廃人の義姉を名乗る戦闘狂 作:6Vワナイダー
気づいたら15,000字超えてて馬鹿なんで分割投稿して続きは明日
と思ったけどやっぱり一括投稿♡
面接というイベントを経験した事のない社会人は稀有な存在と呼べる。大半の人は学校の受験で経験するだろうが、人によっては就活やら転職やらでそれなりの場数を踏む事にもなるはずだ。
俺は数える程度の経験しかないので、面接の必勝法なんてものは知らないし、面接官が応募者のどこを見て評価しているなど露ほども理解していない。
ただ、色んな人の面接失敗談や成功談は、なぜだか面白可笑しく聞こえてしまうと言うのはある。特技はありますか?と聞かれるや否や机に飛び乗り「黙れ小僧!」とモロのモノマネをした猛者が友人にいた。言うまでもなくお祈りメールが届いたらしい。生きろ、そなたは美しい。
企業の採用面接においては色んな体験談を耳にする。ただの世間話で終わったと言う人もいれば、嫌がらせとしか思えない質問をぶん投げられる人もいるようだ。当の俺はと言うと、
「今までの人生において何か大きなミスをした時、どのように立ち回ってきましたか?」
という、意地悪とまではいかないが、テンプレ回答を準備しておけない質問をされた事がある。
面接官は人間観察のプロだから嘘やおべっかは当然のように看破できる。だから変に気取らずありのままを見せるのが一番だ……と、大人達からありがたいお言葉を頂戴していた。ので、
「まだ自分以外に認知されていないかつリカバリーが効くものに関しては全力でミスなど無かった事にしますが、周囲にも露見していてどうにもこうにもならないものは、謝罪や反省の構えを取って失態が風化するまで耐え忍びます」
と馬鹿正直に答えた所、
「サラリーマンって綺麗事を駆使して生きていかなきゃいけないんですよ。部下や後輩に君がいたら嫌ですね、私は」
とボロカスに言われた。人の言う事は鵜呑みにしちゃいけないという教訓を得たね(憤怒)。因みに何故か採用された。採用担当の頭カチ割って中身を見てみたいよ。
そんなこんなで面接というものに大して良い思い出のない俺が、またしても面接に挑まんとしている。あまり気乗りはしないが、履歴書を出さなくても良いのは大変ありがたい話である。取得資格欄あたりで誤字脱字をかまして発狂するのは様式美である。人となりを知る為にも手書きじゃないとダメとか言い出した奴は名乗り出て♡
「本日はお越しくださりありがとうございます。どうぞおかけください」
眼鏡を掛けたどこか怜悧な印象を受ける緑髪の女性が、お手本のようなゲンドウポーズで待ち構えていた。パターン青!圧迫面接です!
とりあえず座れと言われたので、準備されている椅子に背もたれから拳ひとつ分背中を離して座る。椅子の座り方から面接はもう始まっているらしい。ガーゴイル座りでもしないかぎり大幅減点は無いっしょ……いや、面接じゃなくてもそんな座り方しちゃダメだわ。
「面接官のチリです」
転生者のショタです。
「それではチャンピオンテストの一次試験……面接テストを始めます」
っしゃぁバッチコーイ!名前でも年齢でもガブリアスの種族値でも何でも聞いてくれ!家族構成は……やめようね!
無駄に意気込む俺を尻目に、面接官のチリは質問を始める前にモニターで何かを確認し始める……ん?チリ面接官、一瞬だけ美人がしちゃいけない顔してたような気が……
「集めたバッジは……0個ですか」
どうやら俺が集めたジムバッジを確認していたらしい。俺がまだジムに足を運んですらいない事を知ると、チリ面接官はゲンドウポーズを解除する。そして、鉄仮面のような表情を少し緩めると、リラックスした雰囲気を醸し出す。
あっ、なんかこれ聞いた事がある……負け確パターンだ!(絶望)
「ジムバッジを集めずにチャンピオンテストを受けに来た人はあなたが初めてですね……いやはや、常識にとらわれないと言えば良いのでしょうか」
そう語るチリさんはニコッと笑みを浮かべている。常識の先を行っているとお褒め頂いているのか、常識が備わっていないと
「あー……やはりジムバッジを集めてから来るべきだったでしょうか?」
「……ジムバッジの取得数は受験生の実力を測る上で、これ以上になく分かりやすい指標になります。8つ全て集めていただけると何も言う事は無いのですが……」
まるでバッジ0の俺は何か言う事しかないみたいな物言いである。ククク...ひどい言われようだな。まぁ事実だからしょうがないけど。
「そうですよね……では近日中にバッジは集めておきますね」
「なるほど。バッジはいつでも集められるから、バッジの有無は殊更重要視していなかった……と」
チリ面接官の声色が一段階トーンダウンする。俺が何か喋る度に心象が悪くなっていくんだが?
