翼を下さい   作:ディヴァ子

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あっさりと終わり♪


最終話:翼はためかせ

 あれから時は流れ、

 

「……行くのか?」

『きゅあっ!』

「そうか……」

 

 僕は西の都:ヴェルドにさよならバイバイして、旅に出ようとしていた。行先は新大陸で、理由は何となく。折角自力で飛べるようになったんだから、自由気儘に旅をしたって良いじゃないか。

 

「……何時でも帰って来なよ。エメスと()も待ってる」

 

 ちなみに、アルメリアは妊娠……いや、出産間近になっている。何ならミラボレアス戦の時点で6ヵ月を過ぎていたらしい。筋肉の鎧が分厚過ぎてお腹が膨らまなかった為、全然気付けなかったんだとか。化け物かよ。

 

『クェエエエエン!』

 

 おう、お前も元気にやれよ、シュレイド。ハーケンの遺した雛たちの世話、サボるなよ。

 

『きゅぁあああん!』

 

 それじゃあ、今度こそさらば~♪

 僕はすっかり使い慣れた己の翼を広げ、大空へ飛び立った。う~ん、気持ち良い。やっぱり自前の翼で飛ぶ空は素晴らしいね。眼下の景色が小さ過ぎて、人がゴミのようだ。

 そう言えば、アリス(ヴリア)とビスカはちゃんと仕事をしてるかねぇ~?

 

「……何か誰かに噂されてる気がしますわ」

「どうした、移植した目と腕が疼くのか?」

「ぶっ飛ばしますわよ?」

 

 アリスはミナガルデへ戻り、ビスカはココット村に帰った。偶にビスカがミナガルデに出向いて、アリスからクエストを受注している模様。

 余談だが、アリスの失われた左腕は、不都合かつ不自然に残ってしまったベッキー(メラル)の左腕を移植している。時折疼くらしいので、呪われているのかも。本当に生き意地汚い死に損ないだなぁ、あいつは。

 ああ、そうそう、ベッキーと言えば、替え玉を用意してドリスちゃんに宛がってあるから安心してくれ。どうせ誰も中身なんて気にしないんだから、顔さえ一緒なら良いんだよ、それで。

 あと、どうでも良い事だけれど、新大陸組は帰りの便で遭難したらしい。

 正確には、彼らに因縁のある冰龍「イヴェルカーナ」の一個体が、わざわざ現大陸へ追撃してきて、飛行船を襲撃したそうな。

 大体の面子は無事だったそうだが、ウケツケジョーが投げ出されて行方不明なんだとか。カムラの里にでも落っこちたんじゃないの?

 あそこ、モンスターが大挙して押し寄せる「百竜夜行」という災禍に何度も見舞われ、最近は小賢しいディアブロスやゴシャハギなんて変なのがいっぱい居るみたいだから、食われて死んじゃってるかもね~♪

 

『きゅぁ~♪』

 

 いや~、しかし色々あったなぁ、ここまで。アルビノのガブラスに転生した時はどうしたもんかと思ったけれど、何だかんだでシュレイドの皆の仇を取れたし、自分の翼も手に入れた。

 僕を縛り付ける物は、もう何も無い。

 

『きゅるぁああああああん!』

 

 ――――――さぁ、行こう……悲しみの無い自由な大空の果てへ!




◆アイル

 ミラルーツの悪ノリでアルビノなガブラスに転生させられてしまった、世界一不幸な美少女。生前はシュレイド王国の城下町に住んでいたアルビノな女の子で、引きこもりが故に裁縫を始めとした様々な創作業で才能を発揮し、王族にも気に入られていた。
 しかし、ある日現れたミラボレアスによって故郷諸共滅ぼされた為、世界中の誰よりも黒龍を憎んでいる。
 そして、現代において復讐は果たされ、晴れて自由の身となった。
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