工廠内、建造ドックの地点で私は静かに頭を悩ませていた。
「よーし!やるぞ!」
「おー!」
「がんばろがんばろ!!」
「ひゅー!おとこまえ〜」
私の目の前には生き生きとした表情で袖をめくり建造の準備を妖精さんたちと行っている提督…心なしか周りの妖精さんたちも嬉しそうだ。
でも…提督の思いに応えるためとはいえ、まさかあの【キーロフ】の媒体になる物が落ちているなんて…しかも提督も全てわかった上ですからね。
『ッ!まさか!あのキーロフか!?』
『はぃッ…あのキーロフです』
提督の驚いた顔が目に浮かぶ。
あの時の提督は間違いなく喜びに満ち溢れていた、つまり提督はあの"巡洋戦艦"を建造するつもりなのだろう…間違いなく、そしてあの巡洋戦艦もきっとそれに答えることだろう…私のように。
「はぁぁ…」
艦娘であり彼の部下である私には止める権利などないが出来ればアーレーバーク級の方を建造して欲しかった、それならば連携も十分可能だし下手なイザコザも起こりえないからだ。
しかし、提督は『できるだけ打撃力がある』艦艇を求めた…ならばそれに答えるのが艦娘と言う物だろう。
「──よし、建造開始」
「…」
そして遂に建造が始まってしまった。
提督はしばらく建造ドックを眺めると近くの妖精さんに命じて高速建造が始まった。
炎が建造ドックを包み込み、あっという間に建造ドック内の艦娘が出来上がっていく。
「…出来たのか?」
「…」
提督が不思議そうにつぶやく。
建造ドック内には白いモヤがかかり内部の艦娘は一切…いや、影だけしか見えない。
「──お前が私の提督か?」
「…あぁ、俺が提督だ」
白いモヤが少しづつ晴れていく中、建造された艦娘が提督に向かって問うてくる。
それに提督は僅かに間を開けてから答えた。
「そうか…」
モヤの向こう側にいる影が揺らめく…そして、一瞬のうちにモヤを突き破り飛び出してきた。
「なっ!!」
何が起きたか一瞬分からなかったが、すぐに建造された艦娘が提督に抱きついたのだとわかった。
何故かは分からない、だが妙に嬉しそうにしているその艦娘の姿を見て何故だか殺意が出た。
「ぐっ…き、君は!?」
「あぁ、はじめまして提督…ロシア海軍北方艦隊旗艦・重原子力ミサイル巡洋艦【Киров】だ───よろしく頼むぞ提督」
どうやら、悪い予感というのは的中するらしい。
私たちアメリカ海軍の艦艇を恐怖のどん底に突き落とした史上最大級のミサイル巡洋艦が姿を表した。
それを私は何処か遠い目で眺めていた。
「はぁぁ…」
とりあえず、提督と彼女を引き剥がさなければどうする事も出来そうにありませんね。
切り替えて私は2人に近づいて行った。
感想・評価ありがとうございます。
次はそろそろ戦闘させたいと思います。
太字や点滅などのフォント関係
-
これまで通りで大丈夫
-
無くて良い
-
更新速度あげるんだよあくしろよ