Der letze PanzerIV   作:ZK

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何だか色んなものに追われててとても久しぶりなので初戦闘です。


戦車対戦闘機 編

アルデンヌでの反撃作戦は、一定の効果は上げつつも失敗した。天候が回復したことで再びヤーボの活動が活発になり敵の制空権下で残存兵力が抵抗を続けている。

しかし西部戦線もさることながら、東部戦線でもソ連赤軍の反攻がなされてワルシャワが陥落。東西連合軍がドイツ本国内へ侵攻していた。

アルデンヌで壊滅した中隊唯一の稼働可能状態であったエリカ達はその頃起こった反転攻勢により蹴散らされた東部戦線の穴埋めとしてノルマンディーからの愛車のIV号戦車と共に鉄路にて輸送されていた。

 

 

「こんな真昼間に動くなんて勘弁して欲しいわ。」

窓の外を眺めながらエリカが不機嫌そうに呟く。

「アルデンヌでは隠密での輸送だったみたいだけど本来昼間でも列車は動くからね。」

近くに座っているエマがそう返してレーションを開けてエリカに手渡す。

「IV号戦車1両、されど1両。早く前線に運びたいということでしょうか?」

ハンナが不安そうに碧空を見上げながら言う。ノルマンディーやアルデンヌで、一行は航空機の脅威はよく理解していた。

「まぁ、いざとなったらIV号戦車に乗り込めば、機銃掃射は凌げるでしょう。」

そうマリアが自分を落ち着かせる様に言うものの、対地にやってくる航空機はロケットや爆弾でも武装している為気休めでしか無い。

「まぁ、生身よりは良いわね。・・・そういえばシャルロッテは?」

「あぁ、さっき風を浴びるって言ってIV号戦車載せてる台車に行きましたよ。」

エリカの問いにマリアがそう答える。

「・・・じゃ、私たちもIV号戦車に乗ってようか。」

そうエリカが言うと、全員が首を縦に振って動き出した。全員、何か起こるということは今まで培った経験が教えていた。

 

この列車前から、汽車、物品の入った貨車、エリカたちとIV号戦車の台車、最後尾に20mm対空砲を載せた台車といった編成であった。

「あれ、皆も風を浴びに?」

IV号戦車を載せている台車までやって来たエリカたちに気付いたシャルロッテがそう問いかける。が、

「敵機だー!!」

エリカたちが答えるより前に、対空砲員が叫んだ。見ればP-51が2機、明らかにこちらに攻撃する気マンマンで向かって来ているのが見えた。

「!!」

エリカ達は一言も発さないまま全員が即座にIV号戦車に乗車すると、列車の20mm対空砲が射撃を始めた。

 

「砲塔回せる?」

「砲塔じゃ旋回追いつかない。」

「じゃ同軸機銃外して。あと車体機銃も!」

エリカとシャルロッテのそうやり取りが終わらない間にエマ、マリア、ハンナの3人がIV号戦車から機銃を外し始める。

「この後どうせ補給を受けるだろうし、残弾数は気にしないで良いよ!」

エリカはそう言いながら砲塔キューポラに据えてあるMG34で応戦の準備をする。間もなくシャルロッテとマリアが外した同軸機銃、エマとハンナが外した車体機銃をそれぞれシャルロッテとハンナが射手、マリアとエマが補佐する形でそれぞれ用意を整える。

「ちょっと引き付けてから撃つよ。」

7.92mmのMG34機銃では20mmFlak38機関砲より圧倒的に威力は劣るが、仮にも鉛玉であるため、敵機のラジエーターにでも当たれば損傷は避けられないはずだ。

 

「来る!来る!!」

対空砲弾をかいくぐった敵機が低空に降りてきて、機銃掃射の態勢を取り、それをマリアが実況する。

「撃てーっ!!」

エリカがそう言うと、計3丁のMG34がそれぞれ弾丸を撒き散らす。敵機はいきなり追加で射撃を受けたことで少し身動ぎしたが、M2ブローニング機銃で列車を掃射する。

「うおっ!!」

「・・・!?」

「きゃっ!?」

幸い回避行動を取らせた為、車内に引っ込むことができたエリカとシャルロッテ、ハンナはなんとか機銃弾を受けずに済んだ。マリアとエマは車内に退避済みであった。

1機目の回避の数秒後に、2機目がそのまま機銃掃射を行い、列車やIV号戦車の装甲に当たった12.7mm弾が火花を散らす。

「うおおおっ!?」

「わわわわっ!?」

「~ッ!!」

装甲板にバカスカ弾丸を叩きつけられるというのは心地よいものでは決して無い。貫通しないことが分かっていたとしてもだ。

 

しかし装甲のおかげで掃射の被害を受けなかったエリカ達は、互いの安全を確認し、続いて周囲の様子を確認する。

「撃てー!」

掃射の邪魔をしたことで間一髪機銃掃射を免れた対空砲員達が射撃を再開する。すると一発が敵機の至近で爆発し、ラジエーターに損傷を与えた様で、1機が冷却液を漏らしながら遁走に移った。が、それに気を盗られていると1機目が機関車に機銃掃射を加え、ボイラーを破壊して爆散させてしまった。

2機はそのまま編隊を組み直し、帰っていった。

 

「い、生き残った・・・。」

これで爆撃が来たら間違いなく死であったが、敵機は爆撃機護衛の帰りだった様だ。たまに護衛機がそこらのインフラや列車に機銃掃射をしていくのはよくあることであった。

「機関車吹っ飛んじゃったけど、どうする?」

エマがそう尋ねると、エリカはしばらく考えて

「・・・とりあえず報告しようか。」

と言った。

結局、時間が惜しいから自走してこい、と言われたため、対空砲員も巻き込んで無理やり貨車からⅣ号戦車を降ろして次の駅まで自走するはめとなった。




という訳で一行は東部戦線送りです。彼女らはどうなるのか・・・と言った所です。
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