東方雪月花   作:くらんもち

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8話

そして、夜になった。

 

「雪華〜!」

 

「そんな騒ぎ立てなくても聞こえてるよ。いらっしゃい、霊夢」

 

「ここが噂の喫茶店ですかぁ〜」

 

「…そちらの女性は?」

 

「あ、東風谷 早苗です。よろしくお願いします!」

 

桜舞う春(スプリング・ブロッサム)の店長、霜月 雪華だよ。宜しく」

 

「一度来てみたかったんですよね、まさか幻想郷に喫茶店が出来るなんて」

 

「…そちらの隠形している御二方も、宜しく」

 

「…バレたか。まさか見破られるとは……」

 

「完全予想外だったねー」

 

「神奈子様!?諏訪子様!?なんでここに!?」

 

「まあ、私達も喫茶店に来たかったんだよ…」

 

「意外…」

 

「兎に角、守谷神社祭神の八坂 神奈子だ」

 

「同じく洩矢 諏訪子だよ」

 

「店長の雪華だ。宜しく」

 

「ああ、よしなに頼む」

 

「これだけじゃないんだろ、霊夢」

 

「当然じゃない。まだまだ来るわよ」

 

 

 

そして数十分後。

 

「今晩は良い天気ね、雪華」

 

「お邪魔します」

 

「レミィ、咲夜。いらっしゃい」

 

「よー雪華ー!」

 

「よう、魔理沙」

 

「こんばんは」

 

「妖夢。いらっしゃい」

 

この前知り合った妖夢だ。カフェラテを気に入ったらしく、よく来てくれる。…背伸びしているのか、いつも、少しコーヒーの割合を多めにしてくれと頼んでくる。結果はお察しだ。

 

「こんなお洒落なとこ借りて良いんですか?」

 

「ああ。ちゃんと許可は出してる」

 

「じゃ、飲むわよ!」

 

「全く…、未成年に酒類は出したくないんだがな」

 

「そんな常識に捕われてるようじゃだめですよ〜」

 

茶化すのは早苗だ。

 

「君は外の人間だから知ってるだろうに…」

 

「あまり強いのは出さないよ。これでも慮ってるんだ」

 

「別に良いじゃない」

 

「うちは喫茶店であってバーじゃない。そういうのは他所でやりなよ」

 

苦笑を禁じ得ない。

 

「はいはい」

 

霊夢も少し笑って席に座る。

 

「桜もいらっしゃいな」

 

「あ、えと…」

 

「レミィなら多分大丈夫。行ってきなよ」

 

「…はい」

 

「雪華〜!枝豆追加ー!」

 

「早すぎるだろ…、分かったよ」

 

「ありがとね〜」

 

「もうアルコール回ってんじゃんか…、つまみ用意するこっちの身にもなれっての」

 

言葉とは裏腹に、雪華様の顔は穏やかで、楽しそうで。

胸が、高鳴った。

ふと嫌な予感がして見回すと、早苗さんが、雪華様を艶っぽい目で見ていた。さっきとは違う意味で、心臓が跳ねた。

 

 

─とても、眩しい。おつまみを要求する霊夢さん達に苦笑していたら、雪華さんがとても眩しく笑った。それに、目が吸いつかれた。自分に向けられたものではないけど、とても、嬉しい。

そして、それを私に向けて欲しいと、思った。

 

「早苗、大丈夫?」

 

「ああ、はい!お気に、なさらず…」

 

 

 

そんなこんなで数時間後。

 

「うぇ〜…」

 

「酔いまくってるじゃないか、霊夢」

 

「せっかさまぁ〜……」

 

「桜!?誰だこんなになるまで飲ませたの!?」

 

「…霊夢よ」

 

「サンキューレミィ、霊夢覚えてやがれよ」

 

「ふぇ…」

 

「…はぁ、運ぶか。よっ」

 

「えへへ〜…♪」

 

「えらくご機嫌だな…」

 

「せっかさま〜…♪」

 

抱き抱えると、嬉々として首に手を回してくる。

 

 

「よいしょ…」

 

「せっかさまぁ…いかないでぇ……」

 

一番上のボタンが開いており、酔いが回っているためか、妙に艶っぽい。理性を総動員し、なんとかこらえる。

 

「すぐに戻ってくるから、待っててくれよ」

 

「はぁい…」

 

彼女は自分の破壊力を認識するべきだ。数回ほど理性が持っていかれかけた。

 

「はあ、片付けだ」

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