【巨乳】もんくえに転生したと思っていたらもんぱらだった件【天使】   作:ちゅーに菌

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 お久しぶりです。前後編と言いましたがアレは嘘です。様子見をしていたのですが、作者様の近況を見る限り、まだ暫くはもんぱらの2周目は来なさそうなので本腰を入れて原作に突っ込んでいこうと思います。

 また、楽しんでいただければ幸いです。感想などをお待ちしております。





ハニートラップ

 

 

 

 

 

 

 

「――で? 結局、何の用事なんですか?」

 

 

 中央タルタロス――。

 

 人間の生息域の大部分である大陸に囲まれた内海の中央にぽっかりと空いた世界最大のタルタロスであり、そこでは現在、究極兵器1人とデカいナメクジ1人ことカナン2名が何かを始めようとしており、それに子供天使のアズリエルが付き合わされていた。

 

 "スレは温まりましたけど"と続けるカナンに対し、堝楠は当たり前だと言わんばかりの様子で口を尖らせる。

 

「他でもないわ……スレ全部読み返したのだけれど……ルカちゃんにアナタたちだけ面白そうなプレゼントを渡すだなんてずるいわ……!」

 

「なんですか、面倒くさい人ですね」

 

「………………」

 

 額の触覚をぴょこぴょこと動かしながら怒ってますと身体で表現してくる堝楠にカナンは溜め息を吐く。そんな母親の顔をじっと見つめるアズリエルは終始何か言いたげな様子だった。

 

「だから私もルカちゃん何かあげたいのよ……」

 

「そうですか……では安価を取りなさい、なう」

 

「人様のプレゼントに安価とか正気……?」

 

「しゃらっぷ、そんな下らない理由で中央タルタロスまで来るとは……」

 

「仕方ないじゃない……私が持ってるものなんて――」

 

 堝楠は自身の身体に触手を突き入れつつ暫く伸び縮をすると、体内から何かが吐き出される。それは少し齧られた様子で片手ほどの大きさで赤と白が入り混じった奇妙な配色をしたカエンタケのようなキノコに見え、血のように真っ赤な何かが滴ってもいる。

 

 それを皮切りに堝楠の身体から何らかの生物・無生物の欠片や切れ端や溶け残りが排出されるが、例えどんなものであろうと既にガラクタの域を出ないモノと化しているだろう。

 

「装備以外だと、この世界に来るまでの移動で口に入ったモノの残りカスぐらいね」

 

「食べ残しを吐き出すなど不潔な――あっ……これ華音さんの果実じゃないですか」

 

「不味いのよねぇ……それ」

 

「わかります。ドリアード娘さんとかの果物ってその人の性格や経験が味に出ますからねぇ……おや? 種入りですか、それなら――後で何かに使うとしましょう」

 

「悪い顔してるわね、ワタシ」

 

 

『ぽ……ぽぽ……』

 

「お、お母さん……このキノコしゃべる……」

 

 何気なしにキノコを拾い上げたアズリエルは、手の中でぷるぷる震えて何らかの音を出しているそれに顔を引き()らせているが、華音の果実なるものを眺めている2名の親は気にする様子はない。

 

「まあ……これは私が貰っておきましょう。プレゼントにはなりそうにありませんが、何かに使えるかも知れません。仕方ないですね……代わりに私が昔作った何かでも――」

 

 

「力を分けてあげるね……ぴぴぴぴ……」

 

『ぽぽぽ……』

 

 そう言いつつカナンは、自身の白い縦セーターの首元に果実を入れると即座に跡形もなく消え、次に裾から腹に手を入れると暫く弄る。

 

 そして、引き抜くとその手には何らかの物品が握られていた。

 

「そのセーター、魔導具だったのね……ねぇねぇ、私もそれ欲しいわ、ワタシ?」

 

「アナタに渡してもどうせ直ぐに食べてしまうでしょうが」

 

「酷いわね……ワタシ、こう見えて蛭蟲姉さんよりも自制は出来る方なのよ?」

 

「はいはい、考えておきます。それよりこれはどうですか?」

 

「何かしら、その瓶は……?」

 

「服だけを溶かすお薬です。男という存在は、こういう物の渡しておけば喜びますから」

 

「その効果の粘液なら……私出せるわよ? それに私たちの世界ならもんむすの方が需要あるんじゃないかしら……?」

 