「では最後の質問に移らせてもらいます」
「……?質問されるのはこれが初めてだと思うのですが?」
「ええ、ですから最後の質問です」
あ、絶対これ聞きたい事なんて特に無いから適当に一個だけ質問して終わらせる腹づもりじゃん……失望されたかどうかは俺が決めることにするよ。
「本日はここまでどのようにしていらっしゃいましたか?」
「モトトカゲで来ました」
「そうですか。では以上で面接テストを終了します」
まじでクッソ適当な質問だけされて終わったんだが?これもう美人に冷たくあしらってもらうサービスか何かだろ。
「結果は後ほどお伝えします。お疲れ様でした」
これ結果伝えてもらう必要ある?不合格じゃなかったら逆に驚きだよ。
「最後に私の方から一つ……ジムリーダーはチャンピオンのオモダカが自らスカウトしてきた精鋭達です。あまり甘く見ない事ですね」
チリちゃんさん絶対ブチ切れてて草。とりあえず俺が面接適性ゼロである事は分かった。俺の人間性が終わっている以上、ジムバッジ8個をチリ面接官に叩きつけて実力で黙らせる他ないようだ。任せろ、ジムバッジとヘイトを集めるのは得意なんだ。
∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮
そんなこんなで一番アカデミーから近いセルクルジムに足を運ぶ。話を聞くにここのジムリーダーはパティシエールを兼業しているむしタイプ使いのようだ。
それじゃあ早速ジムリーダーを出して貰おうか……と言いたいところだが、パルデアではまずジムテストを受ける必要があるらしい。
先ほどの面接テストが軽くフラッシュバックして変な汗が出てきたが、クソデカオリーブの実を相手のゴールにシュゥゥゥーッ!!するだけらしい。
そんな子ども騙しをさっさと終え、ジムの受付に戻るが、どうやらジムリーダーは先客と交戦中で不在らしい。ロビーで待機しているのもアレなので、どんなものなのかを野次馬しにバトルコートへ向かう。
……んん?挑戦者がクッソ美少年でびっくりしたんだが……あいつハルトじゃないか。凄い偶然だな。
となると、その対面にいるのがジムリーダーか……なっ!?
な、なんだあのとてつもない巨乳と巨尻は!?
コックコートを身に纏い、長い緑髪を後ろで束ているのがセルクルジムのジムリーダー、カエデさんなんだろうが……その、色々とヤバい。暴力的なまでのダイナマイトボディである。やめろ!ハルトきゅんの性癖に手を出すな!
バトルはクライマックスを迎えていたのか、ハルトはテラスタルオーブを掲げて、アチゲータにテラスタルを発動させていた。
そう、このパルデアにはいわゆる新要素にあたる『テラスタル』というシステムが存在する。認められた者だけが所持できるテラスタルオーブを使用する事で、そのポケモンが独自に持つ『テラスタイプ』に変える事ができる。
ハルトが使ったほのおテラスタルを例に挙げると、アチゲータが攻撃を受ける際のタイプ相性は『ほのお単タイプ』のものになり、ほのおタイプの技がタイプ一致の1.5倍で撃てるようになる。更に、アチゲータのように元々ほのおタイプを持っているポケモンは、なんと2倍の威力で撃てるようになる。
受けのタイプは単タイプになってしまうが、もともと持っていたタイプの技はちゃんと1.5倍で撃てる。例えば、ロトムがほのおテラスタルをしても、でんき技は今まで通りタイプ一致の1.5倍で撃てるわけだ。
基本的にはそのポケモンが元々持っているタイプをテラスタイプに持つ事が多いようだが、全く違うテラスタイプを持つ個体も存在するそうだ。
そして、テラバーストというテラスタルで変化したタイプで攻撃できる技も存在しており、かつて存在した『めざめるパワー』に近しいものを感じる。ついでにめざパ厳選という地獄も思い出しかけてしまい、ちょっと気が狂いそうになる。
対戦環境が大きく変わるようなこの要素に俺が今まで触れてこなかった理由は単純で、そもそも俺は直近までテラスタルオーブを持っていなかったのだ。
テラスタルオーブを手にするには、キハダ先生のバトル学課程を修めた上で、テラスタルの専科も受講する必要がある。そうしてテラスタルオーブの所持を許可された者が、ようやくテラスタルをポケモンバトルで使う事ができるのだ。
何故そんなにもテラスタルの使用を厳重に管理しているのか聞こうとしたところ、全然関係ないレホール先生が飛んできて「おっと、それについては私が説明しよう!」とかおっぱじめだしたので、堪らず逃げ出してしまい聞きそびれてしまった。多分教員の中であの人が一番ヤバいわ。
そんなこんなで、俺は真面目に授業を受けてようやくテラスタルオーブを手にしたのだが、なんとハルトきゅん……全ての課程をパスしてテラスタルオーブを手にしているのだ。
と言うのも、チャンピオンランクの推薦があれば普通に許可がおりるらしく、ネモが当たり前のようにテラスタルオーブをポンッとくれたらしい。
