翼を下さい   作:ディヴァ子

7 / 52
逝きたくなーい

『………………!?』

 

 ハッと目を覚ましましたよっと。

 そうです、僕が元村人のアルビノ・ガブラスです。変な翼蛇竜ですよー。

 ――――――って、そんな事を言っている場合ではない。

 ここは何処? 僕はタレ(毒)。

 見た所、遮光の利いた木造りの小部屋みたいだけど……何故に人工物の中に?

 

『プープー!』

 

 すると、外から聞き覚えのある声が。きっと、あのプーギーだ。という事は、つまり。

 

「……あ、メルちゃん! あの子、目を覚ましたんだ?」

 

 そっと暖簾を避けて、中を覗き込んでくる女の顔。年頃は20代前半って所か。銀髪碧眼の、中々に整った顔立ちだ。今は室内だからかインナー姿だが、壁に立て掛けられている「フレグランス」を見る限り、職業はハンターのようである。

 そんなハンターの家に、どうして僕は居るのだろうか。それも、おそらくはプーギー用の小屋まで提供して。

 

『きゅぅ……』

 

 とりあえず、ジッと見詰めておく。ここで下手に暴れると、そのまま皮と食肉にされかねない。無力ながらも、決して従順にはならないよ、と示しておくのだ。

 

「へぇ、可愛い眼をしてるね」

 

 目が腐ってるんじゃなかろうか。僕はガブラス、「災厄の使者」だぞ?

 

「……とりあえず、ご飯は置いておくよ。こんがり肉Gでも良いかな? 家のキッチンアイルーたち自慢の料理だよ」

 

 おっと、これは出血大サービスじゃあないか。生肉処かこんがり肉のGをくれるとは。

 あと、キッチンアイルーが居るんだ、この家。僕の村でも、アイルーが食堂の調理場に立ってたっけ。これは期待出来そうである。

 

「はい、どうぞ」

 

 そして、花柄のお皿に載って差し出される、こんがりと焼けたお肉。素材はアプトノスだろうか。ともかく美味しそうだ。ホカホカと上がる香ばしい匂いが食欲をそそる。

 頂ける物は遠慮なく貰おうか!

 

『もぐもぐもぐ』

 

 うーん、良い仕事してますねぇ。

 パリパリに焼けた皮、解れるような柔らかさを持つ身。噛み締める度に溢れる肉汁が口内に広がり、幸せな気持ちにしてくる。呑み込んでも尚存在感を保っている旨味は、次を寄こせと本能を刺激し、あっという間に全ての身を平らげてしまった。

 嗚呼、何て美味しい肉なんだ……。

 

『プゥ~♪』

「ははは、確かに良い食べっぷりだったね、メルちゃん」

『………………!』

 

 今更だけど、見られてたんだよね。こうして面と向かって評されると、流石に恥ずかしいな。これでも前世は小食だったのよん。

 

「……とりあえず、君は結構な怪我をしているから、暫くはここで治療するよ。メルちゃんにお願いされたからね」

 

 ――――――そっか、そのプーギー……いや、“メルちゃん”が助けてくれたのか。持つべきものは、やっぱりプーギー(ともだち)だね!

 

「それじゃあ、私はこれからクエストに行くから、君はここでメルちゃんと遊んでいてくれるかな?」

 

 良いとも~♪

 宜しくね、メルちゃん!

 

『プゥ~♪』

 

 嗚呼、可愛いなぁ……。




◆プーギー

 皆大好きペット枠の生き物。たぶん豚。しかし、その大きさはどんなに成長してもモス以下なので、モンハン世界のミニブタなのかもしれない。
 アイルーやフクズクのように狩場へ立つ訳では無いが、愛くるしい仕草と容姿でハンターを癒してくれる為、愛好家は多い。可愛いは正義。撫でたり抱き上げたり出来るのはもちろん、様々な服を着せ替えて目の保養にするのも良いだろう。きゃわいい。
 ちなみに、作者はUSJのモンハンフィギュアでプーギーが当たらないかと購入してみたら、2体もアステラの料理長が手に入りました。何でだよ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。