Der letze PanzerIV   作:ZK

8 / 14
2022年内に滑りこもうとおもったけど計画が2転3転した挙句、War Thunder始めたせいで手につかなかったので初戦闘です。
(なお視力検査と位置取りで負けてボコボコにされてる模様)


死の森 前編

ファレーズでの戦闘から数ヶ月経った。

 

「なんでわざわざこんな森まで・・・?」

 

と、不満げな声でそう言うのは、左腕に破片を受けたエリカの代わりに車長となったエマだ。

 

「そりゃ、本国侵入を防ぐ為では?」

 

今や操縦手に配置が変わったマリアが答える。

 

「なんか薄気味悪いですね・・・。」

 

無線に関しては今のIV号戦車内では1番だったことから、3人の中で唯一役割が変わらなかったハンナが呟く。

 

彼女らがいるのはヒュルトゲンの森。ドイツ本国への侵攻を図る連合軍に対抗するべく、増派されてきていた。

 

「まぁね。」

 

と、エマは同意する。

 

「頼むよ新兵ちゃん達。」

 

と、運転席のマリアは言う。新たな砲手と装填手は新兵で補われている。

 

「は、はい!」

 

と、新兵達は返事をした。が、緊張は解けないようだ。

 

 

 

「味方部隊が反撃を行う。第3小隊は援護しろ。」

 

無線から聞こえてきた命令に、ハンナは慣れた手つきで応答する。

 

「了解です。」

 

新兵達は、戦闘の予感に、尚更顔を引き攣らせるのだった。

 

 

 

「敵歩兵多数!」

 

とハンナが叫ぶ。木々の間を縫うように這う道を進んでいたが、突然、茂みの向こう側から、銃撃音が鳴り響いたのだ。

 

「前進!歩兵隊の盾になる。」

 

エマに言われるとマリアがアクセルを強くいれる。履帯が朽木を踏み潰して乗り越える音が聞こえる。

 

「こちら2号車!敵の攻撃を受けている!」

 

と、エマからの無線が響く。その間銃弾は車体を叩く。どうやら敵の火力は思ったより強いらしい。

 

「大丈夫なんですか!?」

 

と装填手が狼狽えるが、

 

「相手は小火器だ。あんな豆鉄砲じゃ撃ち抜けないさ。」

 

とマリアが返した。実際、数発当たろうとも、まだ装甲を貫通していない。

 

「そうだといいんですけど・・・。」

 

「心配性だねぇ君は。ほら前見なさい。もうすぐ接敵だよ。」

 

前方を見ると、数名の兵士が見えた。

 

「砲塔1時方向の機関銃巣、距離100。榴弾装填。」

 

エマがそう指示すると、装填手が動き、いつでも撃てるようになった。

 

「撃て!」

 

エマがそう言うが、砲弾は放たれない。よく見れば、砲手はガクガク震えながら固まっている。

 

「どうした!?」

 

とマリアが尋ねると、

 

「こ、怖い・・・怖いんです。」

 

と砲手は答えた。その瞬間、敵の兵士の1人が、少し大きな筒をこちらに向けてきた。

 

「敵対戦車猟兵!撃て!!」

 

エマが焦りを見せるが、砲手はまだ震えたままだ。

 

「ハンナ!」

 

「私が撃ちます!」

 

マリアの叫びとハンナの応答から1秒と経たずに車体機銃が掃射され、敵の対戦車猟兵は地面に倒れ伏した。

 

「目標、沈黙。」

 

ホッとしたようにハンナが報告すると、砲手に向かって

 

「仕事しろ!」

 

とマリアが怒鳴る。砲手は慌てて

 

「ご、ごめんなさい。ひ、人を撃つのが、こ、怖くて・・・。」

 

と言った。エマは黙り込んだ。

 

 

 

森の中の連合軍を蹴散らしながら進み、目標地点を確保した一行は一時野営することとなった。

 

「・・・・・・。」

 

無言で夕飯を食べていたハンナに、

 

「あのさ、私、話したいことあるんだけどいいかな?」

 

とエマが言った。

 

「良いですよ。私で良ければ。」

 

とハンナも返した。

 

「ありがとう。・・・新しい砲手の子。今日の反応が普通なんだろうね。」

 

「・・・と言うと?」

 

そう首を傾げたハンナの元に、マリアもやってきた。

 

「なんの話ですか?」

 

「分かったよ。マリアにも話す。」

 

そう言ったエマは、まず自分の話をすることにした。

 

「私の親は労働者で、呑んだくれだったんだよね。家にはいないしいたら酒臭いし暴走するし。」

 

そう語り始めたエマに、2人は静かに耳を傾けた。

 

「そんな私の面倒を見てくれたのはエリカの家族でさ。優しい人達だったんだよ。でも、ある時から周りの友人達が軍に入隊したんだ。もちろんエリカも。」

 

そう言ってエマは俯きながら話を続ける。

 

「しばらくしたら、戦争が始まって、エリカと共に入隊した友人達が負傷したり、紙になって帰ってくるようになったの。とても心配になった。エリカが、死んでいるかもと考えるとね。」

 

「えっと、そのエリカさんはあのエリカ少尉のことですか?」

 

ハンナがきくと、

 

「・・・他にいるかしら?まぁ、そうだけど。」

 

と、エマは答える。

 

「それでね、ある日決心したの。私もエリカと同じところに立つんだって。」

 

「同じ場所に行くために、戦車兵に志願したんですか?」

 

「うん。幸いなことに成績は良かったからね。ただ、エリカが士官だったのは想定外だったけど。」

 

ハンナと問いにそう返したエマは、『AFRIKA』と書かれた袖章を見せた。

 

「北アフリカでの従軍の証ですね。」

 

マリアが言うとエマはうなづいた。

 

「エリカと初めて会えた。その時シャルロッテも一緒になったな。」

 

そう懐かしむエマに、ハンナは何の話がしたいのかわからなくなってきていた。

 

「それでね、初陣が終わった後、皆震えてた。私やシャルロッテ、エリカだって例外じゃなく。『殺した』というのが怖かった。」

 

エマは一呼吸おいて続けた。

 

「だから、今日あの砲手の子が躊躇ったのも、仕方ないことなのかもね。」

 

その言葉にハンナは何も返すことができなかった。




シャルロッテとエリカのキャラはなんとなく頭の中で安定していたのでハンナ達3人の登場にしました。
(キャラがブレたりしないとは言ってない)
新人ちゃんさん2人に関しては、ハンナの初期案を元にしました。

ガルパン要素・・・

  • 少ない。もっと絡めるべきだ。
  • 無いが、そのままでも良い。
  • 著者のおまかせで。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。