現代艦しか建造されない鎮守府(仮)   作:秋月艦隊

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第10話 ソロモンからの吉報【大本営side】

 

発 ショートランド泊地 提督

宛 大本営 軍令部 伊藤直也中将

 

八月七日深海棲艦中規模艦隊ヲ撃滅セリ。

サレド敵ハ大規模侵攻ノ予兆ヲ見セツツアリ、大本営ノ指示ヲモトム

 

大本営軍令部では上記の報告を受けて軍令部総長・井上直也中将のもとには多数の有用な提督が集まっていた。

 

「…で、率直にどう思う?」

 

「───到底信じられませんな」

「それはこちらも同じだ」

「しかし、もしもと言う物もある…議論は必要だ」

「…本当に嘘と決めつけるのは時期尚早では無いか?」

「大方、戦果を偽造したのでしょう」

 

横須賀・呉・佐世保・舞鶴・大湊と名だたる鎮守府の指揮を執る提督が集まり情報について議論していた。

しかし、5名の提督のうち、真剣に検討すべきと意見しているのはその内の2名だけで他は考えることもバカバカしいとばかりにどうでも良さそうにしている。

 

「…今は真実かどうかは構わない、重要なのは深海棲艦の中規模艦隊が実際に消えたことだ」

 

「確かに、また何処に現れるか気が気じゃないですね」

「それ以前の問題だ、奴らにそんな知性があるとは…」

「…知性個体は昔から議論されている話だ、今更ではないか?」

「…撤退したか、それとも迂回したか」

「もし奴らがショートランドを迂回したならば、フィリピンやインドネシアの方から発見報告があって然るべきなのですが…ましてや南太平洋には米国の原潜が展開されているはずでしょ?」

 

みなが一様に議論を重ねているが、そのどれもが非現実的で的を得ていないような雰囲気を醸し出していた。

 

「…本当に敵艦隊を殲滅した可能性は?」

 

井上直也中将が額に手を当てながら集まった提督たちに改めて問う…それはあくまでも政府やメディアに報告する上で間違いがないか念の為に聞いているらしく、最早答え自体は決まったようなものだった。

 

「仮に建造できたとしても、建造されたばかりの艦娘がまともに戦えるとは思えません、彼女たちも我々と同じで訓練を行いある程度の練度に達しなければまともな戦果などあげられないのですから」

 

横須賀の岩見提督が一般常識を用いながら事実である可能性を否定する。

 

「深海棲艦相手に生身の人間や通常兵器は余りに無力だ、だからこそ彼女たち"兵器"があるのだ、それを建造出来ないからこそ最前線に送り込んだんだ、まず間違いなく嘘でしょう」

 

呉の伊藤提督があえて兵器と言う単語を強調し、周りの人間たちに告げる。

それは深海棲艦が現れてから当たり前になった常識であり、軍の人間のみならず一般の人にも伝わっている内容だ…しかし、言葉の節々には差別的な発言が見られ佐世保と舞鶴の提督2人は顔を顰めた。

 

「…確かに、現状を鑑みるにやり過ごしただけかと」

 

「敵が反転した可能性も捨てきれん…前線で彼が精神的ストレスの結果幻覚を見たのかもしれん」

 

佐世保・舞鶴の提督は当たり障りのない内容で井上の問に答えた…しかし、当たり障りの無いと言っても悲痛なことには変わりなかった。

 

「功を焦ったショートランドの提督が嘘を言っただけでしょう、それ以外考えられませんわ」

 

この中で唯一の女性である大湊の提督が侮蔑たっぷりに答える…流石に今回は井上ですら顔を顰めたが、致し方ないと思い特に何も言わなかった。

 

「…ならば、メディアには敵艦隊は急遽反転しこちらの被害は一切なかったと伝えよう、政府やそのほか上の方々には私から直接話をつけておくので、君たちは先に戻ってくれて構わない」

 

「は、了解しました」

「はい」

「わかりました」

「…」

「えぇ、こんな辛気臭い場所にいつまでも居れませんからね」

 

集まった提督達は特に話をするでもなく直ぐに帰って行った。

井上としてはそれが何よりもありがたく…そして何よりも悲しかった。

かくして、最前線からの必死の呼びかけは特に話題に上がることも無く処理され、大本営はその通信にあった"敵大侵攻作戦の予兆"についぞ気づくことは無かった。

 




感想・評価ありがとうございます!
…普通の艦娘(一航戦や戦艦長門・重巡高雄・吹雪など)が登場するのはあと2話程後になりそうです…早く出したいけど書きたいことが多すぎるんだ!!俺は悪くねぇ!!(白目)

太字や点滅などのフォント関係

  • これまで通りで大丈夫
  • 無くて良い
  • 更新速度あげるんだよあくしろよ
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