現代艦しか建造されない鎮守府(仮)   作:秋月艦隊

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第8話 対潜水艦戦【艦娘side】

【ソロモン諸島沖】

 

敵艦隊に強力なミサイル攻撃を行い、殲滅を完了した私達はソロモン海を北上しショートランド泊地への帰路に就いていた。

 

『…こちらショートランド泊地』

 

「はっ!提督、敵艦隊の殲滅完了しました、こちらの損害は無し!これより帰還します!」

 

『…うむ』

 

私は提督にご報告できず不満そうにしているキーロフを押さえつけ提督に作戦勝利の吉報を報告した。

提督から任せられた作戦を見事成功させたことに喜びと胸いっぱいの思いを馳せつつ通信を行う私…しかし、提督は特に喜ぶことも無く、その戦果も当たり前のように…いえ、まるで”全て予想通り”とばかりに答えた。

 

『ブルーリッジ』

 

しかし、私がその姿勢に感銘を受けているのもつかの間、提督は真剣な声で私の名前を呼んだ。

 

「はいっ!」

 

大戦果に舞い上がっていた私はその声に含まれる意図を酌み取ることが出来ずに返事をした。

しかし、次の瞬間…私の舞い上がった心は瞬時に落ち着いた。

 

『…十分な対潜警戒を行いながら帰還しろ、おそらく深海棲艦の潜水艦部隊が一部突破している可能性がある』

 

──刹那、私の対潜レーダーに敵潜の反応が現れた

 

「ッ!」

 

突然の事態に驚き立ち止まる私…よく見れば少し前を行くキーロフも提督のお言葉を聞いて振り返ってこちらを見ていた。

何故?どうして分かったの?まさか提督には特殊な能力が備わっていると言うの?いえ、そんなはずは無い…ならば、これも作戦の内なの?

 

…提督は一体どれほど先を見越して作戦を発令したの?

改めて考えてみれば私達2人をすぐさまソロモン海に出撃させたのも全て読んだ上で?ならば私を建造しキーロフと言う最強格の打撃戦力を建造したのも全て手のひらの上の出来事だったと言う事!?

 

──まさか、そんな、有り得ない…でもそれ以外に考えようが無い…もし違うとすれば何も考えずに私たちを出撃させた事になるわ…そんな事、提督に限って有り得ないのだから間違いないのでしょうね。

 

「は、はいっ!」

 

『…では帰還せよ』

 

「はぃ、失礼します

 

あの程度の戦果で舞い上がっていた過去の私を黙らせてしまいたい。

あれは提督が全て理解した上で行っていたんだわ…ならば全て予想通りなのも納得出来る。

 

「…とんでもない提督の所に来たものだな」

 

「えぇ…間違いなく」

 

キーロフの言葉に深く共感する。

彼の下で戦うのは簡単では無いだろう、私達もより精進しなければいけませんね。

私とキーロフはこの時確かに同じ事を感じていた。

 

「──対潜戦闘用意、提督にお手数をお掛けしてしまった分、与えられた任務は完璧にこなしましょう」

 

「そうだな…RBU-6000用意、この海域から潜水艦を全て駆逐するぞ」

 

キーロフが先行して敵潜水艦への攻撃を敢行する。

縦横無尽に駆け回る彼女を敵は捉え聞くことが出来ないらしく数分経った頃には最初の敵潜水艦を撃沈した。

彼女が発射する対潜ロケットはレーダーの影響もありガスマスクをつけたような特徴的な外見をした深海棲艦を続々と撃沈して行った。

 

途中、側面から雷撃を受ける事があったが、危なげなく回避した挙句、逆に対潜ロケットの雨を食らわされて敵は撃沈することになった。

弾頭25kgのロケットは敵潜水艦に命中すればほぼ1発撃沈となるため、こちらとしても安心して彼女の戦いぶりを見ることが出来た。

 

《…ガガ……》

 

「…終わったぞ」

 

「──流石ですね」

 

「そんな不満そうな顔で言われても困る」

 

ものの数十分で敵潜水艦十数隻を沈めてしまった彼女に畏怖の念と確かな実力を認識しながら私は話しかけた。

しかし、やはり私はよく顔に出てしまうらしい…そんなつもりは無かったのだが何も出来ず不満な事が彼女にも伝わってしまったらしい。

 

「とりあえず、帰りましょうか?」

 

「あぁ…ふっ それが良い」

 

最後の瞬間、敵潜水艦が上げた""について特に気にすることなく私達は帰還した。

やはり、私たちの居場所はあの鎮守府…いえ、提督の側なのだと改めて思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ショートランド泊地】

 

提督!帰ってきたぞ!

 

「ぐっ!あ、あぁ、無事で良かった2人とも」

 

「…」

 

帰還して早々、提督に抱きつくキーロフ(恋敵)…。

やっぱり、ロシアの船なんて信用するべきではありませんね…出来るだけ早く第七艦隊を揃えなくては提督の身が危ないですね。

 

「ぶ、ブルーリッジ?お、怒っているのか?」

 

「いえ?なんでもありませんよ…提督

 

ですが、今だけはその場所を譲りましょう…せっかく生きて帰って来られたのですから…ね?

私はあらん限りの笑みで答えた。




感想・評価ありがとうございます!

ここら辺でキーロフの紹介をしておきます。

【キーロフ】
提督が2番目に建造した艦娘。
正体はロシア北方艦隊旗艦【Киров】である。
改になると極音速ミサイルなんかや20cm超電子砲なんかを搭載するようになる。
提督の船として頑張っており、普段は落ち着いているが戦闘になると豹変する。
特に苦手なものは無いがイージス艦にはあまり良い印象を持っていない。
具体的には自分の方が優秀アピールをしてくることが気に入らないらしい。

本作のヒロイン候補2。

太字や点滅などのフォント関係

  • これまで通りで大丈夫
  • 無くて良い
  • 更新速度あげるんだよあくしろよ
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