そして、夜になった。
「雪華〜!」
「そんな騒ぎ立てなくても聞こえてるよ。いらっしゃい、霊夢」
「ここが噂の喫茶店ですかぁ〜」
「…そちらの女性は?」
「あ、東風谷 早苗です。よろしくお願いします!」
「
「一度来てみたかったんですよね、まさか幻想郷に喫茶店が出来るなんて」
「…そちらの隠形している御二方も、宜しく」
「…バレたか。まさか見破られるとは……」
「完全予想外だったねー」
「神奈子様!?諏訪子様!?なんでここに!?」
「まあ、私達も喫茶店に来たかったんだよ…」
「意外…」
「兎に角、守谷神社祭神の八坂 神奈子だ」
「同じく洩矢 諏訪子だよ」
「店長の雪華だ。宜しく」
「ああ、よしなに頼む」
「これだけじゃないんだろ、霊夢」
「当然じゃない。まだまだ来るわよ」
そして数十分後。
「今晩は良い天気ね、雪華」
「お邪魔します」
「レミィ、咲夜。いらっしゃい」
「よー雪華ー!」
「よう、魔理沙」
「こんばんは」
「妖夢。いらっしゃい」
この前知り合った妖夢だ。カフェラテを気に入ったらしく、よく来てくれる。…背伸びしているのか、いつも、少しコーヒーの割合を多めにしてくれと頼んでくる。結果はお察しだ。
「こんなお洒落なとこ借りて良いんですか?」
「ああ。ちゃんと許可は出してる」
「じゃ、飲むわよ!」
「全く…、未成年に酒類は出したくないんだがな」
「そんな常識に捕われてるようじゃだめですよ〜」
茶化すのは早苗だ。
「君は外の人間だから知ってるだろうに…」
「あまり強いのは出さないよ。これでも慮ってるんだ」
「別に良いじゃない」
「うちは喫茶店であってバーじゃない。そういうのは他所でやりなよ」
苦笑を禁じ得ない。
「はいはい」
霊夢も少し笑って席に座る。
「桜もいらっしゃいな」
「あ、えと…」
「レミィなら多分大丈夫。行ってきなよ」
「…はい」
「雪華〜!枝豆追加ー!」
「早すぎるだろ…、分かったよ」
「ありがとね〜」
「もうアルコール回ってんじゃんか…、つまみ用意するこっちの身にもなれっての」
言葉とは裏腹に、雪華様の顔は穏やかで、楽しそうで。
胸が、高鳴った。
ふと嫌な予感がして見回すと、早苗さんが、雪華様を艶っぽい目で見ていた。さっきとは違う意味で、心臓が跳ねた。
─とても、眩しい。おつまみを要求する霊夢さん達に苦笑していたら、雪華さんがとても眩しく笑った。それに、目が吸いつかれた。自分に向けられたものではないけど、とても、嬉しい。
そして、それを私に向けて欲しいと、思った。
「早苗、大丈夫?」
「ああ、はい!お気に、なさらず…」
そんなこんなで数時間後。
「うぇ〜…」
「酔いまくってるじゃないか、霊夢」
「せっかさまぁ〜……」
「桜!?誰だこんなになるまで飲ませたの!?」
「…霊夢よ」
「サンキューレミィ、霊夢覚えてやがれよ」
「ふぇ…」
「…はぁ、運ぶか。よっ」
「えへへ〜…♪」
「えらくご機嫌だな…」
「せっかさま〜…♪」
抱き抱えると、嬉々として首に手を回してくる。
「よいしょ…」
「せっかさまぁ…いかないでぇ……」
一番上のボタンが開いており、酔いが回っているためか、妙に艶っぽい。理性を総動員し、なんとかこらえる。
「すぐに戻ってくるから、待っててくれよ」
「はぁい…」
彼女は自分の破壊力を認識するべきだ。数回ほど理性が持っていかれかけた。
「はあ、片付けだ」