芹澤君のかえりみち   作:三流FLASH職人

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書きたかった話。というわけでタグに”キャラ崩壊”追加(どういうわけだ!)


第八話 かえりみちアニソンメドレー

「さーて、んじゃこっから一気に東京まで行きますか!」

 J〇Fにお世話になった後、高速入り口にあるサービスエリアで早めの昼食を取り、ついでに給油も終えた一行がいよいよ一路東京を目指して出発する。九州まで帰る岩戸嬢二人はともかく、芹澤にとってはいよいよこの旅のシメだ。

 

「なぁ鈴芽、あと何回足止め喰らうか賭けへん?あたしは2回」

「うーん、じゃあ私は3回で」

「・・・・・・あんたらなぁ、流石に失礼じゃないっすか?」

 不吉なネタで賭けをするふたりに思わずジト目になる芹澤。まぁ今までが雨ざらしになるわ土手に落ちるわドアは落ちるわミミズは湧くわ煙噴くわで信頼されないのは無理もないんだが。

 

「あはは、ゴメンゴメン運転手さん、東京までよろしくー」

 助手席と後ろの席で縦に並んだ家族は同じ表情で手をパタパタさせて笑顔を見せる。このへん流石に血の繋がった叔母と姪だ・・・・・・やれやれ全く。

 

「まぁでも和気藹々として良かった。んで歌ですけど、なんかリクエストあります?」

 

例によってスマホホルダーに車内スピーカーを繋いで音楽アプリを待機させる。ただどうも自分のチョイスはこの二人に合わないようなので、このさい選ばせてみる事にした。

 

「うーん、私あんまり歌って聴かないからなぁ。」

 鈴芽が頬に指を当ててそうこぼす。基本そういう嗜好が無いので友達とかともカラオケは行ったことが無い。

「やったら草太君やダイジンとか、なんか今回の旅にちなんだ曲にしたらよかと?」

 そう返す環さんを見て、えー、と横目で無茶振りに抗議する。こんなファンタジー旅行に合う歌なんて、それこそアニソンくらいしか思いつかない。

 

「ほんならアニソンでええね」

「あ、それなら私もわかるかも」

 

 何 で そ れ で 食 い つ く ん だ よ !

 

 って、思えば環さんのスマホにも同じアプリインストしてるけど、ひょっとしてアニソンがあるって聞いたので入れる気になったのかこのヒト?

 

「じゃああたしから行くばい、ちょうどうってつけの曲が有っとよ!」

 嬉々としてスマホを操作する環さん。あ、これ絶対予想通りだ・・・・・・

 

 ジャンル、作品、主題歌と検索して曲を選び再生ボタンを押す。どんな濃い曲なのかと思ってスマホの画面を見ると、なんかヒラヒラした衣装を着こんだ女の子のサムネが見えるんですけど。

 で、前奏が始まったのだが、そのサムネにたがわない可愛らしすぎる曲が流れてくる。歌い出しに合わせて環さんがそれはもう楽しそうに声を合わせる・・・・・・うわぁ。

 

※TVアニメ『カードキャプターさくら』主題歌『Catch You Catch Me』

 

『会いた~いなっ、会えな~いなっ、切な~いなっ、この気~持ち♪』

 

「えええ環さん・・・・・・なんかめっちゃ少女趣味な歌うたってるし!」

 後ろの席ですずめちゃんが口を開けて呆れている。どうやら彼女も知らない環さんの一面らしい。夕べ自分を出せとは言ったけどいきなりこれは濃すぎませんか?

 

『だって、だって、翼広げ二人で、空をマラソン、夢をユニゾンした~い♪』

 

 ノリノリで歌い続ける環さん、しかも結構うまいし。というかコレが今回の旅のイメージソングなんすか?草太の奴が聞いたらどう言うやら。

「なんでこの歌チョイスしたの~、今回の冒険に合わせた歌でしょう?」

 手マイクまでしてノリノリな環さんに困り顔でツッコむすずめちゃん、うん俺も同じ意見だ是非聞きたい。

 

 間奏に入った所で環さんがふっ、と良い笑顔で解説を入れる。

「それがピッタリなのよこれが。何しろこの世の災いを封じていくお話だし、最後なんて地震を起こす竜との対決よ?」

「・・・マジっすか!?」

「しかも封印を生業としてる男の子と最後は恋に落ちるのよ、ピッタリじゃない」

「うっそー・・・・・・本当に?」

 

 えーと、どんな話だと思ってスマホの画面を見る。そのアニメのタイトルは確かずっと昔に流行った魔法少女モノだったか、内容は良く知らないが環さんなら直撃世代だろう。

 

 ノリノリで2番を歌う環さんにちょっとムッとした顔を向けたすずめちゃんが、シートベルトを目一杯伸ばして前席に割り込むと、ホルダーからスマホをひったくって次の曲を入力する。なんか対抗意識をバリバリに感じるんですけど。

 

『コ・イ・し・て・るっ♪』

 

 終始ご機嫌で歌い終わる環さん、いやぁ人は見かけによらないッスねぇ、いい勉強になりました。

 

 

