東方雪月花   作:くらんもち

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9話

 

最近、とある事件が多発している。神隠しとも違う、行方不明事件。釣りに行った親が、帰ってこない。用水路を見に行っただけの許嫁が、帰ってこない。生きているのか死んでいるのかも杳として知れない。しかし、たった1人だけ、目撃者がいた。彼の証言では、黒い靄がさらっていったように見えたという。それを受け、自警団は博麗神社に協力を要請。霊夢も捜査に参加しているとか。不思議な事件、何事もなく終わればいいが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうにも嫌な予感がする。皆に何も起こらなければいい。笑い話にでもしてやろう。

 

 

 

 

「何も無ければいいけど…」

 

「おや、雪華さん」

 

「文。おはよう」

 

「おはようございます。まだ卯の刻ですよ?」

 

「普段からこのくらいさ。いつもは店に引っ込んでるけどね」

 

「なるほど。あ、これ朝刊ですー」

 

「お、ありがとう。…やっぱり一面は失踪事件か」

 

「ええ、この頃急速に被害が広がってますからね」

 

「!これは…」

 

「どうかなさいましたか?」

 

一面を見て顔が強ばった。文はそれに気づいたようだ。

 

「…文」

 

「は、はい」

 

思わずどきりとした。彼は相当に好い人だ。真剣な声で呼ばれれば、女性なら誰だってこんな風になるだろう。

 

「事件が起きた現場を教えてくれ」

 

「ええ、構いません。ええと、此処と此処、それと…」

 

事件が起きたのは5ヶ所。何れも、湖の周辺で起きている。

 

「…やはりか」

 

「やはり、とは?」

 

「これは単なる人攫いじゃない。何らかの儀式だ」

 

「え?」

 

「現場を線で繋いでみてくれ」

 

「逆三角形が1つに、V字の線…?あ、もしかして」

 

「そう。これは六芒星…、籠目だ。つまり」

 

「犯人は、何かを封印しようとしている?」

 

「だろうね。そして、次に狙われるであろう場所は…」

 

地図の上を彼の指が滑る。

 

「ここ。…紅魔館だ」

 

「そんな、命知らずがいるんですか?紅魔館には、かなりの戦力が…」

 

「思い当たる節がある。もしそいつなら、恐らく紅魔館の面々でも歯が立たない」

 

「そ、そんな…」

 

「念の為、天狗達にも紅魔館に近付く者が居ないようにして」

 

「分かりました」

 

「さてと、行かなきゃ」

 

「どこへ?」

 

「紅魔館に決まってるだろ。僕には、そいつを退ける手段がある」

 

「そうなんですか!?」

 

「ああ。だから少ししたら向かう。

…桜には寂しい思いをさせてしまうけれど」

 

「ああ…、確かに」

 

「まあ、少しだからね」

 

「では、天狗達に知らせてきますね」

 

「頼む」

 

そして、彼女は山へと飛び去っていった。

 

「…そういえば」

 

雛は元気だろうか。一段落したら様子を見に行こう。

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