「うーん……それなら――」

 

 

「あれ? キミ、何してるの〜?」

 

「……ぴぴっ!? だっ、だれ……?」

 

「あたしはイズン! アポトーシスだよっ!」

 

「わっ、私はアズリエル……」

 

「イヒヒッ……! なんかキミかわいいね」

 

 カナンは再び自身の所持品を確認し、暫く唸ってから物品を取り出した。

 

「えっちな感度だけを3000倍にするお薬です! 全ての感度を3000倍にしたら、実験台にした部下がとんでもないことになったので調整し終えた自信作ですよっ!」

 

「それも出せるわよ……? ルカちゃんに飲ませるのかしら……?」

 

「チッ……我儘ですね。ならとっておきですよ」

 

 

「戦わないの……?」

 

「んー、戦わないよ? というか、戦えない。そこの話してるふたりの内、破滅事象の方が管理者級のアポトーシスだし。私みたいなぺーぺーが攻撃して来ないようにずっと停止信号出してるもの。それで何してるの〜?」

 

「そうなんだ……キノコさんを元に戻してるの……」

 

「へー、やさしいねぇ……あたしも手伝ってあげる〜!」

 

 するとカナンは、自信に満ちた様子で"瀬戸内製薬"と文字が書かれたアンプルを取り出す。

 

「じゃーん、女の子にTNPを生やすお薬です。もちろん、これを使った女の子が男の子を生えたTNPで掘ると、薬剤が伝播して翌日ぐらいにその男の子が女の子になります。やさしいせかいですね」

 

「もんくえの同人誌懐かしいわね……でもワタシたちにはいらないでしょ……? ナメクジは雌雄同体なんだから欲しければいつでも生やせるわぁ……」

 

「私はアナタと違って天使を止めてません……塩かけますよ、塩?」

 

「やーん、ヒドイわ……というか、ソニアちゃんとかに渡すのならまだわかるけれど、ルカちゃんへのプレゼントにするのは可笑しくはないかしら……?」

 

「妙なところでマトモなの止めてください」

 

 "もー……"と口を尖らせつつカナンは、服の裾をバサバサと揺らすと中からドサドサと色々な物品が落ちてくる。そして、それが足元に小山を作った辺りで止まった。

 

「私が依頼や何かしらの用途で作った魔導具とか色々です。手に取った奴を説明するので、どうぞ」

 

「へぇ……ワタシは器用ね……これは……?」

 

「女神の羽根入れです。どんなサイズの毟り取ったイリアス様の羽根でも綺麗に収まりますよ」

 

「なんでそんなものを天使のワタシが作ってるの……?」

 

「依頼してきたルシフィナ姉さんに聞いてください」

 

「へ、へぇ……ならこのイリアスのねんどろいどみたいのは?」

 

「ああ、それはルシフィナ姉さんが、イリアス様の羽根を毟ろうと近くで考えると小刻みに震えるイリアス様人形です」

 

「えぇ……イリアスってルシフィナさんが離反する前も慕われてなかったのかしら……?」

 

「は……? 常に仲良く喧嘩している六祖の方々に言われたくはありませんが? 似たようなものでしょう?」

 

「まあ、それは……じゃあ……これは? 包装用のリボンかしら? 可愛らしい小物ね」

 

「ああ、それは触れた人間を最も身体の相性のいいサキュバスの膝の上に対面座位で転移させる魔導具です」

 

「処刑道具かしら……?」

 

「失敬な……サキュバス側にとって相性が良過ぎて捗ってしまうせいで加減が効かなくなり、絞り尽くされてしまうということが頻発し、結果的に起動した場合の死亡率は47%ですが、全て腹上死のため、魔導具自体に一切の殺傷能力はありませんよ。ちなみに生き残った残りの53%は性奴隷(こいびと)や、結婚まで行っております」

 

「どのみち墓場まで連れて行かれてるじゃない……」

 

「ガタガタと注文が多いですね……そんなに言うなら自分で何か見繕えばいいじゃないですか、アナタ?」

 

「ええ、だから用意しに来たのよ、ワタシ……?」

 

 

「ぽぽぽ……」

 

「ふっかつ!」

 

「イヒヒ……よかったね! うぅ……こっちが干からびるかと思った……」

 

「……アズさん、さっきから何を遊んでいるのですか?」

 

「わわ……お母さんこれはその……!」

 