「じゃあ次は私です、やっぱ草太さんならもっとハードボイルドでしょう!」

 え?すずめちゃんにとって草太ってそいういうイメージ?なんか流れ始めた前奏が仰る通りハードなロックなんですが・・・・・・

 

※TVアニメ『うしおととら』主題歌『混ぜるな危険』

 

『混ぜるなぁ! 危険だぁ! 奴らが相手じゃ土壇場ぁっ!』

 

 いきなりメタルな曲を熱唱し始めるすずめちゃん。なんかこの瞬間にこの二人が今まで上手く行かなかった根本的原因が分かった気がした。

 

『嫌ンなるよな気が付きゃ、二人ぼっちなんなのカルマかい!!』

 

 ちなみにすずめちゃんはかなり歌が下手だ。テンションでごまかしてはいるが所々音程を外しまくっているが、曲の勢いで押し切っている感じだ。

 

「鈴芽・・・・・・アンタこんな歌好きやったん?」

 いきなり男らしくなった姪に目を丸くする環さん。まぁ確かに日本縦断するフィジカルやバイタリティはなかなかの物だが、その行動力の根底にあるのはこういう気質なのか。

 

『取説にさどんだけ書いてても~~無駄さあぁぁぁぁぁっ!!』

 

 もはや目が点になって熱唱する彼女を見る環さん、俺はというと運転に集中と頭で唱え続けて思考をシャットダウンする。というかこれで事故ったら彼女のせいにしようか・・・・・・

 

『そろそろ逝こうぜ冥府魔道!』

 

 ようやく一番の熱唱が終わった、歌詞の締めがそれかい!

 

「どう?草太さんにピッタリの曲でしょう」

「なんでだよ(や)!」

 

 笑顔で語る鈴芽に二人でツッコむ。が、彼女は逆に得意顔で、その主題歌のアニメの解説を始める。

「日本全国を行脚して妖怪を退治したり土地神さんと仲良くなったりするお話!うん、まさに草太さんにぴったり」

 

 あー思い出した、確か人気漫画原作の濃ゆいダークファンタジーだ。確か最後は地震で日本列島が沈没しかけるんだったか。そういやラスボスがどこかあのダイジンっぽかった気がする。

 

 熱唱が終わり、むむむと睨み合う叔母と姪。果たしてどっちのチョイスがより今回の旅に合っているだろうか・・・・・・

 

「芹澤(さん)、判定は!?」

「俺に振らんで下さい、いつか草太に聞いて下さいよ」

 もうツッコミする気すら沸かん、というかこの二人お互い濃すぎじゃね?

 

「じゃ、最後は芹澤さんね。」

 え、俺もっスか?

「うんうん、今回の旅の感想を是非歌で。あ、出来ればアニソンで。」

 アニソン限定かい!

 

 まぁいい、眼鏡をくいっ!と上げると、その奥の眼光を二人に向ける。年季の違いを見せてやるぜ!

 

「曲番号8×1〇765番でお願いします」

「いいけど、曲の番号ソラで覚えとるん?」

 不思議がる環さんにニヤリ笑って返す。旅のシメ、冒険の終わりにこれ以上のチョイスは無いと

断言できる!

 

 曲を入力して再生ボタンを押す。やがて流れ出した前奏にふたりは目を丸くして思わず声を出す。ふっふっふ、やっぱ知ってたか。だがもう遅い、早い者勝ちっ!

 

「って芹澤さん、それ反則!」

「最終兵器出して来ちょった、それズルイわ!」

 

 それは日本を代表するアニメーション映画、国内はおろか世界中に熱心なファンを持つ一大冒険活劇のエンディングテーマだ。年代で言うなら環さん世代の少し前だが、日本人なら知らないはずはなかろう!

 

 結構前奏の長い曲なので、二人ははぁ、と息をついて負けを(何のだ)認めると、手拍子を打ちながら体を左右にゆらす、歌う気満々だ。よしよし。

 

※アニメーション映画『天空の城ラピュタ』エンディングテーマ『君をのせて』

 

『あのち~へい~せ~ん~、かーが~やく~の~は~、どこか~にきみ~を、隠して~いる~かーらー♪』

 

 高速道路を走りながら合唱を重ねる3人。旅のシメに相応しい曲と、今ここに居ない人を想うその歌詞を高らかに歌いながら、歌詞と曲を通じて心を通わせる。

 

『父さ~んが~のこしたー、あつーい想~い、母さ~んがーくれたーあの~まなーざーし。』

 

 歌って不思議だ、歌って素敵だ。そのメロディはささくれた心すら癒し、その歌詞のどこかは必ず歌う人の人生に引っかかる。そして歌を声にする時、胸の内まで吐き出しているような気分になる。

 

 一緒に歌えば、必ず心が通じ合う。

 

 

 行きの道中では理解されなかった俺のポリシー、別れ間際になって、やっと二人に理解してもらえる事が出来たようだ。

 

 

『地球~は回ーるー、き~みーをのーせーて、いつーかきっとー出会う、僕らを乗~せ~て♪』

 




口噛み酒の巫女「夢灯籠はー?」
おっぱい大好きイケメン「前前前世は?」
家出少年「祝祭は?」
100%晴れ女「グランドエスケープは?」

芹澤「なんだろう、異世界からの圧がする・・・・・・まさか、後ろ戸が!
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