ハルトを泣かせてしまったあの日、涙を浮かべるゲボかわショタを夜道に放置しようものなら、パルデアに蔓延る特定危険指定おね達に食い散らかされない……と懸念した俺は、ハルトをご自宅の方まで送っていった。
その道中、最近ネモの近所に引っ越してきた事、クラベル校長からホゲータを貰った事、ネモにバトルを教えてもらった事、それ以来ネモが気にかけてくれたり、ポケモンバトルをしてくれるようになった事……とネモとの馴れ初めを語る中で、ネモからテラスタルオーブを貰った事を聞いてしまったのだ。
ハルトくんをクッソ美人なママに送り届けた後、俺はソッコーでネモの元へ行った。なぜかネモは鮮血に染まったティッシュを鼻に詰めていたが、俺は気にせずネモに問い詰めた。
なんでハルトにはテラスタルオーブを渡しているのに、俺には渡してくれなかったのか……
至極真っ当な疑問をぶつけた。しかし、
「……っ!?♡おとうとくん……嫉妬……しちゃったのかな……?♡そうだよね、ごめんね♡あんなにハルトに『おねえちゃんは渡さない!』って言ってたもんね♡そっか……そんなにおねえちゃんの事大好きだったんだ♡最近冷たいな……とかバカな事考えてたよ、わたし♡はあ、ほんとだいすき♡わたしのおとうとくんはおとうとくんだけだよ?♡だから……ね?これからもいっぱい……
と、存在しない記憶を捏造しだしたと思えば、鼻血を出して気絶した。質問に答えろよ。
……話が紆余曲折としてしまったが、つまりはテラスタルというものがあるのだ、このパルデアには。
「サナギを破り、強く大きく育ちましょう〜!」
おっとりとした見た目に違わぬゆるふわボイスでそう宣言したカエデさんも、テラスタルオーブを前に突き出す。エネルギーがオーブに集まってくる事で発生した風圧に、コック帽が飛ばされそうになりカエデさんはそれをもう片方の手で抑える。
おい、帽子よりもっとヤバい事になってるところがあるだろ!なんだその乳は!?何だその尻は!?テラスエネルギーに充てられて、たゆんたゆんと躍動しているじゃないか!
えっちハザード発生!えっちハザード発生!まだまともな性癖が残った少年少女達に避難勧告を発令!速やかにあの全自動性癖破壊装置からはなれなさい!
カエデさんのえちえちテラスタルエネルギーを授かったヒメグマはむしタイプのテラスタルとなり、頭に蝶の触覚を
だが、ヒメグマはノーマルタイプからむしタイプに変わってしまったので、ほのおタイプのアチゲータの相手をするのが苦しくなってしまった。まあそれでも、ハルトにとっては『無闇やたらとテラスタルすれば良いってわけでもない』と言う教材になるだろう。あれは真剣勝負でもなく、テストの一環なのだ。
無事にカエデさんのバトルに勝ったハルトは、カエデさんが作ったであろうケーキを振る舞われている。ハルトきゅん流れるようにカエデさんとツーショット撮ってて草なんだ。
と、不審者よろしくハルトを監視していた俺だが、凄まじく嫌な気配を感じ取り、慌てて身を隠す。
「あ、奇遇だねハルト!一個目のバッジを取ったんだね!うんうん、流石はわたしが見込んだハルトだ!ささ、強くなったアチゲータをわたしにもみせて欲しいな!」
おっぶぇ!なんで当たり前のように現れるんだよコイツ!奇遇とかぜってぇ嘘だわ!間違いなく物陰からハルトの事を監視してただろ!恥を知れ恥を!
ともあれ、ネモがハルトを回収してくれたお陰でカエデさんがフリーになる。ネモと共にジムを去っていくハルトをあらあら〜と見送りつる、ケーキの食器を片付けている彼女に俺は声をかける。
「あのー……ぼくもジムバッジを取りに来たんですけど……」
「あら?あらあら〜?あなたがもしかして……ネモさんの義弟さん!」
当然のように外堀埋まってんのマジで何とかしてくれ。
「うふふ、ハルトさんとのバトルが楽しくて忘れちゃってたわ〜。ポケモンリーグの方からあなたが来るから準備しておくようにって言われてたんだった!」
「え?」
「うふふ、あなたは特別に……わたしの『本気』と戦って貰うので、手は抜きません!甘〜いのは期待しないでくださいね〜?」
頬に手を当て妖艶に微笑んだカエデさんは、六つのモンスターボールを腰に提げていた。
これ絶対ヒメグマなんて生ぬるいやつ出てこないじゃん。
∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮
こちらの先発はドオー、一方でカエデさんの先発はフォレトスだ。レベルはなんと65……手を抜かないと言うのはマジだったようだ。これ本当に最初に訪れるべきジムなのか?アカデミーから近いから多くの生徒たちはこのセルクルジムを最初の目標に据えるらしいのだが……
どうやら蓋を開けてみれば、圧倒的包容力を携えた安産型デカ尻パティシエールに「あらあら〜」とボコボコにしてもらうイベント会場だったようだ。クソッタレ、少年少女たちの性癖を一体なんだと思ってやがる……!
