IS×World Trigger 作:ガイストは男のロマン
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。皆さんよろしくお願いいたします」
最初に自己紹介をしてきたのは金髪の方の転校生だった。頭を下げ笑顔を浮かべてくる。
そして着ている制服は俺と織斑と同じように男の制服だ。
「え!?嘘、もしかして……」
「男……?」
誰かが呟く。
「はい。こちらに僕と同じ境遇の方々がいると聞いて本国より転入をしました」
「「「キャァァァァァァァァァァァァァァァ!!」」」
すると教室全体に叫声が響き渡る。爆音と言っても過言ではない位の音が耳を刺激するので急いで耳を塞ぐが、余り効果はない。
「男子!三人目の男子よ!」
「それも美形!守ってあげたくなる系!」
「このクラスで良かったわ!」
そんな風にはしゃいでいるが、どうにもきな臭いな。俺や織斑の時は大騒ぎになっていたのに、デュノアの存在については全く聞いた事はない。
フランスから男子の操縦者が出たのなら、スポンサーを得る為に堂々と告知している筈だ。フランスは現在、束さんによりISコアの半分を没収されて後がないのだから。
加えてあの顔……どうにも女っぽい顔だ。まあ中性的な顔なのかもしれないが……一応束さんか迅さんに聞いてみるか。
「皆さん!落ち着いて下さい!まだ自己紹介は終わってませんよ!」
山田先生は手を叩きそう口にするが収まる気配がない。山田先生は普段から慕われているが、同時に舐められているからだろう。
「騒ぐな!静かにしろ!」
織斑先生の一言で一瞬で静かになった。やっぱり織斑先生は怖いからな。まあレポートを放置した太刀川さんを見た忍田本部長の方が怖いけど。
「挨拶しろ、ラウラ」
「はい、教官」
そんな返事が出るが、教官って事は織斑先生が一時的にドイツに行った際に習った教え子だろう。
織斑先生はため息を吐く。
「ここではそう呼ぶな。私はもう教官ではないし学園ではお前も一般の生徒だ。だから織斑先生と呼べ」
「了解しました。ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
ただ一言だけそう口にする。
「あ、あの、以上ですか?」
「以上だ」
気まずい空気を払拭しようとするが、改善する気配はない。
「えっと……デュノア君はフランスの、ボーデヴィッヒさんはドイツの代表候補生だそうです。皆さん仲良くしてくださいね」
山田先生は涙目になって紹介を捕捉するが、もうちょっと舐められないようにするべきじゃないか?
「お二人は空いている席へどうぞ」
山田先生の指示に二人は教室の後ろの方へ移動するが途中でボーデヴィッヒが織斑の前で止まる。ん?いきなりどうしたんだ?
「っ!貴様か……!」
すると突然ボーデヴィッヒは目を見開き、織斑に平手打ちを仕掛けようとするが……
ヒュッ
その前にクロエがボーデヴィッヒの腕を掴み……
「がはっ!」
そのまま床に叩きつける。
「織斑様に害を与える事は許しません。束様の命令で度が過ぎる場合は排除するのでそのつもりで」
悶えるボーデヴィッヒにクロエは淡々と答える。
「貴様……っ!何者だっ!?」
怒りを宿したボーデヴィッヒだが、クロエの顔を見ると目を見ると驚愕の表情に変わる。改めて見ると似ているが、何か関係しているのか?
「私はクロエ・クロニクル。束様の娘で冬島隊のメンバーです。それだけです」
そんなボーデヴィッヒとは対称的にクロエはいつも通りの表情だ。
「そこまでだ」
ここで織斑先生が止めに入ると、クロエはボーデヴィッヒの腕を離し、ボーデヴィッヒも悔しそうな表情を浮かべながらもクロエに攻撃を仕掛けない。
「私の前で勝手な行動は慎め。それとクロニクル。お前が束からの命令を受けているのは知っているが、生徒の殺害は認めないからな」
「命令権は束様にありますので、束様にお伝えください。ただ束様は織斑様と恭弥様に近寄ろうとしている害虫を不快に思っております」
クロエの言葉にデュノアが僅かに身体をピクンとさせるが、やはりスパイなのか?