 カナンは自身と堝楠の背後でアポトーシスたちと何やらしていたアズリエルを眺め、その視線に彼女は肩を震わせる。

 

 この世界に来るまでのタルタロス渡りで、カナンが万の単位ではとても足りないほどのアポトーシスを葬って来たことを知っているからであろう。

 

 カナンは触手と一体化した少女のイズンと、一見すると白いワンピースと帽子をした長身の女性に見えるが、それはキノコや粘液が寄り集まって形成された存在である八尺様を少し眺め、その指を向ける。

 

「ふむ…………面白そうなので、その2人とも私たちのポ魔城へ招きなさい。貴女方のような木っ端でも私の爪の先と小指程度の実力はあるアポトーシスのようですから仲良くなったのなら良い関係を築くのですよ?」

 

「お母さん……!」

 

「わーい!」

 

「ぽぽ……」

 

 アズリエルは嬉々として2人を自分たちのポケット魔王城に招き入れ、そんな姿をカナンは眺め、堝楠は頭を傾ける。

 

「意外と甘いのね」

 

「これまでは私の方で制限していましたが、あの娘はルカさんに似て人誑しなところが少しありますのでね。もう制限する意味もないでしょう」

 

「それならあの娘には過剰戦力じゃないかしら……?」

 

「それも考えていますよ。我々のアポ馴染み(ソニアさん)が、すぐに第三種断界接触しちゃいそうになりそうですが、その辺りはアポトーシスなので弁えているでしょう。最適な友人ですよ」

 

「そう……ならいいわ。それより、ワタシ? 言ったものは買って来てくれたかしら?」

 

「まあ、ご用意しましたが……こんなもの何に使うんですか?」

 

・ヤマタイ酒

・たいやき

・スルメ

・ローストチキン

 

 するとカナンは、怪訝な表情を浮かべつつ予め堝楠が頼んでいた食べ物をその場に浮かべる。

 

 それに引き寄せられるように移動して来た堝楠は、そのままローストチキンを手に取ると齧り付いた。

 

「美味しいわぁ」

 

「…………」

 

 カナンの額に青筋が増えるのを他所に、すぐに食べ終えた堝楠はスルメを齧りながらヤマタイ酒を呷る。

 

「んーっ! ミ° ッ」

 

「………………」

 

 堝楠がスルメと共にヤマタイ酒を飲み干し、徳利まで咀嚼した後に残るたいやきに手を掛け――カナンから一切の予備動作なく放たれた神の矢により、堝楠の頭部が完全に消し飛んだ。

 

「…………痛いわ、ちょっとした冗談じゃない?」

 

「焼き尽くして欲しいのはその舌の根ですか? 仕方がありませんね……」

 

「もう……巫山戯られるのは嫌いなんだから」

 

 頭部を再生した堝楠は、口を尖らせつつ棒状の触手を身体から伸ばし、その先に糸のようなものを生成すると、それをたいやきの尻尾に括り付けた。

 

「ただいま! あれ? あっ、お母さん……また散らかしてる」

 

 その間にポケット魔王城から1人で戻って来たアズリエルは、カナンがプレゼント候補に出した物品を回収し始める。

 

「これで完璧よ」

 

「……本当に何をしているのですか、アナタ?」

 

「始めからここには釣りに来たの」

 

「釣り……?」

 

「もー……仕方ないんだから」

 

 ハテナを浮かべるカナンを他所に、堝楠は辺りを見回し、タルタロスの中でも特に空間が不安定に見える小さな空間に目を付ける。

 

 カナンの視界の端に、ぷりぷりと口を尖らせつつ散らかした物品を片付けるアズリエルの姿が見えるが、何か反応をすれば小言を言われるのが確定しているため、カナンは顔を少し逸らして自らの視界から完全にアズリエルを消した。

 

「とうっ!」

 

 すると堝楠は、空間へ目掛けて聖と闇を内包した触手を放つことで完全にカオス化させ、さながら空間に空いた井戸のように混沌の深淵へと変えると、そこにたいやきを投げ込んだ。

 

「ええ……」

 

「カオスの領域の一番深く、あるいは狭間まで繋げたわ。こんなことしてもソニアちゃんに怒られないのは中央タルタロスぐらいだからねぇ」

 

「アナタいったい何を釣る――」

 

「お、フィッシュ」

 

