『………………!?』
ハッと目を覚ましましたよっと。
そうです、僕が元村人のアルビノ・ガブラスです。変な翼蛇竜ですよー。
――――――って、そんな事を言っている場合ではない。
ここは何処? 僕はタレ(毒)。
見た所、遮光の利いた木造りの小部屋みたいだけど……何故に人工物の中に?
『プープー!』
すると、外から聞き覚えのある声が。きっと、あのプーギーだ。という事は、つまり。
「……あ、メルちゃん! あの子、目を覚ましたんだ?」
そっと暖簾を避けて、中を覗き込んでくる女の顔。年頃は20代前半って所か。銀髪碧眼の、中々に整った顔立ちだ。今は室内だからかインナー姿だが、壁に立て掛けられている「フレグランス」を見る限り、職業はハンターのようである。
そんなハンターの家に、どうして僕は居るのだろうか。それも、おそらくはプーギー用の小屋まで提供して。
『きゅぅ……』
とりあえず、ジッと見詰めておく。ここで下手に暴れると、そのまま皮と食肉にされかねない。無力ながらも、決して従順にはならないよ、と示しておくのだ。
「へぇ、可愛い眼をしてるね」
目が腐ってるんじゃなかろうか。僕はガブラス、「災厄の使者」だぞ?
「……とりあえず、ご飯は置いておくよ。こんがり肉Gでも良いかな? 家のキッチンアイルーたち自慢の料理だよ」
おっと、これは出血大サービスじゃあないか。生肉処かこんがり肉のGをくれるとは。
あと、キッチンアイルーが居るんだ、この家。僕の村でも、アイルーが食堂の調理場に立ってたっけ。これは期待出来そうである。
「はい、どうぞ」
そして、花柄のお皿に載って差し出される、こんがりと焼けたお肉。素材はアプトノスだろうか。ともかく美味しそうだ。ホカホカと上がる香ばしい匂いが食欲をそそる。
頂ける物は遠慮なく貰おうか!
『もぐもぐもぐ』
うーん、良い仕事してますねぇ。
パリパリに焼けた皮、解れるような柔らかさを持つ身。噛み締める度に溢れる肉汁が口内に広がり、幸せな気持ちにしてくる。呑み込んでも尚存在感を保っている旨味は、次を寄こせと本能を刺激し、あっという間に全ての身を平らげてしまった。
嗚呼、何て美味しい肉なんだ……。
『プゥ~♪』
「ははは、確かに良い食べっぷりだったね、メルちゃん」
『………………!』
今更だけど、見られてたんだよね。こうして面と向かって評されると、流石に恥ずかしいな。これでも前世は小食だったのよん。
「……とりあえず、君は結構な怪我をしているから、暫くはここで治療するよ。メルちゃんにお願いされたからね」
――――――そっか、そのプーギー……いや、“メルちゃん”が助けてくれたのか。持つべきものは、やっぱり
「それじゃあ、私はこれからクエストに行くから、君はここでメルちゃんと遊んでいてくれるかな?」
良いとも~♪
宜しくね、メルちゃん!
『プゥ~♪』
嗚呼、可愛いなぁ……。
◆プーギー
皆大好きペット枠の生き物。たぶん豚。しかし、その大きさはどんなに成長してもモス以下なので、モンハン世界のミニブタなのかもしれない。
アイルーやフクズクのように狩場へ立つ訳では無いが、愛くるしい仕草と容姿でハンターを癒してくれる為、愛好家は多い。可愛いは正義。撫でたり抱き上げたり出来るのはもちろん、様々な服を着せ替えて目の保養にするのも良いだろう。きゃわいい。
ちなみに、作者はUSJのモンハンフィギュアでプーギーが当たらないかと購入してみたら、2体もアステラの料理長が手に入りました。何でだよ。