※つまり後で殺す予定がありマス。
「………………」
はい、こんにちは。巡り巡って、今はベッキーになっている、ワタシだよ。
……うん、本当に、何なのよ、これは。目が覚めたらあのガブラスやその他が居て、ワタシにとんでもない事を仕出かしてくれた。
ちょっと、皆聞いて頂戴よ~。
実はね、ワタシ、あいつの奴隷に為っちゃったのよ。性的な意味じゃなくて、マジモンの奴隷にねえ。
――――――と言うのも、気絶している間に心臓を抉り出されて、毒袋にされちゃったんだよね。それもガブラスの血清を打ち込まないと短時間で死んじゃう、超危険な奴。
作り方としては、
①ワタシの寝込みを襲って心臓を摘出します。
②買い叩いた「古龍の大宝玉」と剥ぎ取った「劇烈毒袋」を用意します。
③それらを癒着用の回復薬によって融合させます。
④最後にワタシへ心臓を捧げ直して、完了!
ついでにワタシの自由も完了。ふざけやがってぇ!
使用された「古龍の大宝玉」は同じ古龍から得た物らしく、宝玉同士が共鳴するようで、どんなにワタシが耐性を上げようと、ほぼ同様の手術(「劇烈毒袋」のみ未使用)を行ったアルビノ・ガブラス無しでは生きられない身体になってしまった。あいつの血清だけが、ワタシを生かす鍵となっているのだ。
つまり、要約するとこんな感じである。
①ワタシの心臓が猛毒の血液を循環させる(死に至る時間:約3分)。
②そのままだと死ぬのでアイツの血清によって解毒状態にする(効果時間:約6~12時間)。
③時間が経つと元の木阿弥になるから再び血清をお願いする(土下座&懇願時間:約2分半)。
酷い、酷過ぎる。これが人間の遣る事か。ガブラスだけど。クソッ、こんな化け物に商品を売り渡すなんて、絶対に許さんぞ「エルメロンド商会」!
……とまぁ、こんな感じで、ワタシはガブラスの支配下に置かれてしまった。来る日も来る日もあいつの世話をして、「この哀れでどうしようもないゴミ屑に僅かばかりの慈悲を」と地面に頭を擦り付け、どうにかこうにか活かして貰っている訳だ。
嗚呼、死にたい、けど死ねない。死ぬまでの時間は短いが、このワタシの耐性でも抗えない、この世の地獄のような苦痛を味わう事に為る。
しかも、その間に少しでも血清を入れれば致死時間が伸びてしまうので、何時までもガブラスの前で苦しみのた打ち回る破目になるのである。ついでに生命力が高過ぎるせいで、そもそも自殺が出来ない。何て酷い悪夢だ……。
「ただいま~、ドリスちゃん」
「おかえり、ベッキー」
唯一の救いは、ドリスちゃんの世話役を命じられた事だろう。
そう、信じ難い事にドリスちゃんは生きていたのである。ガブラス曰く「偽ベッキーを斃した時点で残る中身がベッキーだと分かっていたから“心臓に穴を開けた”というショックで気絶させるだけに留めた」のだとか。
ただし、アイルの爆裂パンチで全身が滅茶苦茶になってしまい、ヴリアの面皮も使用不可能になったので、ワタシ⇒ドリスちゃん⇒アリス(死体)と顔を入れ替えて、「ヴリアは事故死のまま」で「ドリスはガブラスの群れに襲われた為、大好き(ギルド公認)なベッキーの下で療養」という形となり、アリス顔のヴリアは「ドリスの抜けた穴としてインフニティア家が紹介した逸材」としてミナガルデへ送り込まれる手筈となっている。
まさに、何もかもガブラスの思い通り。本当に最悪の話だ。
だけど、ドリスちゃんの世話は最高よ?
何か殴られた影響で洗脳が解ける処かここ最近の記憶まで吹っ飛んでしまっていて、今まで通りワタシが大好きで仕方ないドリスちゃんになっちゃったからね。暫くはベッドから起き上がれないし、回復したとしても元のように歩けるかは分からないらしい。
むしろ、あんだけ殴られて、よく全身不随にならなかったね、ドリスちゃん……。
とりま、そういう訳で、ドリスちゃんの生活全般をワタシが管理している。ガブラスとエメスが面白半分に開発した「エアマット」なる謎袋のおかげで多少は放って置いても大丈夫だが、数時間おきに体位を整えなければ床擦れになり、褥瘡が出来てしまう。そもそも、ご飯も入浴も下の世話も完璧に全介助なので、ワタシなしでは数日と持たない。
だから、今夜もワタシ、頑張るんだ~♪
「さぁ、ご飯も済んだし、ちょっと運動しようか♪」
「そうね、ウフフフ……」
※この後、滅茶苦茶に有酸素運動した。
「はぁん……♪」
ガブラスの奴隷は嫌だけど、こんな性活も楽しいな~♪
◆ベッキー&ドリス
結局お互いを追い掛ける形でヴェルドに移住した百合百合なメイドコンビ。その性活ぶりは近所でも有名であり、「まぁそうなるよね」で済まされた。日頃の行いって大事。
ちなみに、ガブラスとしては何処かで使い潰す予定でいる模様。