Der letze PanzerIV   作:ZK

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相変わらずAiのべりすとで遊んだり、自分の他の小説の外伝考えたり、スランプに陥ったり、漫画執筆に挑戦しようとしていたりしていたので初戦闘です。


練度って大切やな編

「これより私たちは、バストーニュから北上し、敵の側面をついて包囲するわ。これで終わらせるわよ。」

未だ包囲戦時の傷跡が残るバストーニュで、M4A1を駆るウェーブのかかった金髪の米軍士官が言う。

「あぁ。やり返してやろう。」

M4A3E8に乗るベリーショートの戦車兵が言う。

「ペイバックタイムよ!」

そう言って興奮するM4A1(76)Wの車長を落ち着かせつつ、その他の各員も準備を終え、エンジンをふかす。

「出発!」

 

 

その頃、ドイツ軍は追い詰められていた。西部戦線全域に渡って攻勢を仕掛けたドイツ軍は、補給の停滞とかけつける連合軍の増援の到着により押し戻されつつあり、バストーニュから北上する米第3軍と、更に北から南下してくる英第21軍集団により退路を遮断されかけていた。

そしてバストーニュを出発した米第3軍と、バストーニュ攻略を目指し装甲兵力を再編した独第5装甲軍が激突するのは必然といえた。

 

「敵戦車発見!距離200!」

エリカがM4に気付き、シャルロッテは情報と、経験を元に照準する。

「装填完了!」

その間に、敵戦車の報を受け、マリアが徹甲弾を装填する。

エマは車体を敵に対し斜めに向け、実質的な防御力を上げる。

「撃てッ!!」

放たれた砲弾は、斜め前方のM4戦車に命中し爆発した。

「撃破!次!!」

「どーぞ!!」

「左前方!距離300!」

ハンナは機銃で牽制射撃を加え、シャルロッテはその隙に徹甲弾を叩き込む。撃たれたM5A1軽戦車はひとたまりもなく爆散した。

「ヒィィィィハァ!」

シャルロッテが雄叫びを上げ、次の獲物を探す。

 

◇◇◇

一方、米軍戦車長たちも、迫り来るドイツ軍を認識していた。

「パンツァー撃破しました!」

短砲身75mm砲のIII号戦車N型を撃破したM4A1(76)Wの戦車長が報告する。弾薬の誘爆で火柱を噴き上げるそのIII号戦車を横目に、

M4A3E8が、ちょうど木陰から出てきたIV号戦車に砲塔を向ける。

「パンツァーマーク4、撃破。」

76mm砲に貫かれたIV号戦車は、ガクンと動きを止めた。砲弾の炸薬と破片で乗員は即死だろう。

「サンダー4からサンダー1!敵戦車2両発見!援護を!」

僚車からの報告に、M4A1の金髪ウェーブの戦車長が

「わかったわ。小隊Go ahead!」

と応え、M4の隊伍が前進し始めた。

 