 するとカナンが言葉を吐き切るよりも先に糸が張り、それに従って堝楠は勢い良く釣り上げる。

 

 

 

「………………」

 

 

 

 そこにはたいやきに食らいついてぶら下がる緑色の髪と尻尾をし、それぞれの手に包丁とカンテラを持ち、小柄ながら不釣り合いなほど胸の大きな魔物の姿があった。

 

「釣れたわ、トンベリ娘ちゃんよ。ワタシ、取って」

 

「ちょ……釣った魚だけお父さんに取らせる子供みたいな――いってぇ!?」

 

「…………!!」

 

 堝楠がたいやきに食いついたままのトンベリ娘をカナンに当てると、トンベリ娘はその包丁でカナンを目にも留まらぬ速さで滅多刺しにした。

 

 

 

 

 

〜 2分後 〜

 

 

 

 

 

「………………」

 

「手こずらせやがりまして……」

 

「あばれんなよ……あばれんなよ……」

 

 そこには縄状に固められた聖素でぐるぐる巻きに縛られ、ミルク瓶をふたつ持つカナンの足元で転がるトンベリ娘の姿があった。

 

 それは既に抵抗を完全に止め、ただ虚空を眺めるばかりになっており、何故か胸部が濡れている。

 

「なんでコイツ、たいやきで釣れたんですが……?」

 

「ワタシ、知らないの? トンベリ娘は魚しか食べないのよ」

 

 カナンは堝楠の戯言を聞き流しつつ、自身に刻まれた切り傷を治し、脇腹に突き刺さる包丁を抜く。それを指で遊ばせながら溜め息を吐いた。

 

「で……? この娘をルカさんにですか?」

 

「うん、やっぱりルカさんへのプレゼントならこれぐらいは強くなくっちゃ! 中ボスぐらいの強さね! 活きのいいトンベリ娘ちゃんよ!」

 

「………………」

 

「死んだ魚みたいな目をしていますが? というか、一刺しで今のルカさんが100万人は死ぬようなダメージを受ける気がするのですが……?」

 

「………………」

 

「なんでもするから食べないでくれって言ってるわ」

 

「うーん……それなら、まあ、狼藉を働くようなことも無さそうですし、ロリ巨乳はイリアス様の性癖なので別に構いませんが……本当に大丈夫なんですか……? いや、その……これ……版権的に」

 

「エロ同人は版権無用でしょ?」

 

 釈然としない様子のカナンを堝楠が押し切り、縛られているトンベリ娘に細めの触手を付けて肩に担ぐ。そして、もう一つの姿である蛭蟲の実妹としての容姿となる。

 

「さて……お姉さんのサプライズプレゼントをルカに見せてやろう! ついでにこの姿もサプライズだ!」

 

「そう言えば、そちらはまだルカさん達に見せていませんでしたね。まあ、ビビるのはイリアス様ぐらいでしょうから構いませんが……。仕方ないですね……アズさんも帰りま――あれ……?」

 

 更に堝楠が時空を裂いてルカたちのポケット魔王城に戻ろうとし始めたため、カナンは片付けをしているアズリエルに目を向け――そこには彼女が着ていた衣服が、そっくりそのまま転がっているだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 七大天使――。

 

 それはとある並行世界のひとつにおいて存在する天使たちであり、その多くは聖魔大戦の後、新たに製造された上位存在である。

 

 既に半ば天使と言えるのか怪しいほどの性能を個々で持ち、それぞれが魔物のような特性を持つため、この世界の女神イリアスが、邪神アリスフィーズの六祖という存在に抱いていた嫉妬と羨望そのものとも言えるだろう。

 

 

(ん~~……流石に疲れました)

 

 

 そんな七大天使のひとり――律法の守護者であり、自称天界で最も清い天使であるラファエラは、現在自身が統治しているサン・イリアの政務室で、椅子に座りながら小さく身体を伸ばしていた。

 

 彼女の側には堆く積まれた書類などがあり、1人でそれを処理し切った事実と、彼女の事務能力の高さが窺えるだろう。

 

 ラファエラは机に置かれた冷め切った紅茶に口を付けながら青い前髪に隠れた瞳で何処か遠くを見つめる。

 

 

(さて、そろそろ勇者一行について考えなければいけませんね……)

 

 女神イリアスが邪神アリスフィーズを殺して聖魔大戦を終えたこの世界に置いて、勇者という存在はほとんど意味を持たない。

 

