「病める時も健やかなる時も、互いを支え合い、愛する事を誓いますか?」
「「誓います」」
「「きゃ~ん♪ 素敵ですわよ、お2人共~♪」」
こうして、アイル・パーカー改めアルメリア・タマリスクとエメス・インフニティアは結婚し、幸せに暮らすのでありました。めでたしめでたし。
……と、やぁ、僕だよ。元村人のアルビノなガブラスだよ。
そして、見ての通りアルメリアとエメスは結婚成されましたー。右翼曲折の果てに幸せを掴むとか、ラブロマンスも甚だしいね。シュレイドもハーケンとお付き合いしてるし、僕の周囲は愛に溢れている。爆発しろ、リア充共。
しかし、夜の教会ってのも雰囲気があって良いね。昼は燦々として煌びやかだけど、日が沈んでからは荘厳で神々しい感じ。こんな場所で働く神父だのシスターだのは、嘸かし心が清らかなのかと思えば、
「いやー、エイメンですねぇ~。……ぷはぁ~♪」
何だ、このアバズレは。グラサン掛けて煙草まで吸うんじゃねぇよ。それとライトボウガンも仕舞え。
――――――ダキンッ!
「ゴバッ!?」
「……それでは、誓いのキスを」
強いな神父。お前までライトボウガンを担ぐんじゃない。
「これからも宜しく、アルメリア」
「……こちらこそ」
エメスとアルメリアの唇が重なる。月光をバックにした2人は、それはそれは妖しくも美しかった。これで正式に夫婦となった訳だが、アルメリアは何時までハンター稼業を続けるのかな?
まぁ、あいつのマンパワーなら枯れ果てるまで搾り取れそうだから、そう遠くない内に寿退職するだろう。むしろ、エメスの体力が持つのかが心配だ。ブッ潰れるまでヤリ切る~♪
もしくは、子育ては程々にして、さっさと復帰してしまうかもしれない。幾らアルメリアになろうと、その心はハンター:アイルのままだろうからね。昨日も普通に武具の手入れとかしてたし。死ぬまで現役、修羅の道というのも、面白そうではある。
どちらにしろ、僕は悠々自適な読書生活を楽しませて貰おうかな。ベッキー(メラル)はもう脅威じゃないし、アリス(ヴリア)も駆逐した。後は好きなタイミングで始末を付けるだけである。ここまで来るのに、本当に長かった。各地を転々とし、死に物狂いで頑張ってきた。
ならば、僕が安寧の日々を享受しても、罰は当たるまい。
つーか、下したら殺す。神だろうと反逆してやるぞ、このヤロウ。わざわざガブラスに転生させやがった事、忘れてないからなぁ!
『うきゅ~♪』
とりあえず、今は祝宴のご馳走を頬張るとしよう。う~ん、アンジャナフの尻尾ステーキ、美味しい~♪
「……“アイル”」
と、色々と済ませたアルメリアが、僕に話し掛けてきた。
「アイル」というのは、彼女から貰った名前だ。何時までもガブラスと呼ぶのは味気ないと、己のハンター名を譲ったのである。元々は僕が村人だった時の本名だから、別に良いんだけどね。君も随分と気安くなったじゃないの。
「……ありがとう。……あなたのおかげで、わたしは未来を手に入れられた」
『うきゅ~ん♪』
良いって事よ。これからも末永く養ってくれ。
さ~て、宴もたけなわで御座いますし、乾杯と行きますかね~♪
「……それじゃ宴会だよ」
大して変わらんだろうに。どうせ新郎新婦と僕らしか居ないんだ。盛大に破目を外したって、誰も文句は言わないし、エメスが言わせないさ。
「それもそうだね」
そう言って、アルメリアは柔和な笑みを浮かべた。幸せ一杯な顔しやがってチクショー。
そして、僕らは朝までドンチャン騒ぎをして、次の日の朝までグッスリと眠ったのだった……。
◆リップアップ教会
ヴェルドでも有名な色物教会。神父もシスターも元はG級のハンターであり、今はギルドナイトを兼任している。受付嬢と同じく任務が来なければ2人共に聖職者なのだが、シスターは平気で喫煙するし、神父は異教徒に暴力を振るうアレな連中なので、ここで祈りを捧げたり、婚姻の儀を執り行う奴は、余程の物好きである。リアルにモンスターが跋扈する世界だから、そもそも神に頼る奴が殆ど居ないとか言ってはいけない。