ。」

 

数秒後、辺りの景色が一転する。

そこは何も無い荒野だった。

 

「何だよ、ここは!」

「いやぁ、本気で戦って巻き込んだら申し訳ねえだろ?お互いによ。」

 

「どきやがれ。俺はやつを…、朝霧 修羅を、殺す!!」

「殺す…殺すねぇ…?くくく……ははは!」

「何がおかしい!俺は『雷轟の智天使』、ライガ!どきやがれ!」

 

怒りの余り、彼は、目の前の相手との力量差が分からない。

 

「……いい機会だ。」

 

零が腰の刀を抜刀する。その瞬間ライガの首は跳ねとんだ……はずなのだが、彼の首は元もままくっついている。

 

「な……!?」

 

確かに斬られた、首を落とされた。そのはずなのに、自分は何故生きている?抜刀する瞬間も、見えなかった。『熾天会』No.3である自分に。

 

「この空間は特殊でな…『死ぬことができない』んだよ。どんな手段をもってしてもな。」

 

その言葉が終わるや否や再び抜刀し、胴体を真っ二つにした。

だがその傷は瞬時に再生する。

 

「ぐぁ……!

……この!」

 

例え周りが見えなくなっていても、彼はバカではない。力の差を、理解し始めていた。せめて、せめて一太刀。せめて反撃を。そうして雷の大剣で斬りかかる。

 

「何だそれ?もっと本気出せよ!」

 

刀が抜刀と同時に細く鋭いレイピアになりライガの体を音速…いや、それ以上の速さで貫いた。それも1度や2度ではなく何十回もである。

 

「『雷帝の』………!!」

 

しかしそれに耐え、奥義を発動する。

 

「『干渉』。」

 

その一言で奥義がキャンセルされる。

 

「何、だと……!?」

 

自身の最強の奥義。それが、こんな奴に。

 

「奥義を使うのはいい。だがタイミングが悪すぎる。」

 

再び抜刀で斬りつけられる。

 

「くっそぉぉぉぉぉおぉぉ!!!」

 

死にそうで、それでも死ねない空間で、彼は吠えたのだった。

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