現代艦しか建造されない鎮守府(仮)   作:秋月艦隊

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第26話 鉄血海域【艦娘side】

「各艦データリンクによる連携を重視」

 

ブルーリッジが水平線を睨みながら告げる。

 

『了解』

 

艦隊はその言葉で戦闘海域が近づいてきていることを察した。

それもそのはず、彼女たちが見つめる水平線の先では対艦攻撃を済ませ、敵の情報を送り続けるF−4戦闘機の姿があった。

しかしF−4は被弾したのか黒煙を吐いており、到底無傷とは言えなかった。

 

――刹那、F−4の周囲に炸裂弾の黒煙が広がった――

 

「――あれはッ!」

「…一筋縄ではいかないようだな」

 

インディペンデンスとキーロフが声を上げる。

その視線の先には回避機動によって速度が落ちた瞬間を狙われて落ちていくF−4の姿があった。

きりもみ回転しながら落ち行く戦闘機、戦場にはキーン…とした嫌な音が流れた。

 

――ドンッ!!――

 

轟々と炸裂音が響き、戦場の空気を穿った。

 

敵…それは明確な敵意を持って蒼き炎をたぎらせていた。

巨大な艤装に多数の火砲、スラリと伸ばした手足で水面を征く冷徹な肉体は敵を見定めようと進む。

 

《…シズメ》

 

「…知能個体」

 

明確な強敵の出現。

艦娘たちはそれを前にして確かに気押された。

 

――ドォォォン!!――

 

ッ!!敵知能個体を目標αとします!インディペンデンス航空隊は目標αに集中攻撃!!それ以外を各艦の武装で対処します!!」

 

『了解!!』

 

ショートランド泊地の艦娘と目標αの距離は約20km…複数の諸島が乱立するソロモン海域によって攻撃を受けるまで通常の深海棲艦しか居ないと想定して動いていた艦隊は初期対応に遅れた。

しかし、彼女達の類まれなるレーダー機器の性能のおかげか、はたまた情報を送り続けてくれたF−4のおかげか、定かではないがブルーリッジの指揮の元、艦娘達は戦闘を開始した。

 

《 ナゼダッ!! 》

 

敵知能個体は上空で待機していたF/Aー18ホーネットの対艦ミサイル攻撃によって次々と爆発が突き刺さった。

敵の攻撃が緩んだ一瞬を見逃さず艦娘たちの対艦ミサイルが降り注ぐ、先程の攻撃以上の爆音が戦場に響き敵がよろめく。

 

「今です!!集中攻撃!!」

 

くらえぇぇッ!!!

 

キーロフが対艦ミサイルをほぼ水平に発射する。

水面を超音速ミサイルが速度を上げ飛翔し目標αに突き刺さる。

 

――ドゴォォォォン!!!――

 

《 ガァァァァ!!ユルサナイッ!!ワタシハッ゙!!! 》

 

意味のなさない言葉の羅列を叫ぶ。

目標αは明らかな致命傷を喰らいながらも確かに立っていた。

 

ッ!?

 

《 シズメェェェ!!! 》

 

周囲の深海棲艦の大半を排除し、残る敵が目標αのみになった時、艦娘たちの持つ優秀なレーダーが多数の敵機を捕らえた。

その敵編隊は低空を這うように飛び、早期警戒機の目が目標αの登場でそれた瞬間を狙ったように上下左右に散開した。

距離にして50km…このままの速度で敵機が突入すれば5分前後で攻撃を受ける距離だ。

 

「対空戦闘用意!汎用護衛艦の実力を示すぞ!」

「――了解」

 

すずつき・ふゆつきの両艦が即座に対空戦闘を開始する。

ESSM…発展型シースパローを2発3発と連続発射する。

 

わずか30秒にも満たない時間で各艦32発のミサイルが発射され、合計62発が敵飛行編隊の各目標に突き進んだ。

敵機はその本能故か、ミサイルの脅威に気づいたかどうかは分からないがミサイルが接近すると急旋回を織り交ぜて回避機動を行った。

 

しかし…チャフ・フレアも無ければステルスでもない深海棲艦の航空機がその程度でミサイルを回避することなど出来るはずもなく、次々と爆炎が空を覆い敵機の大半が消滅した。

 

「…これでは空母の出る幕がありませんね」

 

F−14が残った僅かな敵機を殲滅しているさなか、艦隊の防空を真っ先に行うべきだったインディペンデンスは目を伏せて反省した。

明らかに早期警戒機で発見できたはずの目標であった…しかし、現実には未知の敵の出現に混乱し早期警戒機による警戒をおろそかにした結果、これほどまでに接近されてしまったのだ、かつての軍艦時代にこんなことをやれば良くて艦隊を危機にさらした事による更迭、悪ければ軍法会議で裁かれることになっただろう。

 

「…精進しましょう」

 

良くて大戦期の骨董品レベルの敵しか出てこないと高を括っていた事がことの発端だ、慢心せずに戦闘に望めばこのように苦戦するはずもなかったのだ、これは次への教訓にするべきだろう。

 

「…その、手柄を取るような真似をして済まない…悪気があったわけではない、の、だが、つい…」

 

「いえ、私こそ意識をおろそかにしていました。直ぐに対処して頂きありがとうございます」

 

ふゆつきがインディペンデンスの横に並び謝罪したが、インディペンデンスは自身の非を認めたうえで感謝し、問題になることもなく混乱は終結した。

 

《…シズメ…シズメ…シ‥ズ…メ》

 

「――目標α沈黙。周辺に敵深海棲艦の反応なし」

 

ブルーリッジが敵の沈黙を確認し、海域の安全を確かめる。

あの敵機がどこから現れたかは定かでないが、とりあえずは…。

 

海域の制海権を確保しました

 

大した損害無しで海戦に勝利したという結果が残った。

 




はい、お久しぶりです。
リハビリがてら書きました。
何か間違った店などがあれば指摘して頂ければ幸いです。

(続きは)ないです。

次、建造する艦艇

  • アーレイ・バーク(イージス艦)
  • タイコンデロガ(巡洋艦)
  • ワスプ(強襲揚陸艦)
  • ジャン・バール(戦艦)
  • アドミラル・ゴルシコフ(フリゲート)
  • バージニア(原子力潜水艦)
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