ようこそ乱数の支配する教室へ   作:桜霧島

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※()内は前話での変動

学力 :62(±0)
知性 :57(±0)
判断力:76(±0)
身体能力:84(±0)
協調性:62(±0)

総合 68.2(±0)C+ランク



27 二学期の始まり

 

 

 9月に入り2学期が始まった。

 

 俺たちは夏休みの特別試験を経て見事にAクラスに昇格した。これに伴いクラスメイトの月の収入も爆アゲ、一之瀬銀行も見たことのない残高になっており、頭取は教室の自席で白目を剥いている。おかしいな、あれは俺の伝統芸能のはずだが。

 

「ひ、輝くん……見て、いっせ、いっせんま……」

 

「バカ、帆波。外で口にするんじゃありません!」

 

「あわ、あわわわわ……」

 

 あわあわ言っているポンコツ化した委員長の可愛らしい口を、ほっぺたを両側から潰すことで物理的に塞ぐ。ほっぺた柔らかい(小並感)

 

「こんなことで狼狽えるな。もし仮に退学者が俺たちのクラスから出た場合、救済には2000万必要だ。万が一を考えると、その倍は必要だ。まだ目標額の4分の1。まだ慌てるような額じゃあない。わかったな?」

 

 コクコクと人工おちょぼ口で頷く委員長を見て手を離す。

 

「……もう、輝くんは強引だよ! 私にも心の準備があるというか何というか……

 

「ハハ、悪いな。一之瀬の変顔、面白かったぞ。」

 

 一之瀬で遊んでいると、クラスメイトである網倉麻子が(さなが)ら悪代官の顔付きでニヤニヤと話しかけてくる。

 

「なーにをイチャついてるんだか。」

 

「む、イチャついてなんていないぞ。」

 

「はいはい。で、結局輝くんの本命は誰なのよ?」

 

 本命?そりゃあ見てたらわかるっしょ。だけどそんなの表に出さないし、ここはお茶を濁すとしましょう。

 

「―――そんなの、麻子ちゃんに決まってるじゃないか。」

 

 麻子ちゃんの手を取りながら目を見つめる。南雲先輩直伝の必殺技だ。

 

「ヒョッ……」

 

 こうかはばつぐんだ!

 

 やはりあくタイプにインファイトは鉄板だな。脳筋の俺がやればタイプ一致で威力は倍増ドン!

 

 ……ふう、あくは去ったか。だがまだ敵は残っている。ゲシゲシと俺の脛を蹴る一之瀬サマだ。お怒りの様子だがニビジムのイワークくらいの威力だ。

 

「あのねぇ、キミねぇ、本当に!」

 

「認めたくないものだな。若さ故の過ちというものを。」

 

「誤魔化し方が雑! ……はぁ。そろそろ星之宮先生が来るから席に戻って……。」

 

 そんなやり取りをしていると、タイミング良く星之宮先生が入ってくる。

 

「おっはー☆ ホームルーム、はーじまーるよー」

 

 何かに影響されたのか、死語とネットミームを交えて朝のホームルームが始まった。

 

「2学期が始まりました!この中には一夏の経験を経てオトナになった子がいるかもしれませんが――不純異性交遊はダメだからね!」

 

 それは生徒会の副会長に言ってください。ついでにDクラスの綾小路にも。

 

「――さて、2学期は目玉イベントである体育祭があります! 今から種目とルール、それから特別時間割を配るから、ちゃんと聞いておいてね!」

 

 

-------------------------------------------

 

【ルール】

・全学年をそれぞれ赤組と白組の2つに分ける。

・負けた方の組のクラスはマイナス100CP

・各学年1位:50CP、2位:0CP、3位:-50CP、4位:-100CP

・各学年最優秀選手には10万PP

・全学年を通しての最優秀選手にも10万PP

 

 

【全員参加種目】

・100メートル走

・200メートル走

・ハードル走

・二人三脚

・障害物競走

・棒倒し(男子のみ)、玉入れ(女子のみ)

・男女別綱引き

・騎馬戦

 

【推薦参加種目】

・借り物競争

・四方綱引き

・男女混合二人三脚

・3学年合同1200mリレー。

 

-------------------------------------------

 

 

 ―――で、俺たちAクラスはDクラスと一緒で赤組か。まあ龍園とかと組むよりは間違いないだろうし、桔梗ちゃんやみーちゃん達もいるから、それなりに楽しそうだ。綾小路が真面目に走ればいいトコいくんじゃないか?

 って言うか勝ってもポイント入らないの?夏休みでポイント配ったから2学期に回収するの?それなんてサイゲ?