うーん……これがレート戦ならこのフォレトスはステルスロックを撒きにきましたという顔をしているようにしか見えないのだが……どうなのだろうか。言うまでもなくこちらのドオーはステルスロックを撒きにきた顔をしている。相手はむし統一だし当たり前だよなぁ?
「ドオー、ステルスロックだ」
「フォレトスちゃん、『のろい』よ〜」
おっと、ドオーではフォレトスに対する打点は無いと見て積みの起点にしてきたか、事実、どくどくも通らないのでドオーはステロを撒き終えたらやる事がない。相手が積みの姿勢を見せているのに、このままドオーを居座らせて『じしん』で削りを入れるのは悠長と言える。
むし/はがねの複合はほのお技で殴らない事には突破するのは厳しいからな。ほのお技の重要性はハッサムとナットレイが嫌と言う程教えてくれました。
ここはセオリー通りにヒートロトムを投げる。ストーンエッジなどが怖いが、ドオーを対面にいわ技を撃ってくるとは考え難い。レート戦のような手持ちの見せ合いもないので、交代を読むような事できないだろうし。
引き先のヒートロトムにはフォレトスのジャイロボールがぶちかまされる。素早さを下げる『のろい』とシナジーの有る優秀なはがね技だが、ヒートロトムはそもそも1/4ではがね技を受けられる。こうげきランクが上がっていようがフォレトスのレベルが高かかろうが、こうげき種族値はたかが知れている。さほど負担をかけずにヒートロトムを着地させる事に成功した。
「あらあら〜、途中交代がお上手ね〜。こだわりメガネを掛けたほのおタイプが相手じゃ流石のフォレトスちゃんも厳しそうね〜」
カエデさんは困ったように頬に手を当てるが……番外戦術の可能性も考慮しておきたい。あたかも交代させたいとでも言いたげな態度だが、カエデさんがこのまま居座らせてフォレトスを切ってきた場合、下手に交代を読んでボルトチェンジを指示すると、落としきれなかったフォレトスに『じばく』とかされて、交代先にいらぬ負担をかけてしまう可能性がある。
そもそも、カエデさんが『もらいび』などのほのお受けを手持ちに紛れ込ませるといった小賢しい真似をしていない限り、むし統一パーティに対してほのお技はエグいくらいに一貫している。ほのお複合のウルガモスですら等倍だし、なによりステロで半分も削れる。
だが、脳死でオーバーヒートを撃つには懸念点がいくつか存在する。カエデさんのフォレトスが『がんじょう』である可能性が高いことに加え、裏にウルガモスがいて『あつぞこブーツ』を履かせていた場合、ちょっと面倒な事になる。
がんじょうで耐えられ、返しのいわ技でロトムを落とされる。さらに、『イバンのみ』*1で『だいばくはつ』を先制で撃ち、こちらのポケモンに負担をかけつつあつぞこブーツを履いたウルガモスを無償降臨させる。その後、『ちょうのまい』で全抜きを狙われる……そうなると、まじでウルガモスを止められ無くなってしまう。ウルガモスこわい。
ウルガモスがフォレトスと同程度のレベルだった場合、マリルリのアクアジェットでは一撃で落とせないし、アクアブレイクだとウルガモスの上を取れない。そしてウルガモスはギガドレインを覚えるので、逆にマリルリを持っていかれかねない。
そこまでケアする必要があるのかは分からないが、少なくともカエデさんは手を抜かないと言っているのだ。相手のレベルを低く見積もって負けるくらいなら、深読みのしすぎで負けた方が良い。
「ロトム、ボルトチェンジ」
俺はロトムを引っ込めつつフォレトスに削りを入れる事にした。フォレトスが『がんじょう』だったのかは分からないが、カエデさんはフォレトスを居座らせてきた。
C特化眼鏡ボルチェンがフォレトスにブッ刺さるが、レベル差のおかげでイバンのみ発動圏内にも入らないはず。……いや、普通に回復実を持たせていたようだ。美味しそうにむしゃむしゃとオボンの実を貪っている。
想定されるいわ技のクッション*2として再びドオーを投げる。やはり飛んで来たフォレトスのストーンエッジを、ドオーは余裕綽々と言った表情で受けてくれる。両受けBぶっぱ振りが頼もしすぎる。
