『ふぅ……』
何とかなったわねー。
……やぁ、僕だよ。前回蜂の巣にされながらも、どうにか回復したガブラスだよ。
いやー、シュレイドが居てくれて助かったね。何も言わずとも回復薬Gを振り掛けてくれるなんて、偉いネェ~。後でこんがり肉Pを作ってあげよう。
それにしても……ヴリア・トラスナーガ、だったか?
こいつ、僕が何かする前に気絶しやがった。ガブラスを目の敵にしてる癖に、情けない奴だな。
いや、逆に考えるんだ、「実はガブラスが怖くて仕方ないんだ」ってね。
たぶん、こいつは過去にガブラスから痛い目に遭わされたに違いない。眼帯の下は空洞の眼孔しかないようだし、おそらくは生きたまま目玉を抉り出されたのだろう。そりゃあトラウマにもなるし、執拗に攻撃したくなるのも頷ける。
まぁ、だからと言って、同情してやる義理は欠片もないけどね。2度も開幕散弾攻撃をしてくるような奴に慈悲は無い。しっかりと利用させて貰おう。グチャグチャの泣き顔も見れたから、割と満足してるし。
とりあえず、ネルスキュラの糸で縛り上げて、動けないようにしておく。「深黒林」にはゲリョスがそこそこ居るから、ネルスキュラも生息してるんだよねー。おかげで良質な縫糸が手に入り易い。気持ち悪いけど。
――――――で、この脳内ガブラスな女は、いーとー巻き巻きしておけばいいとして、
「……大丈夫?」
『きゅー』
問題はアイルとの関係だな。
さっきは勝手にやれと言ったけど、ちょっと状況が変わってきた。ここまで露骨に追撃されるとなると、ただ逃げるのも芸がないだろう。ムカつくし。
僕の望みは植物の心のように平穏な生活で、追ってくる者を気にして背後に怯えたり、穏やかでも安心も出来ない人生を送るのは真っ平だ。「勝ち負け」に拘ったり頭を抱えるような「トラブル」を作らない――――――というのが僕のスタンスで、それが自分の幸福だという事を知っている。
だが、潜伏先がバレて、何時までも何処までも追ってくると言うのなら、戦わねばならない。今日も安心して熟視する為に。
『うきゅきゅー!』
「……手、貸してくれるの?」
『きゅきゅきゃーっ!』
だから、気が変わった。そっちがギルドナイトとしての職権を乱用してくるというのなら、こちらも相応の遣り方で対抗してやろう。それも徹底的にね。
覚悟しろよ、ベッキー。お前は僕を怒らせた。放置していれば見逃してやったものを、わざわざ押し縋ってまで敵対すると言うのならば、もう容赦はしない。たった1つのシンプルな答えである。
「――――――アルメリア、大丈夫か!?」
「坊ちゃま、落ち着いて下さい!」「どちらかと言うと、坊ちゃまの方が危険ですから!」
と、丁度良く役者も揃ったな。アイルを心配して、こんな朝日の差し込む中で駆け付けるとは、見た目に反して漢じゃないのよ、エメス・インフニティア。
『くきゅきゅきゅきゅ……!』
「……凄く悪い顔、してるね」
さぁ、良からぬ事を始めようかぁ!
◆ベクター
「遊☆戯☆王 ZEXAL」に登場する、良からぬ事が大好きなバリアン七皇の1人。人をおちょくり苦しめるのが趣味な糞野郎で、自己満足する為なら友情ごっこも厭わない、真なるゲス。決め台詞は「良からぬ事を始めようかぁ!」。
生前は争い事が大嫌いな良い子ちゃんだったのだが、両親とのいざこざで心が壊れ、その後にドン・サウザンドの甘言に乗ってしまった事により、どうしようもない外道と化した。その為、洗脳が解けようが記憶が戻ろうが悪党のままだったが、流石に菩薩メンタルな遊馬先生には根負けした模様。