「ふぅ……束には後で言っておく……っと、時間が押してるな。HRはここまでにしておく。直ぐに着替えてグラウンドに集合しろ」
織斑先生がそう口にするので各々が移動の準備を始めるので、俺は速攻で教室を出る。男子更衣室は遠いし、デュノアの見学に野次馬出てきたら面倒だからな
俺は早足で更衣室に行き、パパッと着替えてグラウンドに行く。どうやら俺が一番乗りのようだ。それから少しずつやって来るが、織斑とデュノアは捕まったようだ。ご愁傷様だ。
そして織斑先生が来てから数分してから織斑とデュノアがやって来る。
「遅い!烏丸はとっくに着いているぞ!とっとと列に並べ!」
織斑先生の怒りに織斑はジト目を向けて来るが、悪いのは野次馬根性のある女生徒だろう。
「本日から実習を開始する。ますは専用機持ちに戦闘を実演してもらう……烏丸!前に出ろ」
おっと、俺か。
「了解。相手は誰ですか?織斑先生ですか?」
「いや、相手は「ちぃぃぃぃちゃぁぁぁんっ!」ちっ、面倒な奴が来たな」
織斑先生が話している最中に聞き覚えのある叫び声が聞こえてきた。声のした方向を見れば束さんが全力疾走で走ってくる。
「何の用だ束。今は授業中だからさっさと帰れ」
「つれないなー。丁度今ちーちゃんの専用機6号機が完成したからテストに協力してよ」
『っ!』
束さんの言葉に周りが驚愕の表情を浮かべる。そんな中、鈴が肩を叩いてくる。
「ねぇ恭弥。千冬さんって専用機を6機も持ってるの?」
「いや違う。束さんが千冬さんの為に機体を作って、その都度改良してる感じだ。今回が6回目という意味だな」
遠征先で遭遇した黒トリガー使いを殺す為のISを開発していて、何回もトライアンドエラーしているのはA級でも有名だ。
「お願いちーちゃん。きりちゃんにも協力を頼んでるんだよ〜」
「はぁ……わかったわかった。余り小南にも面倒をかけるな」
「さっすがちーちゃん!それでは!」
束さんがスイッチボックスを操作すると束さんの左右にトリオン反応が現れて、右から黒金のISが現れ、左から小南先輩が現れる。
「防衛任務上がりにこれなんだから……あたし学校があるんだけど!」
「めんごめんご。出席日数がヤバいなら学校の方に束さんが話しとくよ?」
「しなくて問題ないわよ……って!恭弥!アンタ高校に上がってから1回も玉狛に来てないじゃない!もう落ち着いた頃なんだし来なさい!」
小南先輩は怒りをこっちに向けてくる。
「すみません小南先輩。実は俺はIS学園に入って生き別れの妹と再会して、つい」
俺は鈴の肩を叩きながらそう口にすると鈴は訝しげな表情を浮かべる。
「は?恭弥あんた何を言って「え?アンタ他にも弟妹がいたんだ?良かったじゃん!」……うっそでしょ?」
信じられないといった表情を浮かべる鈴だが、これが小南先輩だ。
「アンタもそこそこ出来そうだけどボーダーに入るの?」
「いや、彼女は中国の代表候補生なんで無理ですね」
「……え?」
小南先輩が俺を見てくる。
「すみません、彼女は俺の妹じゃありません」
「騙したわね!兄弟揃って先輩を何だと思ってるのよ!」
小南先輩は怒りながら俺の背中をポカポカと叩いてくるが、やはり弄り甲斐がある先輩だ。
「相変わらず弄り甲斐があるねー……さて、じゃあちーちゃんはこの「黒桜」のフォーマットとフィッティングをお願いね」
「やれやれ……済まないがこの馬鹿の頼みを聞かせてもらうぞ」
織斑先生は俺達に謝るが、俺としては新しい専用機についても、小南先輩との模擬戦も楽しみだから構わない。
他の生徒も不満はないようで好奇心丸出しになっている。
そうこうしている中、織斑先生が専用機が纏い、束さんが高速でタブレットを操作すると、専用機は光り輝き、角ばっていた専用機がより丸みが生まれる。
「はーい。完了。じゃあきりちゃん、お願いね〜」
「はいはい。学校があるから速攻で勝敗差を縮めさせてもらうわよ」
小南先輩がそう呟くと、右手にある腕輪が光り輝き真紅のIS「爆剛砕」が展開されてから、猛スピードで空に舞い上がる。
「ふっ、差を広げさせて貰うぞ」
織斑先生は不適な笑みを浮かべて、同じように空に飛び上がる。
さてさて、どっちが勝つやら……同じ訓練機を使えば6-4で織斑先生だが、今回織斑先生は初めて使う機体だから小南先輩が有利だな。
「それで恭弥さん。小南さんとやらはどのくらい強いのですの?」
「クロエより強い」
「はい。私の戦績ですが、36戦10勝23敗3分です」
「マジで?そんなに強いの?」
「ああ。鈴はしっかり見とけ。あの人のスタイルはお前のスタイルに似ているからな」
そんな風に話しながら空を見ると両名は空高くに位置して……
「はい、始め〜」
束さんの掛け声と共に、国家代表でも扱いが難しい個別連続瞬時加速で距離を詰めて得物をぶつけ合った。
入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?
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おかしい
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おかしくない