「あらあら〜、てっきりほのお技が来ると思ってたけど……うふふ、相手のポケモンが目まぐるしく変わるのは新鮮ですね〜。なんだか翻弄されている気分だわ〜」
うーん、そう言うカエデさんこそ終始あらあらうふふしているので、全く考えが読めない……
さっきのサイクルとは違い、フォレトスはHPが削れている上、オボンを消費している。のろいを積む余裕は無いはずだし、ノータイムでウルガモスをぶん投げてきてもおかしくない。とは言えジャイロボールやだいばくはつでマリルリを削られるのも美味しくない。ウルガモスにマリルリを合わせられても、対面ではギガドレインを連打されるだけで打ち負けてしまうだろうし。
というわけでもっかいヒートロトムを投げる。いわゆる『三角交代』と言う奴だ。しかし、先ほどとは違いロトムをカエデさんに一度見せてしまっている。交代読みストーンエッジが飛んできたらその時はカエデさんが頭ガチ勢だったと割り切るしかない。
「フォレトスちゃん、ここは一旦お疲れ様よ〜……あらあら、あなたも交代かしら?うふふ、ポケモンを交代させてまたすぐ交代……ほんとに不思議な方ね〜」
と、ここでようやくカエデさんの動きにも変化があったようだ。ここまで居座らせてきたフォレトスを引っ込め、次のポケモンを投げる。
しつこいかもしれないが、この世界には交代戦の概念が基本的にない。どれだけ不利対面だろうが居座らせてぶん殴ってくるトレーナーが大多数だ。
このカエデさんはその大多数に含まれないか、たった今『交代戦』と言うものを受け入れたと言う事だ。なるほど……どうやらパルデアのジムリーダーはチャンピオンのお墨付きだと言うチリ面接官の言葉に嘘偽りはないようだ。
カエデさんが投げたモンスターボールから出てきたのはウルガモス……パティシエールの気まぐれ『あつぞこブーツ』を添えて。本来ならウルガモスを文字通り虫の息にするステルスロックも完全対策済みと言うわけか。
さて、ウルガモスを相手にする上で最も警戒したいのはやはり『ちょうのまい』だ。特攻、特防、素早さのランクを上げるぶっ壊れ技……それ故に、この技を配られているポケモンも数少ないのだが、そのうちの一体がウルガモスである。
ウルガモスを舞わせたくないこの局面だが、トリックは絶対に撃ってはいけない。特殊アタッカーであるウルガモスに、特攻を上げるこだわりメガネを渡すのはあまりにも危険だ。
そして何より、ウルガモスに上から『みがわり』を置かれてしまうと、ロトムは無意味にトリックを繰り返すポンコツ電子レンジへと変わり果ててしまう。100族のウルガモスに準速ヒートロトムが抜かれていても何ら不思議ではない。向こうの方がレベルも高いし。
みがわりを考慮すると、オーバーヒートを連打するのも憚られる。ちゃんと当ててくれるなら良いが、命中90を過信すると痛い目に合う。
ここは舞わせても良いので、ロトムを10万ボルトでこだわらせる。みがわりを置かれても壊せるし、ちょうのまいをされても十分な削りを入れられる。切り気味の動き*3になってしまいヒートロトムには申し訳ないが、それだけこのウルガモスは俺のパーティにとって重い相手という事だ。ロトム一体ではなく、構築単位で抗う必要がある。
「ウルガモスちゃん、ここは『ちょうのまい』しかないわ〜」
「ロトム、10万ボルトだ」
レベルが高い事も手伝ってか、ウルガモスは先手を取ってちょうのまいで能力を上げてきた。10万ボルトのダメージを軽減されてしまう苦しい展開にはなったがまだ勝ち筋はある。みがわりが無いと言う事が分かっただけでも大きな収穫だ。
「ウルガモスちゃん、もう一回舞っちゃいましょう〜」
事もあろうにこの欲張りパティシエール、もう一度ちょうのまいを積んできたぞ……だが、何度舞われようとこちらが取る選択は変わらない。ロトムは10万ボルトでウルガモスの体力を愚直に削る。
「そろそろ反撃開始よ〜?ウルガモスちゃん、ほのおのまい!」
こいついつも舞ってんな。ほのおのまいは威力80も有るくせに50%の確率で特攻が上がるぶっ壊れ技だ。確定で上がるわけじゃないからまだマシではあるが……そんな小学生が考えたみたいな技あったら見てみたいものだ、アハハ!
