翼を下さい   作:ディヴァ子

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◆アトラファルク(作者のオリジナルモンスター)

 「カムラ三部作」に登場する、バルファルクの超特異個体。異名は「衰星龍」。龍氣に塗れた鱗を打ち込んだ相手を「奇しき赫耀のバルファルク」に改造してしまう能力を持つ。
 必殺技は、天高く舞い上がった後、龍鱗を雨霰と巻きながら突っ込んで来る「天魔開焉星」。

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ディヴァ子:「実際にやられたら困るけど、こんなん二次創作でしか出ないでしょ(笑)」
傀異克服バルファルク&カ○コン:「せやろ?」
ディヴァ子:「マジでやる奴があるか……ぐわばぁっ!?」←6乙した末に漸く勝てた。

 ……そりゃないよ、カプ○ンさん。


閑話:絶対なんて事は

「………………」

 

 インフニティア邸の執務室にて、たった一瞬で全てを終わらせたアイル・パーカーは、最早動く事のないカイン・インフニティアを見下ろしながら、無言を貫いていた。

 あまりにも呆気ない最期。「息子を頼む」という末期の言葉。

 そんな事を聞きたかった訳では無かったのだが、今更どうしようもない。彼女の復讐は終わってしまったのだから。

 

「……お、終わったのか?」

 

 すると、執務室のドアを開けて、ヴリア・トラスナーガがひょっこりと顔を覗かせた。向こうの始末も終わったのだろう。本当に良くやってくれた、とアイルは思った。

 

 

 ――――――ガキィン!

 

 

「……ええ、だから次はあなたよ、何処かの誰かさん(・・・・・・・・)

「へぇ、少しは頭が回るようね。勘も鋭い」

 

 だから、褒美に死をやろうと、ヴリアの皮を被ったナニカと刃を交えた。

 

「……ヒプノックの片手剣か」

「ご名答。「ヒプノ=エクスマキナ」って言うの。良い武器でしょ?」

 

 彼女が持っているのは、ヒプノックを素材にした睡眠属性の片手剣「ヒプノ=エクスマキナ」。片手剣にしては長めのリーチと高い睡眠属性と併せ持っており、少しでも斬り傷を付けられれば、昏睡は免れない。

 

「それじゃあ、早速だけど眠ってくれる? そろそろガブラスの方も終わってるだろうし、さっさと済ませたいのよ」

「……そうはいかない!」

 

 一閃、二打、三斬。モンスターの時とは違う、人間を相手にした鋭く細かい剣戟が交わり、火花を散らす。パワーでは明らかにアイルが勝っているものの、僅かな傷も許されない彼女は手数を稼ぎにくく、逆にヴリア擬きは多少雑でも連打さえしてさえいれば良い為、明らかにアイルの方が不利だ。

 

「所詮は力任せね」

「あっ……!」

 

 結局、ヴリア・フェイクの連打に押され、とうとうアイルは手傷を負ってしまった。瞬時に意識が微睡み、膝がガックリ折れ、

 

「―――――はっ!」

「………………ッ!」

 

 無かった。そう見せ掛けて、凄まじいアッパーを繰り出した。残念ながら防がれてしまったが、追撃を許さずに済んだのは大きい。

 

「【睡眠耐性】か」

「……ご名答」

 

 そう、「毒も麻痺も使った以上、次は必ず睡眠で意表を突いてくる」というガブラスの助言で、アイルは【睡眠耐性】をフルMAXで発動していたのである。奇襲には失敗したが、これで怖いものなしだ。

 

「流石はガブラス。……でも甘い」

 

 だが、偽ヴリアは慌てず騒がず、こっそりと何かを床に叩き付けた。青白い色を粒子物質が部屋中に充満する。

 

「えっ……?」

 

 すると、あっと言う間もなく、アイルがガックリと崩れ落ちた。完全に眠ってしまっている。

 

「いやぁ、念の為に用意しておいて良かったわ。最近エルガドで話題の「昏睡玉」よ。「毒煙玉」みたいにぶち撒けるだけで効果がある上に、【睡眠耐性】でも防ぎ切れない。事前に口の中に「元気ドリンコ」でも仕込んでない限りね。まったく、こんな物を作っちゃうイカレた奴には、是非お目通り願いたい物だわ。……って、聞こえちゃいないか」

 

 そして、無防備となった彼女の顔を剥ぎ取ろうと、嘘っ八ヴリアが乱暴に髪を掴み上げる。

 

 

 ――――――ボガァアアアアアン!

 

 

 その瞬間、執務室に爆音が鳴り響いた。

 

「ぶげぁっ!?」

「……甘いのは、そっち」

 

 渾身の狸寝入り(・・・・・・・)をしていたアイルが、ヴリア(笑)をコークスクリューで殴り飛ばしたのである。

 

「ぎ、ぎざま、何故――――――」

「知ってどうするのさ、負け犬。……オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラォ!」

「ぐげぇあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」

 

 さらに、容赦のない爆裂パンチの連打がエセヴリアを襲う。1発1発が爆発を伴う神の拳が1つ残らず叩き込まれ、壁を突き抜け、窓をぶち壊し、中庭へボッシュートされる。燃えるゴミは月・水・金。

 

「ぢぐじょぉ……絶対、許ざねぇ……っ!」

 

 それでもボロヴリアは生きていた。見るも無残な有様だが、凄まじい生命力と止めどない殺意により、満身創痍の身体を起き上らせる。

 しかし、それも終わりだ。

 

それはこっちの台詞だ(うきゅいっきゅきゅい)

「ぐがっ……!?」

 

 何故なら、全てを予想していた(・・・・・・・・・)アルビノ・ガブラスが、止めの一突きを放ったからである。

 

「嘘……こんなの、嫌だ……」

 

 そして、最早誰でもない女は、双眸から血の涙を流しながら、力なくドサリと倒れた。

 もちろん、誰も何とも思わなかった。




◆昏睡玉

 最近エルガドで開発された煙玉系のアイテム。毒煙玉のようにボフンと使うだけで効果があり、【睡眠耐性】すら貫通する威力を持つが、モンスターには数発当てないと効果がない為、罠で動きを封じたり、ダウンしている時にしか上手く使えない。開発者の名前は「エンピール・M・トーマス」。
 ベッキーやヴリアだった“彼女”は、ギルドナイトの権限で無理矢理入手していた。
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