「・・・行きましたわね。」
一方、十字路へ去っていく、エリカ達のIV号戦車を、チャーチル戦車の車体の下で窺う英国淑女は言った。
「はい、おそらく十字路へ向かうかと。」
と答える装填手。
「よろしいですわ。通報はしておいたから、多数の友軍が待ち受けることでしょう。」
英国淑女は、あのIV号戦車が多数の対戦車砲や戦車駆逐車に蜂の巣にされる姿を想像したが、現実はそうは上手くいかなかった。
「はい、報告ですと4両の内1両を撃破、その後、計3両撃破との報告が来ました。」
「えーと、つまり、全滅だな!ヨシ!」
そう、通報をした奴と受け取った奴との連絡に齟齬があったのだ。一応名誉の為に言っておくと、現在十字路は、ファレーズポケットを塞がんとする英軍の渋滞が起きて、交通整理に忙しかったのである。
つまり、エリカ達のIV号戦車はその渋滞中の十字路に突っ込んだ訳である。
「さぁ、行くよ皆。」
エリカはそう言って、キューポラから半身を乗り出して前方を見る。
「了解。」
4人が応える。
「エマ、とにかく動き回って敵に狙いを絞らせないで。」
「わかった。」
「シャルロッテ、敵が撃ってきたら反撃お願い。」
「任せて。」
「ハンナちゃんは・・・」
「わかってます。私は機銃を撃ちつつ、別命まで待機します。」
エリカは一呼吸置くと、
「それでは、戦闘開始!」
と言って、エンジンをかけた。
エンジンがかかり、前進を始めたIV号戦車はボカージュを踏み倒し、英軍の車列の横っ腹をつく形となった。
「敵戦車だ!」
「応戦しろ!!」
ボカージュからの突然の奇襲に混乱した英軍戦車は、慌てて砲塔を向ける。しかし、
「遅いよ!!」
と叫びながら、シャルロッテが撃鉄を落とした。砲弾は、見事にシャーマン ファイアフライの側面装甲を捉え、大爆発を起こした。
「よし、シャルロッテは長砲身の奴を優先的に、エマは回避優先、ハンナは歩兵を蹴散らして。マリアは、頑張って!」
「了解。」
「了解!」
「わかりました!」
「・・・え?」
4人は返事をして、それぞれ行動を開始する。
「目標、シャーマン長砲身!撃て!」
シャルロッテが叫ぶと同時に発砲する。その砲弾は吸い込まれるように側面に命中し、
「撃破確認。」
とハンナが言う。
「次、またシャーマン長砲身!照準合わせて!」
シャルロッテの言葉に、ハンナが素早く反応し、照準器を覗く。
「今だ、撃て!」
放たれた徹甲弾は、見事ファイアフライの正面装甲を貫く。
「やった、撃破したぞ!」
「まだ、気を抜いちゃだめですよ。」
喜ぶ4人にマリアが言う。確かにそうだ。敵はまだ残っている。
「次の目標は・・・」
エリカがそう言いかけると、歩兵の1人が梱包爆薬を持っているのが見えた。
「敵工兵!」
気付いたハンナがそう報告しつつ車体機銃を放つも、ちょうど弾切れを起こしてしまった。
「正面に敵兵!弾切れですッ!」
「後進!!」
エリカはそう言って、ハッチから身を乗り出して拳銃を抜いた。
敵工兵が梱包爆薬を投げる体勢に入る。
エリカと工兵の目が合う。
しかし一瞬工兵の方が早く、撃たれると同時に梱包爆薬が投擲された。
「きゃっ!?」
幸いにも手前に落ちた梱包爆薬は数多の破片を周りに吐き出し、IV号戦車の正面を叩いた。貫通したものは無いが、IV号戦車の中は衝撃と爆音に包まれた。
「エマー!?」
「い、生きてるよぉ!」
「ハンナー!?」
「だ、大丈夫です!」
「シャルロッテー!?」
「大丈夫!」
「マリアー!?」
「問題ありません!」
全員の無事が確認できると、IV号戦車は再び前進を始めた。機銃弾や徹甲弾、榴弾を四方八方に撃ち放ち十字路を確保した。
IV号戦車の他には、そこかしこに6ポンド砲やユニバーサルキャリア、ダイムラー偵察車の残骸が残り、2両のファイアフライも撃破していた。
「どうしようか、これ。」
と、IV号戦車を降りたエリカが呟く。
「とりあえず、放置しておけば良いんじゃないでしょうか?いずれ土に還りますよ。」
と、ハンナが言った。
「そっか。じゃあ放置で。」
エリカがそう言うと、全員が同意した。
そして、十字路の先へとファレーズポケットを閉じに向かった英軍は、退路を遮断されかけていることに気付いた。
「!?全車反転!部隊集結後、来た道を戻って十字路を奪回する!敵は後ろだ!」
指揮官の指示で、ファレーズ・ポケットを塞がんと前進していた英軍の先遣隊は逆に包囲される恐れありと判断し、十字路の奪回へ動き始めた。
一方エリカ達はというと、十字路の確保に成功した後、ありったけの偽装を自車に施した後、すぐそばの無事だった家屋を訪れていた。住民は既に避難したようだった。
「さて、これからどうするかだけど・・・」
と、エリカが言う。
「友軍が来れるかはともかく、まずは生きてここを確保するべきだよ。」
とエマが言う。
「その通りだと思います。友軍の為にもあのチャーチル戦車を撃破したんですもんね。」
とハンナも続ける。
「うぅん、でもこのままだと、私たちがここにいる事がばれてしまうかも知れませんよ?」
と、マリアが不安げな顔で言う。
「それは・・・」
「まぁ、その時はその時だよ。」
ハンナの言葉を遮って、シャルロッテがそう言った。
「うん、私もそう思う。」
エマも続けて言う。
「違いない、戦車はなんだってできる!それに北アフリカ戦の生き残りが3人もいるんだ!」
と、エリカが言う。
「・・・分かりました。みんながそれでいいなら、私はもう何も言いません。」
マリアが苦笑いを浮かべながら言う。
「よし!そうと決まれば善は急げ!行動開始だ!」
「善・・・?」
こうして、彼女たちの戦いは続く。
「でもやっぱその前に休憩!」
続く・・・のか?
もう少し上手い戦闘描写増やせるように頑張ります。
ガルパン要素・・・
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少ない。もっと絡めるべきだ。
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無いが、そのままでも良い。
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著者のおまかせで。