ジャイロボールを食らったダメージもあってか、ロトムは2段階上昇ほのおのまいに耐えきれず瀕死となる。よく頑張ったぞロトム。
俺は倒されたロトムの代わりにパーモットを繰り出す。紙耐久のコイツが二回も舞ったウルガモスの猛攻を耐えられる訳がないのだが……
「あらあら〜……それは『きあいのたすき』かしら〜?」
ねぇ、相手のポケモンの持ち物が分かるバグ修正してくんない?これじゃ『おみとおし』がうんこ特性になっちゃうじゃん……
秒で戦術がバレたが、やる事は変わらない。
さて……マッハパンチを撃って更に削りを入れてもいいが、HPが1しかなくてもパーモットはまだ仕事ができる。という事でパーモットを引っ込め、マスカーニャを繰り出す。むし統一が相手ではマスカーニャには役割がなさそうなので、ここらでクッションになってもらう。損な役割をさせてごめんよ……
「あらあら〜、良かったのかしら〜?」
カエデさんの目にはこの交代が、マスカーニャをいたずらに瀕死にさせた頭おかしい奴に見えている事だろう。こっちは頭おかしい蛾を止めるので精一杯なんだよ。
ドオーがてんねんだったらかなり楽な戦いになっていたのだが……とくせいパッチをネモにねだると精根尽きるまで「
そもそも、こんな極悪ポケモン出てくるとか聞いてねぇんだよ。ハルトにマメバッタ、タマンチュラ、ヒメグマの三匹を投げているのを見て「お、これはあつぞこブーツ蝶舞ウルガモスが来るな……」なんて予測できるか?俺はできなかった。
マスカーニャを抜いてファイアロー入れてたら完封できてたとか色々反省点はあるが、戦ってる最中にたらればを垂れ流しても戦況が変わる訳ではない。俺は瀕死になったマスカーニャを引っ込め、マリルリをくり出す。
「うふふ、みずタイプの対策もバッチリよ〜。ウルガモスちゃん、ギガドレイン!」
「マリルリ、アクアジェット」
いくら相手の素早さが高かろうが、優先度の壁を越えることはできない。ウルガモスよりも遥かに遅いマリルリは、ギガドレインを撃たせる前にアクアジェットで突っ込んでいく。
「……っ!あらあら……」
ロトムとパーモットが頑張って削ってくれたおかげで、なんとかアクアジェット一発でウルガモスを沈める事ができた。因みに耐えられたらギガドレインの養分になっていた。干からびるまで搾り取ろうとしてくるとは、とんでもないパティシエールがいたものである。
「ウルガモスちゃん、よく頑張ったわ〜。あとはお願い、ワナイダーちゃん!」
「わ、わ、ワナイダー!?」
「……?どうしたのかしら〜?」
いくらカエデさんがむし統一でやっているとはいえ、事もあろうにワナイダーを採用するとか正気か?絶対もっと他にマシなポケモンいただろ……
「手は抜かないと仰っていたのでは……?」
「……あらあら、それはワナイダーちゃんを使うのは手抜きという意味かしら?」
「……あなたにワナイダーを使いこなす事はできない」
そして俺にも使いこなす事はできない。みんな使いこなす事ができない。どうすりゃ良いんだこのポケモン。
「ワナイダーが出てきた今がチャンスだ!行って来いワナイダー!」
「ワナイダーちゃん、スレッドトラップ……て、あらあら〜?あなたもワナイダーちゃんを……?」
クッションになる事がほぼ確定していたワナイダーだったが、カエデさんがワナイダーを投げるという暴挙に出た為、何かできそうな雰囲気が出てきた。
しかも、カエデさんはワナイダーに専用技のスレッドトラップを指示していたので、無償降臨に成功する。こうしてワナイダーミラーと言うこの世の終わりみたいな対面が出来上がってしまった。
「うふふ、てっきりワナイダーちゃんの事嫌いなのかなって思ってたけど、そんな事無くて安心したわ〜」
「嫌いだとか、好きだとか……こいつはそういう次元にはいないです。ぼくが初めて捕まえたポケモンはタマンチュラでした。毛糸玉のようなまんまるとした体に気の抜けたような愛嬌ある顔……さぞや進化後も可愛いんだろうなって、思っていました。……能力は、能力の方はきっと……そう思っていました。だから……これはある種の罰なんです。ぼくの期待を裏切ったワナイダーへの罰であり、勝手に期待して勝手に失望したぼくへの罰でもあります。この先どんな強敵が立ちはだかろうとワナイダーは逃げてはいけないし、ぼくもワナイダーから逃げちゃダメなんです。ワナイダーというポケモンは、ぼくが背負ってしまった
「あらあら〜ワナイダーちゃんに対する執着心が物凄い……セルクルジムの後継者はあなたしかいないわね〜」
ワナイダーを抱えてジムリーダーをやらされそうな不穏すぎる文言が聞こえたが、聞かなかった事にしておこう。そんな事より今は目の前のバトルに集中する必要がある。
いくら相手のワナイダーの方がレベルが高いとは言え、こちらのワナイダーはHB特化しているので大した打点は持てないだろう。ワナイダーに打点とかいう言葉使うのめっちゃ癪だけど。
「ワナイダーちゃん、はいよるいちげきよ〜」
「ワナイダー、ねばねばネットだ」
うーん……不毛だ。不毛以外の言葉が出てこない。こっちのワナイダーははいよるいちげきをまだ2回は耐えられるが、いかんせんやる事が無さすぎる。なんでワナイダーを投げたんだ?俺は。
