執務室のすぐそばに用意された提督用の私室、そこで俺は安物のベットの端に腰掛け絶賛頭を抱えていた。
理由は言わずもがな、先程建造された艦娘【インディペンデンス】についてだ。
本来ならば喜ぶべき本鎮守府初の正規空母だが…来てくれるタイミングが考えうる限り最悪だ。
特に資源に関する問題は顕著で1度でも3人を同時に全力出撃させればそれだけで今後の作戦行動が不可能になる程度の資源しか残されていない。
ましてや、ショートランド泊地は南太平洋とソロモン海に挟まれたソロモン諸島のひとつに属する島に存在する鎮守府であり、現状の最前線だ…つまりここに居ては本国からの補給などと言うのは絶望的なものであり、周囲にいるのは深海棲艦の艦隊と来たら…もう、わかるが今すぐ遠征艦隊を派遣しなければ我が鎮守府は遅かれ早かれ戦闘能力を奪われ深海棲艦の驚異に対応できなくなる。
「…よしっ、遠征艦隊を編成しよう」
──と、言ってもだ、現状編成できる艦娘はブルーリッジ・キーロフ・インディペンデンスの3人だけで到底、遠征には向かない艦娘たちなのだが…新たに艦娘を建造する余裕すらないショートランド泊地では何とか彼女たちを任務に出さなければ終わりだ。
「ブルーリッジ、すぐにキーロフとインディペンデンスの2人を作戦室に集めてくれ」
「はいっ!直ちに召集します!」
「出来るだけ早く頼む」
俺は廊下を歩いていたブルーリッジに2人を連れて作戦室に来るよう告げると自身はすぐさま作戦室に向かって少し早歩きで向かった。
「──よし、資源地帯は…何処だ?」
そう言えば、俺資源地帯の場所とか一切知らないんだけど…い、いや!?まだ諦めるのには早いぞ!!そうだ!トラック泊地!!ここから近い鎮守府に資源の融通を聞いてもらおう!少なくともあそこの提督は"良心派"の提督だったはずだから俺の悪評に関係なく艦娘たちのピンチなら助けてくれるはずだッ!!
「提督、2人を連れてまいりました」
「ん、あぁ、さっきぶりだなインディペンデンス」
「はい、提督」
「建造されてすぐだが任務を与えたい」
俺は建造されたばかりの艦娘であるインディペンデンスに早速任務を与える旨を伝えた。
すると、インディペンデンスは驚いたような表情をしつつも不敵な…なんと言うか底冷えするような笑みを浮かべた。
「──早速ですか?」
「あぁ、そのために…改めてお前が装備している装備について一度説明を頼めるか?」
「はい、私が搭載している装備はF-14トムキャット×14機 F/A-18ホーネット ×36機 E-2ホークアイ×4機 SH-60Fオーシャンホーク×3機 です」
俺が説明を頼むとインディペンデンスは俺がひとつとして知らない艦載機を事細かに説明してくれた。
その時には先程の底冷えするような笑みはなりを潜めており、気の所為にも感じられた。
「…よし、ブルーリッジ」
「は、はいっ!」
「お前はインディペンデンスと一緒にトラック泊地に向かってくれ」
そう言うと、俺は右手に持っていた資源の融通を聞いてもらう為の書類と鎮守府の現状とともに入れた封筒をブルーリッジに渡した。
「それと、途中潜水艦を発見したら即座に撃退しろ」
「それは、どのような潜水艦でもですか?」
「…そうだな、あくまでも無力化が出来れば構わない」
ブルーリッジの問いに答えると彼女も納得したような面持ちで頷いた。
…なんと言うか、転生する前は可愛い艦娘たちに囲まれてイチャイチャハーレムとか考えてたけど、こうも極限状態が続くとそうなくだらない事も考えられなくなるんだな…一気に老化が進んだ気分だ。
「よろしい、では今から…2時間後に出撃せよ、細かい航路は出撃前に伝える」
「「はいっ!」」
「提督…私は?」
「キーロフ、お前は…私と一緒に鎮守府を守る任に着いてもらう」
嘘です、ごめんなさい。
前回の出撃で分かったけど下手な戦艦よりも燃費が悪いからお留守番です。
特に前回の弾薬使用量に関してはブルーリッジと比較しても桁が違ったからな?もう勝手に出撃なんて許さないからな?マジで。
俺は何故か嬉しそうにしているキーロフの姿を少しゲンナリした顔で眺めた。
感想・評価ありがとうございます。
迫りくる驚異=物資不足。
艦娘視点=何か深い考えが…?
太字や点滅などのフォント関係
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これまで通りで大丈夫
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無くて良い
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更新速度あげるんだよあくしろよ