その時代、人と魔物は太陽系を出、ついには宇宙全域にまで播種を成していた。
異世界渡航技術すら確立した遠き未来の果て。マーニャの姿形を誰もが忘れてしまった、そんな時代――そこは、どこかの銀河のどこかの星だ。ともすれば別の世界の『宇宙』なのかもしれなかった。
大気組成が彼ら人と魔物の母星に非常に近しいその星には生命と呼べるものが未だ存在しない。
だが、ついに彼女達は未来を勝ち取る。
原初の不毛地帯へと、降り立つ二つの人影があった――長い黒髪の女と、柔らかな栗毛の少女。
魂の実在証明は完遂され。
死後世界すら観測し終え。
魂の回収魔法さえあった。
全ての真実は神のみぞ知る。
どの道少女は二度とその禁忌には触れないだろう。
二人は顔を見合わせた。
二人の間を風がさすらう。
二人が笑い合って、手を繋ぐ。
そうして彼女達の目の前に広がるのは、誰も知らない未踏の冒険――。
ここではない何処か。
どこでもない遠く。
女と少女は、また、二人だけで歩き出す。
〈終〉