◆◆◆

「しまっ・・・!!」

無線から聞こえた友軍の死を告げる声に、エリカは舌打ちをした。

「すっかり戦車戦でも優位性は無い、か。」

シャルロッテがそう言う。

「しょうがないですよ。今や兵の大半は青年組織から引っこ抜いてきたような子供ばかりですし。」

マリアがため息をつく。

「まあ、ね。」

エリカは苦笑すると、ハンナが

「・・・子供まで動員して皆死んでしまったら、私たちは何を守るんですかね?」

と言った。

「そんなこと分かってるわよ。でも、私たちには戦う理由がある。生きてりゃ、戦争に負けたってどうにでもできる。だから、私たちは生き残るよ。」

「・・・そうですね。」

ハンナがそう言って、しばらく沈黙が流れた。

「せめて、この5人で生き残ろう。戦争終わったら、また皆で会おうよ。」

そうエマが言ったその時だった。

「少尉殿!敵戦車発見!2時方向です!」

3号車の通報で、全員が戦闘態勢に戻る。

「確認した。援護するから、無理しないで。徹甲弾装填!」

「了解!」

そう返事が来ると、エリカたちのIV号戦車は砲塔を旋回させる。

「照準良し!」

「装填良し!」

シャルロッテとマリアがそう報告する。

「撃て!」

エリカの号令で放たれた砲弾は、M4の砲身を叩き割った。そしてそれを逃さず、僚車が仕留めた。

「まだここらにいるかもしれない。」

エマがそう言うと、風切り音が聞こえ、光の矢にも似た砲弾が3号車を貫き、弾薬を誘爆させた。

「10時にM4長砲身です!」

ハンナの報告に続いて飛来した2発の砲弾を見て、エマは手近な薮の影にIV号戦車を滑り込ませた。

「これはまずいなぁ。」

エリカが、撃破された3号車をチラリと見て言った。

「この近辺の友軍戦車は先程壊滅。敵は少なくとも3両。そしてこっちを捕捉してる。」

シャルロッテの言葉に、ハンナも同意する。

「この辺り一帯も敵の支配地域になってます。退路も限られるでしょう。」

「どうする?エリカ。あなたについてく。」

エマに言われながら少し考えて、エリカは決断を下した。

「よし。ここで敵を一発殴り返すよ。」

エリカの指示に、他の4人もうなづいた。

「そう来なくちゃ。」

「やってやりましょう!」

「またこうなりますか・・・。まぁ良いですけど。」

「腕の見せ所って感じかしら?」

そうして、5人は、IV号戦車1両で3両のM4を相手取ることを決めた。

 

◆◆◆

「パンツァーがまだいます。動きが良かったので、ベテランでしょう。」

M4A1(76)Wの車長が報告すると、M4A1に乗る隊長は

「そのようね。厄介だわ。」

と呟いて、各員に指示を出す。

「私が仕掛けるわ。他は側面から回り込んで挟撃して。」

「「「了解」」」

そう言い残して、隊長は茂みの中に隠れたM4の隊列から静かに自車を出した。本来、数の利で殴るのは彼女の美学にはそぐわないが、彼女が今までの戦闘で喪った戦友の顔を思い浮かべると、そんなことに拘ってはいられない。

「・・・これはスポーツじゃない、戦争よ。」

彼女はそう言いきかせつつ乗車を前進させた。

 

 

「・・・来たわね。エマ、出るよ。シャルロッテ、射撃用意。」

こちらに近づいてくる気配を感じ取り、エリカはエマとシャルロッテに指示を出して車体を潜ませていた藪から出す。

「距離300。撃て!」

「喰らえ!」

シャルロッテが放った砲弾は、見事にM4の砲塔を直撃した。しかし角度が悪かったのか、相手の防楯と砲身を破壊しただけに終わった。

「あ、徹甲弾が切れました!」

マリアがそう報告すると、エリカが

「残りは!?」

と間髪入れずに問いかける。

「榴弾1、発煙弾・・・」

「じゃあ榴弾装填!どっちか狙いやすい奴の砲を撃って!」

と、マリアの報告を最後まで聞かないまま指示を出す。

「装填完了!って、他のシャーマンの音がします!」

マリアがまたしてもM4のエンジン音を聞き分けて言う。同時にエリカが後方から回り込もうとするだろうと考え、指示を出す。

「車体、砲塔6時方向へ!ケツを掘らせないでよ!」

「了解!」

「撃て!」

M4の砲撃を、車体をフェイントで後進する素振りをして紙一重で避け、シャルロッテの放った砲弾がM4A1(76)Wの砲塔に着弾する。

「まだいるよ・・・!」

「しつこいねぇ・・・!!」エマの報告にエリカが答える。もう徹甲弾も榴弾も残っていない。

「マリア、発煙弾装填。エマとシャルロッテ、少し難しい注文するよ。」

エリカはそう言って、3人に指示を出した。

 

「大丈夫!?」

「えぇ、何とか・・・榴弾だったようです。」

一方、金髪ウェーブの指揮官に被害を問われたM4A1(76)Wの車長は、頭を抱えつつ報告する。76mm砲は榴弾の衝撃でねじ曲がっているが、内部に特段被害は無かったようだ。

「榴弾・・・?奴は徹甲弾を撃ち尽くしたか。」

M4A3E8の砲手は即座に、敵戦車が弾切れだと看破した。

「なるほどね。とはいえ仕留めて。」

「Yes ma’am。」

指揮官の命令に、M4A3E8の砲手はうなづくと、再び射撃体勢に入る。が、弾切れのはずのIV号戦車の砲身もまた、こちらに向いていた。

「なっ・・・!?」

直後、IV号戦車のマズルブレーキが光り、直後車内に衝撃が走る。

「大丈夫か!?」

「生きてるよ。」

「大丈夫・・・。」

とそこで、彼女らは違和感に気付いた。

「・・・!アイツらっ!!・・・やるじゃないか。」

照準器やペリスコープの中の視界は、煙幕で覆い隠されていた。放たれた砲弾は発煙弾だったのだ。

 

 

 

***

 

「ファレーズを思い出すよ、あのチャーチル戦車との戦い。」

シャルロッテが照準器を覗きながら言う。上手く行ったからか、その口角は心做しか上がって見える。

「でもあの後みたいに撃たれるんじゃないよ。」

「分かってますよ。」

エリカの言葉にエマがそう答えながら、ジグザグにIV号戦車を動かす。一応3両のM4は事実上無力化できた訳だが、最後のM4の砲自体はまだ生きているため、油断は出来ない。

