現代艦しか建造されない鎮守府(仮)   作:秋月艦隊

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第18話 護衛艦【提督side】

 

「…とりあえず、昨日の報告をして貰っていいか?」

 

朝食?によって気絶し、早数時間。

目覚めた俺は執務室で頭を抱えたくなりながらも声を出した。

 

「はい…」

「…すまん」

「えっと、かっこよかったですよ?」

 

はぁ…どうして あんな事になったんだ?いや、理由はわかるし動機も理解できる。問題は俺の気持ちだ。

今朝の悲しい事件、発端はブルーリッジとキーロフがどっちの方が美味しい料理を作れるかという勝負だったらしい。彼女たちは二人だけでは決着がつかないと、公平性を期すため提督に審判を…と少々強引にだが頼んだらしい。

あと、インディペンデンスはブルーリッジを贔屓するため審判から除外されたらしい。

 

「はぁ…怒ってないから大丈夫だ。それより報告を頼む」

 

「は、はいっ!では、こちらを…」

 

切り替えて俺に書類を差し出すブルーリッジ。

差し出された書類を右手で受け取り軽く流し読みする。内容としては大量の物資を鎮守府に運び込んだ事と、トラック泊地に向かう途中で複数の深海棲艦を撃滅したと言ったものだった。

 

「ふむ…なるほどな」

 

これと言って不思議なところは何も無い、ただ物資をトラック泊地から輸送しただけの事だ。幸いにも接敵した深海棲艦の数も小規模艦隊2つと中規模艦隊が1つ、問題点も弾薬消費量以外に目を瞑れば大したこともない…。

…だが、これはなんだ?

 

「ブルーリッジ」

 

「はいっ!どうかしましたか?」

 

「…俺の見間違いならいいんだが、ここに書いてある【正体不明潜水艦を発見】というのはどういう事だ?」

 

まず正体不明潜水艦ってなんだ?深海棲艦の潜水艦以外の艦艇がいたのか?というよりも発見しただけで攻撃しなかったのか?

疑問は次々と浮かんでくるが、とりあえずはブルーリッジとインディペンデンスの言葉を待とうと深く椅子に座り込んだ。

 

「はい、実は帰還途中に私の艦載機が潜望鏡を確認しました」

 

「…」

 

「さすがに国籍や艦級は確認できませんでしたが、大きさや機関音からして有人型の潜水艦で間違いないと思われます」

 

詳しくわからんが…要するにどこかの国の潜水艦がソロモン方面に展開してたって事だよな?…と言うかなんでこんな最前線の孤立したソロモン方面に貴重な潜水艦を展開しているんだ?…まぁ、深く考えないでおこう。

俺はどことなく感じる不安感を悟られないように顔を引き締め再び書類を見つめた。

 

「──ふむ、とりあえず…その潜水艦については後で大本営に確認しておく」

 

「はい」

「了解しました」

 

2人には俺が対応すると伝え、俺は3人に物資の活用方法についての意見を求めた。

ぶっちゃけ俺一人じゃ決められないから3人に任せてるだけなんだがな…これも深く考えないでおこう。

 

「…早期警戒機やレーダー関連の装備を開発するべきでは?」

 

「いや、遠征や護衛のために更に建造するべきだ」

 

「私としても護衛にイージス艦がいてくれると心強いですね」

 

3人が思い思いに意見を出していくが、ブルーリッジは防衛網の強化のため装備の開発を、キーロフとインディペンデンスの2人は艦隊戦力の拡充を主張した。

正直、艦隊戦力・防衛戦力の拡充にしても早々に取り組まなければならない問題ではあるため、この意見に関しては非常に助かる。

 

「…そうだな、建造と装備の開発を同時に進めていこう。どちらにしても今後の課題だからな」

 

「はいっ!それがいいかと!」

 

「確かに防衛も重要だな」

 

「助かります」

 

全員の意見をまとめて結論を出すと、俺たちは工廠に赴くため執務室を出た。

先頭には俺とインディペンデンスが並んで歩き、ブルーリッジとキーロフの2人はいがみ合いながらも後ろをついてきた。

 

「――妖精さん」

 

工廠についた俺は未だに熱気冷めやらぬ艦娘2人の相手を秘書艦であるインディペンデンスに任せ、工廠のすみっこでゴロゴロしている妖精さんに声をかけた。

 

「ん〜?あ、ていとくじゃないですか!」

「おーどしたの〜」

「やっと、かいはつをするきになりましたか」

「つぎはだれをけんぞーしますか?」

 

俺が妖精さんの事を呼ぶと、彼らはひょこっと起き上がるとこちらに声をかけてきた。

 

「あぁ、開発もするんだが、まずは建造をお願いしたいんだが…」

 

「りょうかいしました〜」

「は〜い」

「えぇーまたあとまわし〜」

「やったー!」

 

俺がいつものように伝えると妖精さん達はトコトコと建造ドックに向かって走り去った。

…いや、なんか不満そうな妖精さんがいた気がしたが…気にしないでおこう。

 

