現代艦しか建造されない鎮守府(仮)   作:秋月艦隊

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第12話 南太平洋北上【艦娘side】

南太平洋上を悠々自適に航行する私とブルーリッジは一路、日本防衛の要衝の一つであるトラック泊地を目指して提督に言われた通りの海路を進んでいた。

 

「ブルーリッジ、哨戒機が現海域より350海里離れた地点に深海棲艦の潜水艦を発見しました」

 

私はブルーリッジに向けて哨戒機からもたらされた報告を伝えた。

するとブルーリッジは少しの間、情報をまとめあげてから私に指示を出した。

 

「…念の為に攻撃しておきましょうか」

 

「わかりました」

 

私はブルーリッジの指示に従い攻撃機としてF/A-18 ホーネットを3機カタパルトから打ち出しました、3機は私たちの上空で数回旋回し集結すると先程の敵潜が存在するであろう海域に向かって飛び去って行きました。

 

「…不思議ですね」

 

「?」

 

私はその姿を愛おしそうに眺め呟きました。

 

「ずっと見てきた景色なのに、目線が変わるだけで全てが変わって見えてしまうのですね…」

 

「…えぇ、本当に、そうですね」

 

ブルーリッジは私の独白とも言える言葉に共感するような言葉をこぼし、もう見えなくなった航空隊の方を遠く眺めた。

 

「…」

 

…航空機を発艦させたからでしょうか?不思議とかつての日々の面影と、指揮官の顔が浮かんできました。

…何故 提督の顔が浮かんでしまったのでしょう?まだお会いしてから一日と経っていないのに、脳裏に焼き付いてどんどん思い浮かんできてしまいます。

厳格な表情を浮かべる指揮官、笑みを浮かべ私に手を伸ばす指揮官、他の艦娘のことを大切そうに眺める…出来ればその微笑みも瞳も私だけに向けて欲しいと思うのはちょっとワガママが過ぎるでしょうか?もし私が頑張ったら提督は褒めてくれるでしょうか?…もしも褒めてくれるならばよく頭を撫でて欲しいと思ってしまいます。

 

「はぁ…」

 

「?、どうかしましたか?」

 

「あ、いえ、問題ありません」

 

どうしようもないと分かっているというのに、一番最初に建造された艦娘でないことが悔やまれます。

もしも最初に建造されたならば、より多くの姿を目に映せていたでしょうに…少しはしたないですね。

 

「ん?あれは…」

 

「どうしました?」

 

私が哨戒機からの報告を確認していると、トラック泊地に近い海域で戦闘が行われていることに気づいた。

一方は青白い肌に黒い艤装を展開する憎悪の塊のような存在…深海棲艦、そしてもう一方は少女らしい肌色にねずみ色の軍艦色で塗られた艤装を展開し必死に逃げ回っている少女…艦娘である。

周囲には深海棲艦のものとも艦娘のものとも見て取れぬ赤や青の液体が海上に浮かんでおり、戦場の悲痛さを物語っていた。

 

「…戦闘中のようです」

 

「艦娘と深海棲艦が、ですか?」

 

私の言葉にブルーリッジが眉をひそめて判断を迷っていた…何故かは分からない、しかしトラック泊地から50海里も離れてない海上で戦闘をしてるとあればこちらの安全を考えて敵に対して攻撃をするべきでは?

 

「どんな艦娘か分かりますか?」

 

「…おそらく駆逐艦が1人です、少なくとも索敵圏内には他の艦娘は確認できません」

 

私の報告を聞き再び考え込むブルーリッジ。

しかし、今度は数十秒程度で意識を戻し私のことを見た。

 

「──その艦娘の事を援護しましょう」

 

「わかりました、規模は二個飛行隊で十分でしょうか?」

 

「えぇ…援護した後はその艦娘が帰還するまで上空援護を行いましょう…私の予想通りトラックの艦娘ならばよし、違うなら提督に指示を仰ぎましょう」

 

なるほど…ブルーリッジはトラックの艦娘かどうかで悩んでいたのね、もしかしたら何か助けたくない理由があるのかもしれませんが…それは後でゆっくり聞けば十分でしょう。

 

「──艦載機発艦始め」

 

先程と同じように…いえ、さらに手際良くカタパルトから次々と艦載機を打ち上げていく。

F-14・F/A-18が合わせて24機、明らかに援護としては過激とも思える数の機体が敵艦隊に向かってアフターバーナーを全開に吹かして進んでゆく。

 

「ふふっ」

 

─かつての日々と変わらぬ航空隊の姿に頬を緩め目を細める。

もはや見ることは無いと思った大海と空の色に照らされながら私たちは目標の海に近づいて行った。




感想・評価ありがとうございます。
登場させる艦娘で悩みました…詳しくは次回。

太字や点滅などのフォント関係

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