「もう一回はいよるいちげきね〜」
「ワナイダー、ともえなげ!」
『とびつく』でお茶を濁すくらいならステルスロックで削った方が有意義である事に気づいた俺は、ワナイダーにともえなげを指示する。相手のはいよるいちげきを貰ったワナイダーは、そのまま相手に絡みつき、ぶん投げる。
うーん……今まで見た中で一番酷い絵面である。ワナイダー同士が組んずほぐれつと絡み合う様は衝撃映像以外の何物でもない。見せられないよ。
因みに、今の『ともえなげ』や『ほえる』などの強制退場技でポケモンが引っ込むと、勝手に次のポケモンがランダムで出てくる。どう言う原理かは分からんがトレーナーはポケモンを選んで投げられないと言う事だ。
そんなこんなでカエデさんの手持ちから引きずり出されたのはエクスレッグ……ワナイダーと同じ、パルデアのむしポケモンだ。こいつはワナイダーと違ってそれなりにやれる性能をしている。
種族値が低いのはむしポケの宿命だが、
タイプ相性の半減を無視して等倍で負担をかけられる『いろめがね』の強さは、メガヤンマが実証済みだ。加えてエクスレッグは『であいがしら』という、場に出た最初のターンにしか打てないものの『しんそく』以上のスペックを持つ先制技を覚える。半端な耐久をしたポケモンは文字通り、出会い頭に倒される事となる。
さて、削りを入れられたこのワナイダーに、エクスレッグの『であいがしら』を耐える術はない。なんならカエデさんのエクスレッグは『いのちのたま』を持っているので、削りを入れられていなくてもワンチャン耐えられない。というか、ねばねばネットに引っかかったエクスレッグにすら素早さで負けているので、であいがしらでなくとも普通のむし技で死ぬ。
ここでお役御免だワナイダー……でも多分今までで一番相手のパーティに負荷かけられたと思うよ。ほぼドオーが撒いたステルスロックのおかげだけど。
どうせ倒されるので適当に『おきみやげ』でも指示しておく。カエデさんのエクスレッグは『であいがしら』を覚えていないのか『とびかかる』でワナイダーを倒しに来た。こちらはワナイダーを失ってしまったが、相手のエクスレッグにであいがしらが無いという情報アドバンテージを得た。仮にであいがしらが有っても、一度引っ込めるまでは使う事ができない。
「あなたの手持ちも残り3体……一気に畳み掛けるからね〜」
カエデさんの言う通り、カエデさんはウルガモスしか瀕死になっていないのに対して、俺はマスカーニャ、ヒートロトム、ワナイダーを失っている。加えてパーモットは風前の灯火である。数的不利を背負っているがまだまだ勝ち筋は見えている。
俺は残りHP1の状態で引っ込めたパーモットをここで繰り出す。パーモットの速さならねばねばネットに引っかかったエクスレッグを余裕で抜ける。そして、仮にパーモットの上から動ける先制技があったとしても……
「パーモット、さいきのいのり!」
「あらあら〜……攻撃してこないのなら『ふいうち』はできないわね〜」
こちらが変化技を選ぶ以上、ふいうちは打てない。無償で『さいきのいのり』を成功させ、ヒートロトムを瀕死から起こす事に成功する。そして更に……
「パーモット、マッハパンチだ」
「あらあら〜今度は先に動かれちゃったわ〜」
昔と違って今の『ふいうち』は優先度+1なので、エクスレッグより早いパーモットが先制技を打っても、相手の『ふいうち』は成立しない。
さて、カエデさんは二回も『ふいうち』を失敗させてしまっている上、このまま『ふいうち』を連打すると、マッハパンチでゴリゴリで削られてしまう可能性も考慮しなくてはならない。そうなると……
「パーモット、でんこうそうげき」
「エクスレッグちゃん、とびかかる!」
『ふいうち』は打てないよな?
パーモットの『でんこうそうげき』は、僅かなHPを残して耐えられてしまい、返しの『とびかかる』で倒されてしまうが、エクスレッグも『いのちのたま』の反動で倒れる。
さあ……ここから一気に詰め切るぞ。お互いに何を投げるかのジャンケンになってしまったが、俺は先ほど復活させたロトムを投げておけば、何が来ても問題ない。
「もう一度頼むぞ、ロトム」
「行ってきて、フォレトスちゃん……あらあら、ロトムちゃんを合わされてしまったわ〜」
さて、このフォレトスにはサイクルの中でボルトチェンジを入れているし、ステルスロックの削りも入っている。オーバーヒートを打たずとも、ボルトチェンジで倒せるHPになっている事だろう。
だが、カエデさんの視点ではまだ見えていないほのお技に怯える必要がある。なんと言ってもむし統一だからな……ほのお技が一貫している以上、フォレトスを倒されたくないからと言って引っ込める事もできないはずだ。
「ロトム、ボルトチェンジ」
「フォレトスちゃん、ストーンエッジ!」
言うまでもなくロトムはフォレトスの上から動ける。フォレトスをボルトチェンジで突破しつつ、マリルリを繰り出す事ができた。
「ここでマリルリちゃんが来るのね〜……ワナイダーちゃん、頼んだわ〜」
マリルリの相手を命じられるとは、向こうのワナイダーくんも随分と無茶苦茶な仕事を任せられているようだ。やっぱり人類にとってワナイダーは早すぎたんやなって……