「…提督、本当に大丈夫なんでしょうか?」

 

「まぁ…いつもの事だ、妖精さんたちなら問題ないだろう」

 

先程まで艦娘2人をなだめていたインディペンデンスが不安そうに言葉を漏らすが、俺はいつものマイペースな妖精さんの事と割り切って答えた。

…ちなみに2人の艦娘はトムキャット?なる戦闘機から鋭利なロケットを突きつけられて黙らされていた…いや、少し見ないうちに何があったんだよ…。

俺は事情を聞こうかと考えたが…怖くなってやめた。インディペンデンスの冷徹な微笑みもそうだが、2人の怯えようも中々に鬼気迫るものだったからだ。

 

――そんな事をしていると建造の準備が整った――

 

「妖精さん。イージス艦を建造してくれ…できれば2人」

 

…イージス艦と言うのが何か理解できていないが…おそらくはレーダーの1種なのだろう。

もしかしたらピケット艦なんかの防空網を形成するのに重要な艦艇かもしれない。

こんな最前線ではインターネットもその手の書類も見ることができず悪戦苦闘していたが、最近になってキーロフやブルーリッジとの会話で何となく分かるようになってきた…すごいだろ?

 

「ふたりどうじですね〜」

「そーれ」

「うでがなります」

「いくよ〜」

 

そんな事を考えてるうちに妖精さんたちは建造ドック内に資源を放り込んでいった。

2人建造すると言うことで妖精さんは今まで使ってこなかった横のドックにも同様の準備を行う、俺と三人の艦娘はその様を不思議そうに見つめて準備が終わるのを待った。

 

「…建造開始」

 

俺は妖精さんの作業が終わりピシッと敬礼をしてきたタイミングで建造を開始した。

 

─3:00:00─

 

─4:00:00─

 

「普通だな」

 

「はい?」

 

今まで8時間や10時間が当たり前のように出てきていた建造で長いことには長いが普通の建造時間が現れた事に俺は声を漏らした。

 

「…高速建造してくれ」

 

「あいよ〜」

 

変な反応を見られてしまった事に気まずさを感じた俺はそれを誤魔化すように高速建造を命じた。

すると今までのように炎が建造ドックを覆い白い煙が工廠全体に広がった。

流石に2隻同時に建造するとなるとその煙はこれまでの比ではなかった。

 

――うわぁぁ…何も見えないぞぉ――

 

情けない事を思い浮かべながら俺たちは煙が晴れるのを待った。

 

「―――あなたは?」

「―――貴官が私の提督か?」

 

白い煙の向こうからコンパクトな艤装を展開した影が2つ。

流石に4回目でなれた俺はその問いかけにこれまで通りに答えた。

 

「…あぁ、俺が提督だ」

 

「そう…」

「そうか…」

 

煙が晴れると、灰とも白とも言えぬ不思議な髪色をしたよく似た艦娘が立っていた。

スマートな印象を受ける単装砲に円柱状のロケット?発射管を複数備え、キーロフのような発射管も同様に備えた艤装…だが、何よりも印象的なのはヘッドホンとその周囲に取り付けられた大小複数の【白い板】であった。

 

「――あきづき型護衛艦、三番艦・DD-117【すずづき】です…程々にがんばります」

 

「同じく、あきづき型護衛艦、四番艦・DD-118【ふゆづき】だ…艦隊の防空なら任せてくれ。”汎用護衛艦”として何があろうと艦隊を守り抜こう」

 

「あぁ、これからよろしく頼む2人とも」

 

なにはともあれ、今回は何も失敗することなく建造できた、な…あれ?汎用護衛艦?イージス艦じゃないのか?…なにか重大な問題を起こしてるわけじゃないよな?

俺はそ~っと妖精さんたちの事を見た。

 

「…はいぶんをみすっちゃいました、てへぺろ☆」

 

「…はぁ

 

どうして俺の建造はいつも上手く行かないんだ?俺は未だ残る倦怠感と疲労を吐き出すようにため息をついた…ちなみに、ふゆづきとすずづきはどちらもキョトンとしていた。

 




久しぶりに見たら評価バーが赤くなってたので、続きを書かなければと言う使命感でかきあげました。
イージス艦を登場させなかったのは【本当に申し訳ない】…今度建造するときにはちゃんと出すので…許して…。
汎用護衛艦を出したのは艦隊防空ならこっちのほうがいいかなって思ったのと、作者の名前を見るとわかるようにただの趣味です。
ちなみに艦これの方だと秋月型では史実を加味して涼月と冬月が好きです。
次回は…未定ですが頑張って書きますので少々お待ち下さい。

次、建造する艦艇

  • アーレイ・バーク(イージス艦)
  • タイコンデロガ(巡洋艦)
  • ワスプ(強襲揚陸艦)
  • ジャン・バール(戦艦)
  • アドミラル・ゴルシコフ(フリゲート)
  • バージニア(原子力潜水艦)
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