 

 しかしまあ、細かい順位ごとの点数の説明もあったが、要は1位を多く取れば良いんだろ。テストの点数の補完も出来るとあれば、張り切らない手はない。

 

 問題は、出走相手が誰かというところと、クラス内部での潰し合いが問題だな。このクラスでは俺と柴田颯が運動神経で秀でている。女子は安藤さんと一之瀬を中心に高レベルでまとまって――

 あ、隣席の姫野さん、チーッス。運動も勉強もほどほどの人が居たわ。こういう人の救済というかフォローも必要だわな。

 ま、一之瀬イインチョに丸投げしましょ。

 

 

 

 

 

 放課後、俺たちAクラスは一之瀬と神崎を司会に作戦会議をしている。

 

「じゃあ、何か意見がある人!」

 

「――じゃあ俺が。」

 

「ムムッ!何でしょう輝くん。」

 

「何で警戒するんだよ。俺は今回、全力でMVPを狙いに行く。テストの点数を底上げしたいからな。だが、颯も同じ状況だ。そうすると一定の割合で損をする人が出てくる。この人たちへの補填をどうするか、一之瀬と神崎の意見を聞きたい。」

 

「……確かに2人とも勝たそうとすると、少なくともその種目の2レースはうちのクラスで運動神経の良い人を配置出来ない。推薦参加種目はさておき、全員参加だと本来の順位より下がってしまう人も出るだろう。」

 

「神崎君の言う通りね。……ちなみに輝くんも柴田君も

、PPは欲しいわよね?」

 

「俺はこだわらない。」

 

「僕も。」

 

「あ、そうなの? なら、みんなの勝って得たポイントと負けた人のポイントを相殺することでどうかな?」

 

「まあ、どのみち誰かが得をして損をする話なら多数決でも取ればいいんじゃない?」

 

「わかった。――じゃあ、今の話に賛成の人!」

 

 まあ、聞くまでもなく全会一致だな。一之瀬の提案に反対する奴なんかいない。

 

 ――残念ながら。

 

 

 

-------------------------------------------

 

乱数生成イベント

9月の活動方針

 

1d6ダイスロールで出た活動を行い、参照する値を+1する

 

 1 : 勉強する→学力

 2 : 他クラスの偵察→知性

 3 : 作戦会議→判断力

 4 : トレーニング→身体能力

 5 : コーチング→協調性

 6 : サボる→ランダムで能力低下

 

ダイス結果:5

 

 結果:協調性 62→63

 

-------------------------------------------

 

 

 

「よし、じゃあ作戦を立てる前に能力測定でみんなの数字を把握するとしよう。」

 

「おっけー!」「了解!」

 

 神崎の説明に皆が賛成の意を表す。

 

 まあ、今更トレーニングをやったところで伸びなんてしれている。むしろチームワークや最良の組み合わせを見つけることが良い結果につながる近道だ。

 俺個人の話でも、最近はスピード、スタミナ、個人技、いずれも伸び悩んでいる。ゴールデンエイジも終わったし、もう上限値に近いんだろうな。

 

 一通りみんなの数値を見たが、やはり俺と颯がワンツーだ。女子はエースの南方こずえちゃん、意外と足の速い一之瀬、平均的な数値が高い安藤紗代ちゃん、平均……ちょっと下な能力のユキ。まあ、分の悪い勝負を避ければ間違いは少ないだろう。

 

 しかし姫野よ、お前のほうが風の抵抗を受けなさそうな体型をしているのに……。南無。

 

「おい、何かムカつく視線を感じたんだけど、何か文句あるの?」

 

「いや、思ったほど運動神経は悪くないんだなと。」

 

「心配しなくてもビリにはならない。……本当にそれだけ?」

 

「そうだとも。何かアドバイス欲しいか?」

 

「いらない。さっさとイインチョのとこでも行けば?」

 

 ……ふぅ、乗り切ったぜ。

 

 ん? 浜口と別府か。

 

「ヒカル!ちょうど良かった、ちょっとでもタイムを縮めたいんだけど、何かいい練習は無いか?」

 

「うーん、普段から大股で歩く意識をしてみたら? 足の遅い人は総じて股関節の可動域が狭い。それに伴って内転筋も発達していないからな。あとは縄跳び。アレはアジリティを上げるのにも体力をつけるのにも適してるぞ。」

 

「へぇ! さすがサッカー部の次期エースだな!」

 

 バカ!そんなこと言うと……あ、颯がこっちを見ている。

 わかった、わかった、次期エースは君でいいから。

 

 アイコンタクトは上手く伝わっただろうか……。アイツ、意外と負けず嫌いで面倒臭いからな。

 

 

 

 

 お、神崎とこずえちゃんが作戦会議をしている。

 

「どう?データは集まった?」

 

「ああ、輝か。まあ、大凡は掴めたな。男子の作戦は俺が、女子の作戦は一之瀬と南方が作る。」

 

「ふうん」

 

「ちなみにお前は一之瀬と男女混合二人三脚に出てもらうからな」

 

「え? 背丈の問題なら紗代ちゃんの方が……」

 

「うるさい!このおたんこなす!」

 

 お、おたんこ……

 

「……まあ、お前は俺たちの作戦に乗っておけ」

 

 お、おう。

 

 何で怒られるんだ? 安藤さんと颯をくっつけよう作戦か? 俺と帆波? ……また色んな人に後ろ指差されそう。

 

 だけど作戦に乗っかって、勝つだけならまだマシだ。俺は桔梗ちゃんとの約束もあるからなあ……。

 

 






お久しぶりです。久々にコメント貰ったので試しに書いたらスイスイ行けちゃったので……

来週が終われば百鬼夜行の方も更新します。
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