「マリルリ、満を持しての『はらだいこ』だ!」
「ワナイダーちゃん、スレッドトラップ……って、あらあら〜また失敗してしまったわ〜」
……なんだろう。カエデさんは初手スレッドトラップしないといけない呪いでも掛けられたのだろうか?ワナイダーの専用技を絶対に活用してやろうという強い意志を感じる。
「先ほどの言葉は訂正します。カエデさんは世界一のワナイダー使いです。むしポケモンを駆使するジムリーダーの鑑と言えましょう。おみそれ致しました……自惚れていた自分が恥ずかしいです」
「あらあら〜そんなに褒められると恥ずかしいわ〜。そう言うあなたのワナイダーちゃんにも翻弄されっぱなしだったわ〜」
世界一のワナイダー使いを褒め言葉として捉えている時点で、カエデさんは世界一のワナイダー使いである。頭が上がらない。
ともあれ、マリルリははらだいこを成功させ、こうげきランク6段階上昇というウサギの悪魔モードに突入した。相手は死ぬ。
「あらあら〜マリルリちゃんがパワー全開になってしまったわ〜。うふふ、オボンのみを食べる姿が可愛いわね〜」
うーん、はらだいこを積んだマリルリを前にこの緊張感の無さは大した胆力である。レート民より肝が据わっている。
「マリルリ、テラスタルだ」
俺はやっとの思いで手に入れる事ができたテラスタルオーブを突き出す。周りのエネルギーを吸収する反動が思いの外強く、俺は片足を引いて踏ん張る。これを高々と掲げて微動だにしていなかったハルトきゅんは一体何者なんだ……
マリルリのテラスタイプはみず……マリルリの頭には噴水を模したような結晶体が生え、テラスタルのエネルギーを全身に纏う。
更に、カエデさんの場にはステルスロックがばら撒かれている。仮に『きあいのタスキ』を持ったポケモンがいようともマリルリは止まらない。
「マリルリ、アクアジェットで全部吹き飛ばせ!」
何だかんだ言って、積みポケモンで無双している瞬間が一番最高だわ。
∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮∮
マリルリがワナイダー、ヘラクロス、リングマを薙ぎ倒してくれたおかげで、無事カエデさんに勝つ事ができた。もしカエデさんがマリルリにワナイダーをぶん投げるというガバプをしなければワンチャン負けていた可能性もあるが……まあ、ドオーとロトムで誤魔化せばどうとでもなっていたか。
カエデさんは元々、スタッフにケーキを差し入れにこのジムへ来ていたらしい。そのケーキの余りを俺は頂戴しつつ、カエデさんとバトルの感想を交わしていた。
「うふふ、まさかバッジをひとつも集めていないあなたに、本気のわたしが負けると思いませんでした〜。途中まではわたしの勝ちが見えていたのに〜」
「いえ、本当にギリギリの戦いでした。あつぞこブーツを履いたウルガモスが出てきた時は終わったと思いました」
「あらあら〜それでも諦めなかったあなたは偉いわ〜!でも実は、わたしの手持ちには元々ウルガモスちゃんは居なかったの〜」
「……え?」
カエデさんの言葉に耳を疑った俺は、ケーキを貪る手を止めた。
「基本的に持ち物も持たせていなかったけど、ポケモンリーグの方から『是正勧告』があったの!あなたが来たら、出せる限りの本気で戦いなさいって。だから、手持ちもちゃんと6体にして道具も持たせたの〜」
マジでチリ面接官がブチ切れてて草も生えない。えぇ……残りの7個のバッジもこんな苦労を強いられるわけ?そんな事されちゃこっちもうやってられないから、今回みたいな緩いパーティ使わないからね?バチバチに相性有利を投げてやるからね?お覚悟を。
「それにしてもワナイダーちゃんの使い方、とっても上手でした!あなたはケーキもとっても美味しそうに食べてくれるし……アカデミーを卒業したら、わたしの『パティスリー ムクロジ』に就職しませんか〜?今からアルバイトを始めるのもいいわね〜」
おっとりとした垂れ目を怪しくキラリと光らせたカエデさんは、ケーキを食べ終わった俺の手をガシっと掴む。な、なんだ……急にカエデさんの圧が……
「うふふ、すべすべで綺麗な手ですね〜。あらあら〜指もスラリと長くて、器用そうな手……きっとケーキ作りに向いているわ〜」
カエデさんはその柔らかい手をゆっくりと絡ませると、俺の手の撫でたり、握ったり、指を絡ませたりする。
「いや、あの……ぼくお菓子作りとかした事なくて……」
「あらあら〜店長のわたしに任せて!手取り足取り教えてあげるわ〜。お菓子も、むしポケモンの事も、色々……ね♡」
あ、やばい。♡が出てきた。この流れ知ってる。
「か、カエデさん、手を……」
「あらあら〜♡そんなに力んじゃダメよ〜?♡めん棒はこうやって♡優しく♡優しく握ってあげると……生地はおっきく♡おっきく膨らんで♡思わず口に入れちゃうくらい♡おいしくなってくれるのよ〜♡わたしといっぱいケーキ作り、しましょうね〜♡」
パルデア政府に告ぐ!ショタ保護法の制定を急ぐのだ!
あらあらうふふはおねショタ基本の『き』
細かいバトル描写需要ある?
-
いる
-
いらない
-
そんな事よりおねを供給しろ
-
もっとネモネモしろ