現代艦しか建造されない鎮守府(仮)   作:秋月艦隊

17 / 42
第16話 帰還途中に【艦娘side】

 

私たちがトラック泊地に着いてから1時間ほどたった頃、私達はトラック泊地の提督のご好意によって鎮守府への物資と自分たちへの補給を受けることになりました。

 

「いやーごめんね〜」

 

「問題ありません、感謝します」

「いえ、燃料だけでも補充して貰えて助かりました」

 

そして、私達は工廠で特徴的な桜色の髪色をした艦娘【明石】から燃料の補給を受けました。

本当は弾薬も補給したかったのですが、明石やトラックの妖精さんではミサイルやバルカン砲などの兵装の弾薬は補充できないらしく、少し疑問に思いながらも私達は彼女に感謝を告げて工廠を後にしました。

 

「それにしても、不思議ですね」

 

「…そうですね」

 

なぜトラックの妖精さん達はミサイルやバルカン砲の弾薬を補充することが出来なかったのか?私とブルーリッジは未だにどこか引っかかる物を感じながらトラック泊地の廊下を並んで歩いた。

 

「──それでは、失礼します」

 

「あ、あぁ…気をつけて帰還してくれ」

 

私達はトラック泊地の提督から"お土産"を受け取りショートランドへの帰路に着いた。

 

「えぇ〜もう行くっぽい?」

 

「──こちらも任務ですので…申し訳ありません」

 

帰還しようと海に降り立った私達は不満そうに腰を落とす夕立に引き止められましたが、ブルーリッジは冷静に対応しました。

夕立はその言葉を聞くと、仕方ないと納得してくれましたが…私はブルーリッジが何となく夕立、と言うよりもトラック泊地の艦娘に余りいい気持ちを抱いてないように感じました。

 

「──ブルーリッジ…あなたは、何を思っているの?

 

「インディペンデンス…逆に聞きますが、あなたはどう思っているのですか?

 

トラック泊地を出発してから早10分、私は先程のブルーリッジの姿に思わず話しかけました。

しかし、私は逆に問われ唖然としてしまった。

 

「…私は提督の為を思って行動していますわ」

 

「それは私もキーロフであろうとも同じです…あなたが聞きたいのは他の艦娘や国家、ひいては大本営についての話でしょう?」

 

「…はい」

 

読まれていたと言う感想よりも先に関心を覚えた私は観念してその言葉に同意した。

元より私達がここにいる時点で沈んでいるか、あるいは解体されてこの世から消えてるかのどちらかなのは確かだろう…そして、その過程に何があったかは現場の人間や船そのものしか知り得ないのも確かな事実だろう。

私自身には恨む気持ちなど欠片もないが、他の彼女たちに通ずるものがあるとは限らないのだから。

 

「…私は日本と言う国と大本営…ひいてはのうのうと後方で何も知らず生きている日本国民が許せません」

 

「――そう」

 

 

彼女(ブルーリッジ)は少々上の空気味にポツリポツリと語り始めました。

かつて自分は栄光あるアメリカ第七艦隊で長らく旗艦を勤めていたこと、そしてそれは深海棲艦が出現してきた時も同様だったこと。

さらに、自分たちアメリカ海軍が必死に戦っている中、日本の自衛隊は勝手に戦線を離れ逃げたこと。

 

「航空自衛隊…いえ、現在の日本空軍は私達が撤退する援護のため上空援護を続けてくれました」

 

──しかし、彼らも続々と落とされ我々は空を奪われた。

 

彼女は語る…もはや誰も覚えていないであろう戦いの記録を、同郷の仲間に自身の心境を。

そこにあるのは、希望か絶望か…はたまた虚無なのか?それは私には分かりきらなかったが少なくともブルーリッジは全てに絶望した訳では無いと思った。

 

「…私が沈んだ時の話は、今はしたくありません」

 

「大丈夫です…私にだって思い出したくない過去はありますから」

 

「──ありがとう」

 

鎮守府を出発してすぐの時には、彼女の心境をしっかりと聞こうと心に決めていたが、改めて聞くと聞かない方が良かったのでは?と言う気持ちが溢れてくる。

何度も言うが私個人には日本と言う国への恨みは無い、しかし…無能な大本営に対する怒りとも取れる感情は私の心に確かに燃えていた。

 

「ブルーリッジ、あなたは言いましたよね?」

 

「…えぇ」

 

私は生まれてすぐ聞いた話を思い出し彼女に問いかけた。

彼女は確かに言ったと一言、えぇと答えた。

 

「──ならば、その感情も恨みも憎しみも全て提督と共にショートランドから返してやりましょう」

 

私はそう言うと笑みを浮かべ手を伸ばした。

 

は、はは、あはははッ!

 

虚をつかれた顔をしたブルーリッジは声を上げてひとしきり笑うとヒーヒーとお腹に手を当てながらも、確かに私の手を握った。

 

「──えぇ、提督とあなた達が居てくれれば成し遂げられるでしょうね」

 

「─はいっ!」

 

その時の表情は確かに晴れやかだった。

 




感想・評価ありがとうございます!
今回はブルーリッジとインディペンデンスが仲良く(共犯者に)なる話でしたね。
次は提督sideからかな?それはそうとアンケートを取ります。

新たな艦娘、どの船がいい?

  • イージス艦!やっぱり防空大切!
  • 空母!ナパームは格別だぜぇ!!
  • 巡洋艦!打撃力は重要だ!!
  • 沿海域戦闘艦!遠征しよう!!
  • フリゲート!やっぱり万能が1番!
  • 強襲揚陸艦!遠征も戦闘もこの一隻!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。