現代艦しか建造されない鎮守府(仮)   作:秋月艦隊

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第32話 新戦力【提督side】

――時は少し遡る――

 

「念の為とは言えちょっと過激だな…」

 

妖精さんたちを引き連れ工廠に入った俺は残り少ない資源で建造をしようとしていた。

元々半減した資源を補うために今回の遠征(略奪)を発令したというのに懲りずに建造をしようとしているのだ、なにを馬鹿なことをと笑われても致し方ないだろう。

だが、もしもの時救援に向かえるのが数機の基地航空隊(対艦武装のF−4)程度では到底間に合わないかもしれない…勿論単艦で向かわせるほうが自殺行為であるというのは分かりきっている。

しかし、数機の戦闘機だけで向かわせるよりかは成功率は上がるはずだ、妖精さんの用意してくれた資料を信じるのであれば彼女たちが使用するミサイルと言われる兵装は100キロ〜1000キロ近い射程を持つ兵器らしい…最も俺も勉強を始めたのはここ数日だから間違いはあるだろうが、それでもほとんど知識の無かった頃と比べて信憑性は高いはずだ。

 

「だれをけんぞうしますか〜?」

「…バージニア級?かヤーセン級?と言う潜水艦で頼めるか」

 

細かい艦種はまだわからないがブルーリッジとキーロフがこれでもかと推していたし、資料を引っ張り出して確認したから間違いないはずだ。

どちらも潜水艦だが…彼女たちの言葉を信じるなら能力は確実だろう。

 

――いや弁明させてくれ、どちらの資料も英語とロシア語で書かれていて辞書も無ければネットも死んでるここ(ショートランド)では殆ど分からなかったんです…一応英語の方は多少読めたが、艦船の知識が45年の頃までしか習っていない俺には大半が分からずチンプンカンプンだったんだよ…。

 

「うーん…いまのしげんでは、ばーじにあですね~」

「ならこれくらいかな〜?」

「おっけ〜」

 

そんな心の内など知らぬ存ぜぬ妖精さんたちは続々と資源を投入し建造の準備を進めて行く。

時間にして数分、資源の投入を終えた妖精さんが準備完了の合図を送る。

 

「よし、建造開始!」

 

――6:40:00――

 

「…少し長いか?」

 

キーロフやインディペンデンスより時間は短いがすずつき,ふゆつきの2人よりは長い。

…潜水艦だからと少し舐めていたが、バージニア級ってとんでもなく大型の船だったんじゃないか?

 

「こうそくけんぞーしますか?」

 

今更戦々恐々する俺を無視して妖精さんが提案してくる。

 

「そうしてくれ」

 

まだ高速建造の余裕があった事から一も二も無く答える。

 

「りょうかいです!」

 

建造ドックに炎が吹き込まれ周囲が煙に包まれる。

いつもの流れだと慣れたもので、動じることなくドックの方を見つめ煙が晴れるのを待つ。

…徐々に煙が晴れスラリとした影が浮かび上がる。

 

「――What the hell is this place?(ここは、一体?)

「…えっと??」

 

ん?英語?ブルーリッジやインディペンデンスは普通に日本語を話していたはずだが…不安になりながらも、このままでは埒が明かないと意を決して声を掛ける。

 

「――ハロー」

「…」

「「…」」

 

思い沈黙が工廠を包む。

静かに事態を見守る妖精さんたちも固唾を呑んでいる。

俺の前に佇む彼女はグレーの髪に黒色のメッシュ?が入った長髪をしており、ピッチリとした黒いスーツを着込みこちら側から見て右側に円柱状の発射管を装備し、左側に潜水艦の艦首を模した身の丈ほどの大きな艤装を抱えていた。

その他にも潜望鏡らしき物を頭部付近に装備しており一目見るだけでこれまでの艦娘とは違うことが見て取れた。

 

「…英語でなくとも問題ない指揮官」

「…分かった。取り敢えず自己紹介と行こう」

 

何処となく呆れた様子の彼女から助け舟が出され、俺は気まずさを誤魔化すように自己紹介を始めた。

 

「私はアメリカ海軍の潜水艦バージニア、着任した。指揮官(あなた)の前に立ちはだかる全てを打ち砕こう」

 

何処となくキーロフを思い浮かべる表情で笑みを浮かべる彼女。

取り敢えず差し出された手を掴み握手をしながら必要があるかは兎も角、自身も言葉を発する。

 

「このショートランド泊地の提督だ、これからよろしく頼むぞバージニア」

「あぁ、任せてくれ指揮官。海軍の最新鋭潜水艦の力を見せてやろう」

 

自信満々に胸を張るバージニア…ピッチとした服を押してご立派な物が視界に広がるが、鋼の精神で耐える。

決して、いかがわしい事を考えた訳ではないと、弁明させてもらう。

頭の中でそんな事を考えつつ、俺は彼女にこれからの話を行う。

 

「バージニア」

「あぁ、指揮官。何でも言ってくれ、必ず期待に応えてみせよう」

 

…すごい心苦しいんだが。

 

「…お前は現在出撃中の艦隊からの救援要請があるまで待機だ」

 

ガーンと擬音のつくような表情で固まったバージニア。

話の流れ的に活躍の機会だと思いきや、即座に待機命令を出されるのは流石に衝撃だったのだろう。

しばらくしガチガチに固まりながら再起動し、口をパクパクさせる。

 

「り、了解だ、指揮官」

「あ、あぁ…寮に部屋を用意させる、少し休んでいてくれ。何かあれば放送で呼ぶ」

 

妖精さんに「こっちこっち〜」と連れられながら工廠を出ていくバージニア、少し不憫に感じながらも余り時間を無駄に出来ないと俺も作戦室に歩きだした。

 

…その後、特にこれと言った問題もなく数時間後にはブルーリッジからの作戦完了報告が来たのは言うまでもない。

 

 

 




ヒロイン…何人目だっけ?
とりま書くこともないからバージニアの紹介です。
【バージニア】
提督が6番目に建造した艦娘。
正体はアメリカ海軍の攻撃型潜水艦バージニアである。
改になると対艦ミサイルが超音速になり弾道ミサイルも運用するようになる。
基本的に友好的で仲間たちで対立することは少ないがロシア海軍の原子力潜水艦に並々ならぬライバル心を持っている。
嫌いなことはこれと言ってないが魚雷とミサイルどちらが好きか問われると悩んだ末に提督が好きと誤魔化す。

本作のヒロイン候補。

太字や点滅などのフォント関係

  • これまで通りで大丈夫
  • 無くて良い
  • 更新速度あげるんだよあくしろよ
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