現代艦しか建造されない鎮守府(仮)   作:秋月艦隊

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第34話 他鎮守府艦娘の処遇【艦娘side】

帰還した艦隊を長身で白い軍服を纏った提督が直接出迎えた。

いの一番に飛び込んできた艦娘たちを落ち着かせながら、提督は帰還後の指示を出す。

 

「帰還して早々だが、取りあえず損傷艦を優先的に入渠するように」

「はい、損傷があるものは直ちに入渠します」

「また報告書の提出は翌日でいい…それと直近で伝えるべき重要事項がある者はこの場か1時間後に執務室に来るように」

 

提督からの命令を受け、艦娘たちはそれぞれ動き始める。

直接の被弾をしなかったインディペンデンスは艦載機の補充のため工廠に、多少なりとも損傷が出ているキーロフと汎用護衛艦の2人は念の為入渠しに、そしてブルーリッジは…

 

「あと、ブルーリッジは残るように」

 

名指しで残るよう命令を受けた。

彼女は少しキョトンとしていたが、他のメンバーにはその理由が察せられて、達観した表情でそそくさと退散して行った。

 

「何故残されたか分かるか?」

「え、えーっと…

 

ブルーリッジ、痛恨の報告忘れである。

作戦成功と勝利の余韻にひたって報告を行うのを失念していたのだ。

⋯失念していたと言えば聞こえは良いが、現状敵か味方か不明な人物を…それも個々が提督を片手間で仕留められる力を持った少女達を目の前に引き連れてきた行為は、時と場合によっては反乱の意思ありと疑われかねない。

いや、今がその時と場合なのかもしれない。

 

頭が真っ白になった

 

「あ、その…も、申し訳ありません!これは決して悪意ある行動ではなく、つきましては私どもから弁明と釈明をさせていただきたく、彼女達はトラック所属でありまして決して提督がお考えになるような者共ではッ!

「…落ち着けブルーリッジ」

 

目の前の提督が彼女を落ち着かせようと声をかける。

艦娘達から見て提督の言葉に込められている感情は呆れや失望と言うか…どことなく、驚愕しているような引きつった顔に見えたが今の彼女に表情を確認する余裕はなかった。

ひと呼吸おいてから提督は冷静に言葉を重ねる。

 

「別に責めているわけではない、問題がないようなら後で報告書にでもまとめておいてくれれば大丈夫だ」

「は、ハイ…了解いたしました」

 

はじめは混乱していたブルーリッジも徐々に冷静さを取り戻し、改めて姿勢を正した。

 

「こちらはトラック泊地所属の艦娘達です。帰還する際、戦闘を行っていたため救援いたしました」

「ふむ⋯」

「その際、損傷の激しい艦娘がいたため距離の近い本鎮守府(ショートランド)に誘導しました」

 

提督は熟考するように目を閉じ、少しの間静かな時間が過ぎた。

そして何度か頷くと全体を見渡し口を開いた。

 

「既に知っていることだろうが、私が本鎮守府を指揮する提督だ。友軍である以上気を張る必要はない、損傷艦は好きに入渠してくれ」

「「はいっ」」

 

トラック泊地の艦娘たちが一斉に返事をする。

提督はもう一度頷くと少し躊躇したように言葉を発した。

 

「…それから、トラックへの通信連絡は少し時間を置き行う、損害がひどくない艦娘は一五〇〇までに提督室に集まってくれ」

「はっ!了解しました!トラック鎮守府を代表して感謝します!」

「うむ…ブルーリッジ、彼女たちを案内してくれ」

「了解いたしました」

 

その言葉に大淀が代表して応え、その後は特に問題も起こらずに予想だにしなかった来客たちはブルーリッジとともに鎮守府内に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――さて、ひとり残された提督はどうしているか…それは顔を青くし大量の冷や汗をかいていた。

 

「⋯(これ、大問題だな…)」

 

かくして、ショートランド鎮守府はいつの間にか騒動に巻き込まれて行くのだった。

 




お久しぶりです。
次の話は提督視点で、来月までには投稿します(おそらく)
あとは特に言うこともないので感想お待ちしております。

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