「この煙が晴れたら、また撃ってくるかもしれませんね。」

ハンナが無線機で友軍の無線を探りつつ言う。

「そうだね。早く逃げないと、発煙弾も在庫切れです。」

マリアが不安そうに報告する。

そう言った矢先、煙幕の向こうから砲弾が飛来し、至近で爆発する。

「うおっ!?中々近い!」

エリカが少し頭を引っ込めつつ言うと、シャルロッテが

「凄い凄い!中々骨のある相手だよ!」

と興奮気味に返す。

「・・・相手は本気だね。こっちも本気で行こう。」

エリカは真剣な表情で呟くと、マリアが

「あの、砲弾もう無いですけど。」

と言った。

「・・・あぁ、うん。知ってる。」

エリカはそう言うと、

「ちゃんと策はあるよ。とっておきの。」

と続けた。

ゴクリ・・・

とエマ以外の3人が唾を呑む。少しの間もったいつけてエリカは、

「逃げるんだよー!!全速前進!!」

と叫んだ。

「「「えぇ・・・」」」

「やっぱりそうだと思った。とっくに全速だよ。」

と、エマが呆れたように言う。

「発煙弾ももう無いですし、煙幕もきれますよ。」

とマリアが言うが、エリカはキューポラから後ろを見張りながら

「大丈夫、エマとこの子を信じよう。」

とIV号戦車をトントンと叩く。

直後、エマがIV号戦車を急に右へ方向転換させる。途端に砲弾が左を掠めていく。

「ひゃあっ!?」

「危なかった・・・!」

「よく分かったねぇ。」

「・・・何でそんなこと分かるんですか?」

ハンナの問いに、

「勘。」

と、あっさりエマは答える。

「えぇ・・・」

「ま、本当は前見たM4の残骸を調べて、どれくらいで装填、照準ができるかとか考えてみたりしたの。」

「えぇ・・・」

「あ、そろそろ煙幕切れる。」

シャルロッテがそう言うと同時に煙幕が晴れ、M4A3E8の砲門がこちらに向けられているのが見えた。

「来るッ!!」

エリカが叫ぶ。

「それっ!!」

とエマが阿吽の呼吸で回避させる。直後、砲弾が砲塔のシュルツェンの一部を弾き飛ばした。

「今のは危なかった!!」

マリアが冷や汗を流しながら言う。

「このままじゃヤバいから、煙幕使おう。」

エリカが言った煙幕とは、砲弾の発煙弾では無く、車体後方にある煙幕弾投射機のことだ。後ろに転がす形式な為、このように撤退する時にはこの上なく便利なのだ。

コロコロと煙幕弾が後方に転がり、煙幕を発生させる。

これで少しの間は時間を稼げるだろう。

「さて、あちらさんはどうするかね・・・」

エリカは煙幕の中を見つめながら言った。

 

 

 

「煙幕です。が、砲弾は残っていないでしょう。追撃しますか?」

M4A3E8の砲手は念の為指示を仰いだ。そして彼女の予想通り、指揮官は

「・・・やめておくわ。」

と答えた。

「良いんですか?敵は徹甲弾を撃ち尽くしています。仕留めるなら今ですが・・・」

M4A1(76)Wの車長が問うが、指揮官の判断は変わらない。

「わざわざ仕留めに追いかける必要は無いわ。」

「・・・了解。」

彼女は納得した様子ではなかったが、とりあえずは引き下がったようだ。

「・・・それにしても、あのマーク4、中々の手練だった。まだあんな奴らが残ってるんだな。」

M4A3E8の砲手はそう呟き、照準器から目を離して、後ろの戦友の胸にもたれかかった。

 

 

こうして、後に『バルジの戦い』と呼ばれることになるドイツ軍の最後で最大の反攻作戦は失敗と終わった。

またしても小隊壊滅と同時に、それに伴い友軍からはぐれたエリカ達は、ヤーボの空襲と燃料不足と格闘しながら、ひたすらドイツを目指した。

幸いだったのは、彼女らが友軍と出会ったのはそれから数日後の範囲ですんだことだった。

 




バルジの戦い編、完!
もう1945年、エリカ少尉たちは引き続き西部戦線でヤーボとヤンキーたちと戦うのか、はたまた東部戦線で赤い津波と戦うのか。彼女らの明日はどっちだ?
あと、作戦前にパンツァーリートかエーリカを唄うシーン入れてないやんけ(呆れ)と気付きました。今後の作戦計画書(プロット)に加えいれておきます。
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