 故に彼女の言う勇者とは、隣接する並行世界――F00001にいる勇者ルカとその一行を指す言葉である。

 

 そして、現状では勇者ルカは並行世界についてはほぼ知り得ないため、自ずと彼女が考える相手はその一行にいる異常存在のことであった。

 

(”熾天使カナン”――この世界も含めて、如何なる世界に置いても聖魔大戦末期に没している筈の天界最終兵器……エテンを素体としているだけの天使のような何か。言わば七大天使(私たち)の試作機……大先輩ですね)

 

 そう思い馳せながら、ラファエラは自身の手を見つつ小さく声を漏らしながら笑みを浮かべる。それは嘲笑というよりも自嘲しているように思えた。

 

(彼女が生存していた世界があったとして、F00001に目を付け、たった数人だけでそこまで渡って来たのだとすれば……記録されているような不遜で無能な暗愚ではなく、死ぬまで全てを欺き続けた方ということになりますね。尻馬に乗る……いえ、私と気が合うかも知れませんし、接触を図るのも悪くはありませんね。それに――)

 

 ラファエラは頬を高揚させ、少し息を荒げる。傍から見れば風邪を引いているようにも思え、近くに部下が居れば心配されることだろう。

 

(彼女とそっくりのあの可愛らしい幼子は何者なのでしょうか? 見た目から察するに勇者ルカとの子? いえ、そんなことよりもアレは確実に実年齢も伴った幼女、だとするのならば貴重過ぎる天使の幼子であり、ぷにぷにな――)

 

 

 ラファエラが思考を回転させ始めた次の瞬間、微かな空間の揺れと共に自身の膝と胸に重みと温かさを感じたことで下を見下ろす。

 

 

 

 

 

「ひゃぁ……お姉さんだれぇ……?」

 

 

 

 

 

 そこには――首にチョーカーのように付いたリボンを中心に大事なところをリボンで隠しつつデコレーションのように巻きつけた全裸の少女。

 

 そして、そのまま食べてくださいと言わんばかりに抱き地蔵などとも呼ばれる対面座位の姿勢で、ラファエラにしがみつくカナンの娘――アズリエルの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 







〜 カナンが作った魔道具集 〜


イリアスケース
 ルシフィナがカナンに依頼して作られた魔道具。どんなサイズの毟り取ったイリアスの羽根でも綺麗に収まる女神の羽根入れ。バナナケースとよく似た形をしている。

ルシフィナ「イリアス布団が作れそうね」
カナン「そのときは協力しますよ、姉さん」



グッドスマイル
 イリアスがカナンに依頼して作られた魔道具。ルシフィナが、イリアスの羽根を毟ろうと近くで考えると小刻みに震えるイリアスの形をしたデフォルメ人形。
 ただそれだけの防犯グッツ的な魔道具だったのだが、ルシフィナがイリアスの近くに居ると、一切止まることなく常に震え続けるという状態になったため、イリアスはこの魔道具に欠陥品の烙印を押し、一連の記憶を封印することに決めた。

ルシフィナ「正常だと思うわよ……?」
カナン「このイリアス布団ふかふかですよ、姉さん」



サキュバスぷりずん
 その昔、聖魔大戦を生き残り、暇を持て余していたカナンが、サキュバス村でマッシュポテトを3トンほどマッシュすることになった時に村のサキュバスの"出会いが欲しい"という要望を片手間に聞いて作った包装用のリボンのような形をした魔道具。
 触れた人間を最も身体の相性のいいサキュバスに対面座位で転移させる。転移と同時に人間はデコレーションされ、テレポートやハーピーの羽などによる転移を封じる効果がある。魔道具自体に一切の殺傷力はないため、死亡率47%という数字は荒唐無稽であるとカナンはプリプリ怒る。
 千数百個が世界中にばら撒かれ、現代まで製作者の神経を疑うような悪辣な呪物として語り継がれているらしい。

※尚、デコレーションの解除には時魔法、陰陽術、本魔術に対する極めて高度な理解が必要。

イリアス「気軽にSCPのようなものを作らないでください。これで何度目ですか? 魔物でさえ、時々は反省する生き物なのですよ?」
カナン「イリアス様は、自分が陥れた魔物や人間達を逐一覚えているのですか? 慈悲深いですね」



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