現代艦しか建造されない鎮守府(仮)   作:秋月艦隊

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第40話 対策会議【艦娘side】

提督に呼び出された私は即座に提督室に向かった。

 

「失礼します」

 

ドアをノックして入室する。

室内には提督が席に腰掛けていた。

 

「よく来てくれた…まずは座ってくれ」

「はい、了解しました」

 

指示通り、提督の席の前に用意された椅子に座る。

提督は私が座るのを確認すると、深く息を吐きこちらをまっすぐ見つめてきた。

 

「——これから話すことはまだ憶測に過ぎないことなのだが…」

 

僅かばかり、10秒〜20秒程度の間沈黙を保っていた提督は語りだした。

それから語られた内容は驚愕するほかない内容だった。

僅か半日ばかり前に大本営から達せられた命令は内地への帰還だったが、その裏には提督の暗殺——は、少々いいすぎかもしれませんが、とにかく提督の身が危機に瀕していること、そして私達艦娘の存在が大本営に漏れたことで私達にも危険が迫っているかもしれない状況…到底、受け入れられない状況です。

 

「…と、思うんだがどう思う?」

 

提督が私に問いかけてくる。

——そんな私は、提督は重要な…それこそ自身の生命すらかかっている案件をも信用して話してくれることと、それを誰よりも早く”1番”最初に相談してくれる事に仄暗い喜びを感じていた。

誰よりも先に、それこそ核戦力を持ちうるバージニアや絶大な戦力を持ちうるインディペンデンスでも無く、同郷のすずつき・ふゆつきよりも早く、あの…実力だけは確かなムカつく巡洋戦艦でも無く、私が一番最初なことに自分でも驚くほどの感情が湧き上がってきたのだ。

 

「ブルーリッジ?大丈夫か?」

「え?あ、はいっ!問題ありません」

 

まずいまずい、完全に意識が遠くに行ってしまっていた。

深呼吸をした私は今一度情報を整理しだす。

まず、提督の命が狙われていると言う件に関しては、あまり心配はしていない。

理由は主に2つ。

第一に提督が正式な訓練を受けた士官であること。

第二に私達を建造でき指揮できる唯一の存在であること。

以上の2つから殺される可能性は低いと考える…勿論、深海棲艦からは第一に命を狙われるし、その存在が疎ましい一部の人間からは狙われるでしょうが、それよりもその存在や力を利用しようとするもののほうがより多いでしょう。

必然的に提督の”生命は”守られると考えられます。

 

ですが———提督の生命を人質に取られる可能性は高い…いえ、確実というべきでしょう。

 

私達を生み出せるのも従わせられるのも提督一人、これは絶対であり普遍的な事実。

つまり私達をいのままに従わせ戦わせようとするなら、最大のボトルネックは提督の身にほかならない。

 

「つまり、提督の身は何が合っても守り抜かなければなりません」

「…なるほど、事はかなり複雑という他ないな」

「はい、その通りかと思います」

 

提督は溜息をもらし深く息を吸い込んだ。

 

「内地に向かう際の対策案を聞きたい…防衛力を維持しながらどれほどの戦力を捻出できる?」

 

具体的な対策に移る提督。

私は鎮守府の戦力を今一度思い浮かべる。

指揮艦1隻,空母3隻,巡洋戦艦1隻,イージス艦4隻,護衛艦2隻,潜水艦3隻…更に基地航空隊の航空打撃戦力が戦闘機60機に戦略爆撃機20機に…使用したくはないですが”特別な弾道ミサイル”が8発という一大戦力がショートランド泊地には配備されています。

数は非常に多いですが…実際に動かせる戦力はあまり多くはありません、ショートランドの立地上の問題ではありますが文字通りの最前線に位置しており、日々敵の攻勢を受け続けており即応戦力として空母とその護衛艦は交代で海上を監視し続けています。

いくら航空機による早期警戒網を張り巡らせたとしても限度はあります…特に南太平洋では天候が不規則に代わり、乱立する島々に遮られ敵の発見が遅れる場合も充分に考えられます。

もし仮に鎮守府までの侵入を許せば施設に重大な損害が出るのは避けようがなく、何よりも提督の身が危険にさらされてしまうのは許容できません。

そうなると捻出できる戦力にも限りが出ますが…。

 

「――私を含めて護衛艦2人と空母1人、あとはイージス艦1人くらいでしたら戦力に穴を空けずに捻出できます

 

それら全てを鑑みた上で意見をのべた。

鎮守府防衛のために交代で海上を見張れる空母を2人に緊急時の打撃力としてキーロフ、それらの護衛としてイージス艦を半数残せば防衛は問題なく回るはずです。

私は自身を持って提督の言葉を待った。

 

「5人か…少し多いな」

この程度で!?ー…ンッんっ!――ですか」

 

その提督の発言に衝撃を受け、言葉遣いが乱れるも直ぐにリカバリーする。

まさか提督はあれほど言ったのにご自身の重要性をご理解いただけてなかったのでしょうか?提督ほどのお方がそのようなことは無いと思いますが…そのような不敬な考えが浮かぶ程度には混乱してしまった。

 

「あ、あぁ…大本営に向かう以上、艦娘を3人より多く連れていけば叛意があるものと見られてもおかしくはない」

で、ですが!内地とここがどれほど離れているかは大本営も理解しているはずです!その間の護衛戦力は必然ではありませんかっ!だいたいっそもそもこちらを強制的に呼び出すなんて厚顔無恥にも程がッ!

「――落ち着けブルーリッジ

 

今度こそ声を上げ感情を爆発させた私に対し提督は静かに、それでいて有無を言わせぬ声色で声を発した。

私はそこでハッとして押し黙ると姿勢を正した。

 

「申し訳ありません…」

「構わない。俺も気持ちは理解できる」

 

提督は厳かに、それでいて悔しさをにじませていた。

自身の一人称が普段の私から俺に変わっている事にも気づかない程に…それほどまでの激情を抱えていながら私は無責任に感情を発してしまうなんて…恥ずかしくて提督のお顔が見えません。

 

「内地まではトラックから航空機に乗って行くことになるだろう…トラックまでの護衛は認めるがその後の内地までの護衛は多くとも3人までにみんなの方で決めておいてくれ」

「はい、了解しました」

「私の方からは以上だ、ブルーリッジあとは任せた」

 

提督はそう私に対する信頼を口にし席をたった。

緩む頬を必死に引き締めて提督に敬礼を贈り見送る…きっと提督はこれから内地での立ち回りを真剣に検討するためにお一人になられるのでしょう。

私は提督が去った後、しばらく気を静めてから部屋を出た。

 

「インディペンデンス、みんなを集めて置いて」

 

提督のご命令に従うため強く足を踏み出した。

全ては提督のために。




お久しぶりです、書けたので投稿しました。
へ?続き?そこになければ無いですね。
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