エステルSide
「居たぞ!こっちだ!!」
エステルは監禁されていた部屋から脱走したがすぐに警報が鳴り艦内を追い回されていた。
エステル「あぁもう!なんなのこの船は!!馬鹿でかいし、人形兵器や強化猟兵もうじゃうじゃいるし……それに、アネラスさんも何処に囚われてるのか分からないし……」
エステルは一瞬顔を伏せたがすぐに顔をあげた。
エステル「……ううん、諦めたら駄目!ヨシュアに再び会うためにも、立ち止まってられないわ!」
「止まれ!止まらないと撃つぞ!!」
強化猟兵達の銃火混じりの警告が走ってるエステルの背後から聞こえた。
エステル「止まれと言われて止まる奴は居ないわよ!!しかももう撃ってる癖に説得力無いわよ!!」
エステルも負けじと言い返した。エステルは上に昇る階段を駆け昇るしかなく、扉を開けると甲板に出てしまった。外は冷たい空気が吹いていた。
エステル「うぅ、寒……ッ!改めて見ると高度高いわね……アネラスさんを救出して脱出するにしてもパラシュートか小型艇を奪うしか無いわね……」
「居たぞ!」
エステル「ちっ……!しつこいわね!」
エステルは別の階段から逃げようとしたがその階段からも強化猟兵達が上がって来た。
エステル「しまった……囲まれた!」
エステルの前方には2名、後方にも2名敵強化猟兵に挟まれてしまった。
「ふん……手こずらせてくれたな」
「流石は剣聖カシウスの娘と言ったところか……」
強化猟兵達は武器を構えながらジリジリと距離を詰めた。
「はーッハッハッハ!!無様だなエステル・ブライト」
後方から更に別の強化猟兵が一名近づいてきたが妙に馴れ馴れしい。
エステル「………誰?私にアンタみたいな知り合い、居ない筈だけど……」
エステルも怪訝な顔になり問う。
「ふ……兜を被っているから無理もない、特別に見せてやろう…!」
猟兵は兜を脱いで素顔を晒した。
エステル「………」
「ふ、驚きの余りに言葉を失ったか、まぁまさか僕がここに居るとは思わ無かったのだから当然の反応だね」
エステル「いや……というか、アンタ誰?」
「ボースのダルモア前市長の秘書を務めていたギルバートだ!?」
猟兵………ギルバートは堪らず叫んだ。
エステル「………あ〜!確かに居たわね。色々あったからすっかり忘れてたわ」
ギルバート「自分で逮捕した癖にそれは無いだろう!?遊撃士としてそれはどうなんだ…」
エステル「あんたに言われたくないけどね〜、第一何でこんな所にいる訳?王国軍に捕まってた筈よね?」
ギルバート「ふ……あのクーデター未遂事件の混乱のどさくさに紛れて脱走したのさ、そこに結社の誘いに乗って身を投じたのさ」
ギルバートはカッコつけて言った。
「よく言う……哨戒艇の食糧を盗む為に忍び込んだ所を我々に捕らえられて情けなく命乞いしたから仕方なく連れ帰っただけだ……」
同僚の強化猟兵がボソッと呟いた。
ギルバート「う………」
エステル「あ〜……まぁ、人生色々あるもんよ?アンタ犯罪者だけど元気出しなさいよ?」
エステルは苦笑して頬をかいた。
ギルバート「う、五月蝿い!僕は結社に入って強化猟兵のカリキュラムを受けたんだ!!いずれは結社の幹部に成り上がってやるんだ!!」
ギルバートは銃を構えた。
「おい、どうする……?」
「エステル・ブライトの捕獲は命令に入ってるんだ。付き合ってやろう」
「やれやれ……」
他の強化猟兵達は呆れながらも自らの武器を構えた。
エステル「く……ッ!やるしかないわね」
ギルバート「ふん…!五対一では幾ら遊撃士でも敵うまい、素直に投降をお勧めするぞ」
「もう少し増えるさ」
そんな言葉と共にエステルの後方からもう一人強化猟兵があらわれた。
エステル「また一人増えた……!」
ギルバート「ふ……これ以上の増援は必要ないさ、君はそこで見物していたまえ」
「勘違いしないでくれないかい?増えるのはエステルの方だよ」
エステル「え…?」
ギルバート「へ……?」
強化猟兵は双剣を構えるとすぐ近くの猟兵をすぐさま無力化した。
「ぎゃ!?」
「ぐわッ!?」
「がッ?!」
「ぐへ!?」
ギルバート以外の猟兵は全滅した。
ギルバート「な、ななっ………!?」
エステル「その動き……その声、まさか……」
「やれやれ、相変わらず無茶をするね」
猟兵は兜を脱ぎ捨てた。
エステル「あ……」
「もう少し慎重に行動しろって何度も言ったじゃないか、それで苦労するのは君だよ。エステル」
エステル「よ………ヨシュア!!」